世界初。ポリカーボネート樹脂のピラーレスなフロントウィンドウできました

世界初ポリカーボネート樹脂ピラーレスフロントウィンドウ
Image: GLM
ポリカーボネート樹脂フロントウィンドウ搭載予定のトミーカイラ・ZZ

今月19日、帝人株式会社は世界初となるポリカーボネート樹脂製ピラーレスフロントウィンドウの開発に成功したことを発表しました。ポリカーボネート樹脂? ピラーレス? ちょっと専門的でよくわかんないですけど、とにかく世界初のすごい窓"ガラス"ができたってことです!

そもそもポリカーボネート樹脂ってなんだ

ポリカーボネート樹脂とはプラスチックの一種で、ガラスの200倍くらい丈夫で重さは半分ほどしかないという優れものです。現在ではCDや家電製品から、特殊部隊の防弾ヘルメットにも用いられています。あの最強ステルス機、F-22のコックピットにまで使われているそうですよ!

The Terminator 1984
Image: madness1313/imgur
『ターミネーター』でシュワちゃんがつけていた弾丸も通さないグラサンもポリカーボネート製

ピラーレスってなに、すごいの?

世界初ポリカーボネート樹脂ピラーレスフロントウィンドウ2
Image: 元画像…User:Stahlkocher 加工者…利用者:時野 - コモンズにあるImage:Mitsubishi Lancer Station l blue.jpgを加工, GFDL, Link

ピラーというのは窓柱のことで、特にフロントウィンドウを支えるピラーはAピラーと呼ばれます。その役割は前方からの衝撃に耐え、運転席と助手席の空間を確保することで生存確率をあげること。非常に重要なパーツなのですが、非常に厄介なやつでもあるのです。

運転経験のある方ならおわかりでしょうが(自分は無免許ですがゲームセンターで経験済みです)、Aピラーは運転手の視角を遮ってしまうのです。価格.comでもAピラーをなくせないかという掲示板が大いに盛り上がっていました。帝人は、この必要だけど邪魔なAピラーのないフロントウィンドウを開発したってことです!

プラスチックの弱点を補うハードコート

ガラスより軽くて丈夫なポリカーボネート樹脂。この有能なプラスチックにも弱点がありました。耐摩耗性(引っ掻き傷への耐性)と耐候性(変色・変形への耐性)がガラスに及ばなかったのです。この課題をクリアしなければ、ワイパーや砂ぼこりで傷つき、紫外線で黄色く変色してしまう困った窓になってしまいます...。

その弱点を補ったのが帝人のプラズマCDV法。従来のウェット法に加え、ハードコート材をガス化してコーティングすることで、パーフェクトウィンドウの完成を実現したのです。

世界初ポリカーボネート樹脂ピラーレスフロントウィンドウ3
Image: 帝人株式会社
左:ハードコートなし、中央:ウェット法、右:プラズマCVD法

自動運転や電気自動車の登場に比べれば派手さに欠ける技術ですが、この技術は車の性能面だけでなくデザインをも革新するものですよね。未来ではピラーという単語は死語になってるかもしれません。教習車もピラーレスになったら免許取りに行こうかな...。

追記:7月11日14時

こちらの記事を公開した翌日、帝人より樹脂製ピラーレスフロントウィンドウを搭載したトミーカイラ・ZZの画像が公開されました。

世界初。ポリカーボネート樹脂のピラーレスなフロントウィンドウできました 1
Image: 帝人株式会社

世界初。ポリカーボネート樹脂のピラーレスなフロントウィンドウできました 2
Image: 帝人株式会社
左:通常Aピラー有/右:ピラーレス

Image: GLM株式会社, Wikimedia, 帝人株式会社(1, 2
Source: 帝人株式会社, 価格.com, imgur

(瀧川丈太朗)

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