米マイクロソフト、未使用のテレビ信号を使った新しいブロードバンドサービス発表

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Image: kasha_malasha / Shutterstock.com

米マイクロソフトは今月11日に、「ホワイトスペース(使われていないテレビの放送チャンネルのこと)」を使った新しいインターネットサービスを発表しました。

…と聞くと、この「ポストモダン」なビジネスコンセプトに対していくつか疑問が生まれるでしょう。もしあなたがアメリカで1985年より前に生まれた世代ならば、テレビ信号が空気中を漂い、「Married…with Children」のエピソードを届けてくれていたことを思い出すかもしれません。なんとこの時代に使用されていたテレビ信号は未だに存在し、チャンネル間にはホワイトスペースと呼ばれる空白のスペクトルとして現在しているんです。

そして、このホワイトスペースを利用し、数マイルの広さにスーパーWiFiやとブロードバンドインターネットサービスの一種に変換する方法が編み出されたのです。さらに、通常のWiFiや携帯電話の通信ネットワークとは異なり、テレビ信号はより強力なので、電波の障害になるような建物のコンクリート壁などの影響を受けずにインターネットを届けることが可能。これはコスト的にブロードバンド回線を開通させることが難しかった農村部にとって、特に理想的な技術ですね。

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Image: Carlson Wireless

マイクロソフトはニューヨーク州とバージニア州を含むアメリカの12州に、ホワイトスペースブロードバンドサービスを提供するために約100億ドル(約1.1兆円)を投資する予定です。これにより、推定200万人のアメリカ人がネットに繋がるようになるとニューヨークタイムズ紙は報じています。

しかし全てが素晴らしいようにみえるマイクロソフトの計画には、課題がまだたくさん残っています。インフラ面の整備がその一つです。ホワイトスペースブロードバンドサービスは、一般的なテレビのスペクトルを利用しますが、ネットに接続するためには特別なハードウェアが別途必要になります。特別な基地局を建設し、ホワイトスペースのアンテナを設置する上に、電力を供給する必要があります(電力供給網から離れている基地局は太陽光で発電することも考えられる)。

さらに、ホワイトスペースを利用するためには特別な受信機(ホワイトスペース信号をコンピューターがWiFiのように理解できるものに変換するため)が必要になります。インフラを整えるだけでも、かなりのコストがかかりそうです。

まあそうはいっても、マイクロソフトなので、コストの心配をする必要はなさそう。しかし同社がこの新サービスの利用料をどれくらいに設定するかはわかりませんが、おそらく、新しい基地局を建設するための費用をカバーできるほどにすると考えられます。

最初は、1000ドル(約11万円)以上の高価な家庭用の受信機を利用者は購入しなくてはなりません。が、マイクロソフトいわく、来年までには一つにつき200ドル(約2万2千円)にするそうです。それまでなかった高速インターネットを2万円少しで手に入れられるなら、かなりの人が契約するに違いありませんね。

このホワイトスペースを使ったインターネット技術は長年に渡って研究開発されてきましたが、この技術を市場に提供する最初の企業がマイクロソフトになりました。Facebookのレーザー搭載ドローンGoogleの気球イーロンマスクの衛星インターネットなど、名だたるテクノロジー企業が地球のあらゆる場所にインターネットを届ける方法を開発していますが、マイクロソフトのホワイトスペース構想は実用のステージにきました。日本でも有用な技術なのでしょうか?

Image: kasha_malasha / Shutterstock.com, Carlson Wireless
Source:New York Times
Reference: Microsoft, Wikipedia

Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文
(mayumine)

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