HMD無しにVR的没入感を。視界を覆う半球型の映像装置「8K:VR Ride」を体験

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Photo: ギズモード・ジャパン

目と肉体が不思議な感覚でした。

2017年3月にテキサス州オースティンで開催されていた、音楽、映画、インタラクティブの祭典SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)。日本からもいくつかの企業が出展していた本イベントで、行列が絶えなかったというNHKエンタープライズ出展の「8K:VR Ride featuring“Tokyo Victory”」が、関係者向けではありますが国内で初めてお披露目されました。

「8K:VR Ride featuring“Tokyo Victory”」は、半球状のドーム型スクリーン「WV Sphere 5.2」を用いた体験コンテンツ。ルミエール・ジャパン・アワード2016の3D部門グランプリや、Innovative Tcehnologies2016の選考委員特別賞などを受賞したコンセプト「8K:VR」をベースに、22.2ch音響や座席遊動、送風などを組み合わせた、HMDを使わないVR体験装置です。

また、映し出されるコンテンツのコンセプトは「TOKYO バーチャル体験」。2020年の五輪の東京招致が決まったことをきっかけに作られたサザンオールスターズの楽曲『東京VICTORY』に乗せて、東京の名所や空を巡りながら過去から現在、2020年に向かう様子を時空移動する内容です。これらは8Kによる実写とCGを組み合わせた映像となっています。

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Photo: ギズモード・ジャパン

至極乱暴にまとめると、視界を超綺麗な映像で覆いながら超良い音を使って座席を4DXのように連動させる装置です。視野全体を覆うのでHMDで映像を見るのと変わらない映像体験が味わえるということですね。そこに座席の動きも加わってくるので、さらに臨場感が付与される、と。

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Photo: ギズモード・ジャパン

スクリーンにはこのように映像が映されますが、半球状になっているため真正面以外から見るとかなり歪んで見えてしまいます。しかし、この半球状こそHMD無しにVR的没入感をもよおさせる要素。平面スクリーンに映像を映すよりもはるかに奥行きを感じることができるんです。だって、物理的に奥行きがありますからね。

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Photo: ギズモード・ジャパン

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Photo: ギズモード・ジャパン

横から見るとその奥行きっぷりは一目瞭然。一番深い部分は座席からは約3mも離れています。正面からスクリーンを見ると平面に感じるけど、いざ動画が始まると飲み込まれるような立体感が押し寄せてくるというのは、今までに感じたことのない感覚でした。

座席からでないとまっとうには見えないんですが、シートの動いている感じや映像との連動を動画でご覧下さい。

Video: ギズモード・ジャパン/YouTube

映画『ジュラシックワールド』にジャイロスフィアという透明の乗り物が出てきますが、体験中はそれを思い浮かべていました。まるで透明な乗り物に乗って各地を巡っているような感覚で、ただ映像を見せられているのではなくその場にいる感覚があります。なので空撮シーンはタマヒュンものでしたし、座席の傾きや振動も相まって三半規管は完全に騙されていました。サビで空に舞い上がる音楽とのリンクも良い、エモい。

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Photo: ギズモード・ジャパン

こうした没入感を感じさせる成分として、なにも装着しなくていいというのはかなり大きな要素でしょう。HMDで視界を制限することはないので、映像でありながら現実と同じように五感で感じるのに近い体験が味わえます。人間の両眼視野角は約120度くらいですが、「8K:VR Ride featuring“Tokyo Victory”」は180度に映像を投映しているので、現実世界を見ている感覚と地続きに感じられるのですね。

ちなみに、HTC VIVEやPS VR、Oculus RiftといったVR HMDの視野角は約100度〜110度。視野全体にスクリーンの映像が見えている「8K:VR Ride featuring“Tokyo Victory”」に比べると、まだ覗いている感覚が否めないところです。リフレッシュレートや視野角が広がれば、『サマーレッスン』ももっとその場にいる感が強まることでしょう。待ってるよ、技術。

また、今回体験した「WV Sphere 5.2」は仮設運用が可能なパッケージとして提案されているので、映像側のコンテンツやソフトウェアの充実次第でさらに可能性が広がるのではないかと思っています。例えば360度の空撮映像に特化してみたり、海中の映像で潜水艦体験をしてみたり、リアルタイムの360度映像をストリーミングしてみたり。事業者が増えればビッグアイデアなコンテンツも増えていくのではないでしょうか。

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Photo: ギズモード・ジャパン

肌感にクるような映像体験を、HMD無しで味わえる。この最新鋭の映像装置は、2017年10月27日(金)〜29日(日)に開催予定のデジタルコンテンツエキスポ(DCEXPO 2017)への出展を予定しており、そこで初めて一般公開されます。SXSW同様、きっとこちらも行列で賑わうことでしょう。

仮想現実へ没入するための視覚体験アプローチは、HMDだけじゃあない。体験手法の数だけ、VRという単語の意味も膨らんでいくのやもしれません。

Photo: ギズモード・ジャパン
Source: 8K:VRライド「東京VICTORY」, DCEXPO2017

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