映画『第9地区』監督の新プロジェクト「Oats Studios」から新たに2本の映像が公開

映画『第9地区』監督の新プロジェクト「Oats Studios」から新たに2本の映像が公開 1
Image: Oats Studios/YouTube

華々しいデビューを飾ったニール・ブロムカンプ監督の試験的ショート・プロジェクト「Oats Studios」から、待望の新作が2本も公開されました。

今回は、トレーラーで異色を放っていたクッキングショーが舞台の『Cooking With Bill - Damasu 950』と、ベトナムを舞台にしたSFの『Fire Base』です。

では、1本目・2本目ともにグロいので、くれぐれも閲覧注意でお楽しみください。(あ、2本目は本当に結構グロなので、人間の手足の肉をゆっくり剥がすような描写が平気な人だけみてくださいね)

『Cooking With Bill - Damasu 950』

Video: Oats Studios/YouTube

動画はOats Studiosより。

デモンストレーション通販を行なう番組「Cooking with Bill」では、忙しい主婦の味方となるであろうハイパー電動ナイフ「Damasu 950」を紹介。

ブロックチーズを普通のナイフで切って見せようとしますが、なかなか切れません。うーん、困った。そこでお勧めしたいのがDamasu 950。電動式でパワーは十分、先に何本ものナイフが付いていてあっという間にチーズをスライス…!と思ったらてんで歯が立ちません。

気を取り直して感謝祭のマストアイテム、ターキーに挑戦しましょう。空腹のゲストに一刻も早く出来立てのターキーをサーブしたい、そんな時は通常の10-15倍の速さでスライスしてくれるDamasu 950の出番です。

しかし思わぬ事態に…! うまく切れないターキーを固定しようとしたビルの手を荒ぶるナイフが激しくスライス!! なんという放送事故

最後を飾るのは可愛くデフォルメされた「Oats Studios」のロゴ。「ダマス」というネーミングといい、このロゴの色合いといい、日本を意識していると思ったのは筆者だけでしょうか。

というか、「Oats Studios」のショートは単体で完結し、他の作品とは絡んでこないんですね。以前公開されたトレーラーにこの作品が入っていた時は、ストーリーにどうやって関係してくるのか悩んでしまいました。

■『Fire Base』

Video: Oats Studios/YouTube

動画は同じくOats Studiosより。

1969年、激化するベトナム戦争の最中、アメリカ兵は不可解な死体を見つけ、空に浮かぶヘリコプターや死体を目にした。

「彼は水田に行って何やら拝み出したの…。そしたら人も乗り物も全部空に向かってのぼって行ったわ。」と訴えるベトナム人女性。

1970年、ある兵士(ハインズ軍曹)が秘密の隠れ家を見つけ中に入ると、奥からフラフラと向かってくる男。手榴弾で攻撃するも、男は人間ではない姿をあらわし攻撃をやめません。銃で制圧し「俺が探しているのはお前じゃ無い」と一言。

後日、第一線で戦っていたハインズ軍曹の元にCIAのジェイコブ・パーマーが訪れ、一連の惨劇は「リバー・ゴッド」と呼ばれるベトナム農夫が原因であると伝えます。そして、カンボジア国境にある軍の医療施設で、リバー・ゴッドによる攻撃の唯一の生還者であり、話がができるブラッケン伍長が治療を受けているので、ハインズ軍曹を連れて話を聞きに行くことに。


上半身に大火傷をおったブラッケン伍長によると、ターヒールの川べりで何かが大量に浮かんでいるのを目撃した後、激しい銃撃戦に発展。アメリカ兵の多くが負傷する中、伍長は前方から生肉を全身にまといながらおぞましい姿になる「リバー・ゴッド」と目が合いました。

次の瞬間、伍長はアメリカのチャールストン・ベースにいて、ロシア軍からプロパンのナパームのような、青いナパーム火炎放射による激しい攻撃を受けました。そして火だるまになったまま、再びベトナムのジャングルに戻ってきたというのです。自分の身に起こったことが現実だったのか夢だったのか混乱しているブラッケンに、ジェイコブは「チャールストンは今でも無事」だと伝えます。

ベトナムのジャングルに戻ってきたブラッケンが目にしたのは、死んだはずの兵士たちが川べりに佇んでいる姿。死体を解体してみると、中がゴキブリや蜘蛛のようになっていました。リバー・ゴッドを目撃したのはブラッケンただ一人。CIAは今後ブラッケンをアメリカに輸送し、MKウルトラ(CIAによる洗脳)にかけ、他の戦士同様、公式に「戦闘中行方不明」扱いにする決定を下し、ハインズ軍曹にリバー・ゴッド抹殺を命じました。


攻撃に向かう夜、ハインズ軍曹は自分が不可解なビジョンに悩まされていることをジェイコブに打ち明けます。すると、事前にハインズを知る兵士に聞き取り調査していたジェイコブは「お前は強大な力で守られて生かされている。」と言います。そして家族を殺され家を焼かれたことで絶望からリバー・ゴッドになった元農夫を、自然界のエラーによって発生した産物であり「エラーは抹消して正されなくてはならない」とも。そしてジェイコブはハインズに最新の磁気兵器を授けました。

果たしてハインズはリバー・ゴッドを抹殺することができるのかーー

前作の『Rakka』と比べると内容が少し複雑になった印象。ベトナム戦争にSFを合わせるなんて、これまであまりなかったアプローチですね。歴史的事実として、アメリカ軍は多くの一般市民、ジャングルを焼き払い、枯葉剤で後世に残る被害をもたらしたとして世界各国から強く非難され、ベトナムから撤退しています。この撤退までの流れにリバー・ゴッドの活躍があったとするなら面白い解釈ではないでしょうか。

さて、気になる「Oats Studios」の今後ですが、The Vergeが掲載したブロムカンプ監督のインタビューによると、『Cooking with Bill』のような短い尺の武器会社をテーマにしたフルCG作品『Capture』、長尺でダコタ・ファニング主演の『Zugote』の公開を控えているそうです。どちらも本当に楽しみです。

映画『第9地区』監督の新プロジェクト「Oats Studios」の第一弾が無料公開

Image: YouTube
Source: YouTube(12), The Verge

中川真知子

あわせて読みたい

    powered by CXENSE