1万円ちょいのグラボ! AMD Radeon RX 550レビュー

1万円ちょいのグラボ! AMD Radeon RX 550レビュー

贅沢を戒めていたゲーマーもグラッとなりそう。

GPU内蔵CPUが当たり前になって10年弱。今やグラボなんてゲーマー、映像エディター、3Dデザイナーを除けば必需品というより贅沢品ですけど、AMDから発売になった「Radeon RX 550」はお値段たったの80ドル(日本市場価格11,600円~)! ゲームタイトルと大差ない値段で買えます。

これなら古いデスクトップのアプグレ、自作の廉価PCのマザーボード強化にも気軽に買えますね。米GizmodoがAMDに聞いた話によると、年内にはラップトップのオプションとしてモバイル版も発売予定とのことです。

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液晶端子はDVI、HDMI、DisplayPort

チリドッグ6本楽勝で食えるティーンは知らないと思うけど、昔はどんな小さいPCにもビデオカードは必須だったものです。それが2010年になって、インテル様がCPU内部にGPUを埋め込むということをやり、廉価なビデオカード(「RX 550」のご先祖様)はお通夜状態となりました。今ではグラボというとパワーユーザー向けの上位モデルの独壇場になっています。

AMDが今回発表した新製品はいずれも従来のPolarisベースのGPUですので、1月のCESでもっと高速なVegaが発表されたことを知っている向きからは「あれれ? 」という声も聞かれました。ふつうは新しいメモリアーキテクチャが登場すると選手交代になりますからね。たぶん6月のE3開催前後にはVegaのカードも発売になる見通しです。なにもこのタイミングで旧Polarisベースの廉価な新製品を出さなくても、カニバライズ必至ではないか、と。

ラインナップは昨年のRX 400シリーズに代わる新製品のRX 580、RX 570、RX 560と、そしてこのオマケのような存在感のRX 550です。550は性能では前者3モデルに敵いませんが、値段では最安です。

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このウルトラチープな550で、ここ7年苦杯を舐めてきたAMDは廉価市場の一角に食い込みを図ります。インテル内蔵グラフィックIrisがあまりに高性能なため、どのGPUメーカーさんもわざわざプライスコンシャスな消費者の心を掴む製品で競争する必要性を感じていないのが昨今の状況ですが、そこに風穴を開けます。

一般のグラボに勝るわけではありませんが、RX 550を差し込むだけでインテルチップ内蔵グラフィックスより、ゲームプレイはむちゃくちゃ美しく快適になります。試しにターン制ストラテジーゲーム『シヴィライゼーション VI』でKaby Lake i7-7700K内蔵インテルHDグラフィックス630と性能を比べてみたら、RX 550のほうが4倍近く高速でした。

最高の画質設定「Ultra」にしてチーム対戦型FPS『オーバーウォッチ』をプレイしてみたら、RX 550の方が内蔵GPUのHD 630より3倍高速でした。もっともRX 550もHD 630もこの画質設定でプレイするのには無理があって、RX 550はせいぜい17fpsが限界なのでとてもプレイに耐えられないレベルだし、HD 630はもっとひどくて5fps。これだけフレームレートが低いと、まるでストップモーションかけながらプレイしているような感覚です。

続いて画質設定を「Low」まで下げてやったら、4Kの『オーバーウォッチ』もRX 550で十分プレイできました。70fpsで超スムーズ。一方のHD 630の方は28fpsまでしか伸びなくてプレイに耐えうるかどうかのボーダーラインです。これだけフレームレートが低いと、カクカクなので、素早くエイミングとかできない感じでした。

ゲームほど差は出ないけど、RX 550はゲーム以外の3Dグラフィックスのレンダリングも良かったです。Blenderで大容量の3Dファイルをレンダリングする所要時間はRX 550が9分40秒で、HD 630より5秒短かめ。

『Mass Effect Andromeda(マス・エフェクト・アンドロメダ)』とか『ライズ オブ ザ トゥームレイダー』はRX 550もHD 630も詰まっちゃいます。そういうのはもちろん値段が倍以上する”本格的”なNvidia GTX 1070とかAMD Radeon RX 580でやれば問題ありません。

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RX 550はRX 580よりずっとちっちゃい

RX 550は、一から廉価PCを自作する人に特に魅力が高い製品です。インテルの内蔵GPUより性能を上げられて、なおかつAMDが3月発売したばかりの「Ryzen CPU」との親和性も高いです。Ryzenのプロセッサはどの価格帯でもインテルに処理スピードでは勝っているんですが、なんせ内蔵GPUが欠けているのが痛い。でもこの80ドル(日本は1万円台前半)の550を買い足してやれば、性能も値段もインテル拮抗というわけです。AMDはモバイルでもインテルに挑む計画ですので、Ryzen+RX 550搭載ラップトップのほうが同等スペックのインテル端末より高速になることも考えられます。

今どき珍しいタワー型PCを持ってる人、廉価PC作りたい人にはRX 550、悪くないです。買ってイマイチでも『Mass Effect Andromeda』(EAJによると日本版はナシ)に毛の生えたぐらいの値段と思えば。

まとめ

・AMD Radeon 550は内蔵GPUより処理が速い

・市販の通常のグラボよりは遅い

・でも半端なく安い

・エントリーレベルのゲーミングPCの自作におすすめ

・AMDの新CPU(インテル製より高速&廉価だけどGPUが非搭載!)と組み合わせるとGOOD

CPUとGPUの違い、例えていえば?

images: Alex Cranz/ Gizmodo US
source: Twitter

Alex Cranz - Gizmodo US[原文
(satomi)