マシーンラーニングという名の魔術。Wi-Fiルーターを使って人間の感情を読み取る試み

マシーンラーニングという名の魔術。Wi-Fiルーターを使って人間の感情を読み取る試み
Image: MITCSAIL / YouTube

Wi-Fiルーターって何でも透視できるようになりそう。

連日マシーンラーニングによって可能になった技術がニュースになっています。MITの研究者たちが新しく開発している技術「EQ-Radioもマシーンラーニングが可能にするかもしれない脅威のテクノロジーです。なんとWi-Fiルーターが、発した信号の反射を分析することで人体の心拍数や呼吸パターンなどを観察し、それを元に感情を判別するというんです。

Wi-Fiルーターの信号を使って…人間の感情を判別、つまり「この人は怒っている」「この人は喜んでいる」というのが分かるようになる、ということです。なんともSF映画のような話ですが、研究者たちは素人にも分かりやすく説明したビデオをYouTubeにアップロードしています。

Wi-Fiルーターからの信号が人体にあたって跳ね返ったものを受信することで、心拍数と呼吸のリズムを検知します。そしてそれによって得られた情報をマシーンラーニングによるアルゴリズムを通すことで、その人が抱えている感情を特定するというもの。

一昔前なら、心拍数や呼吸パターンをどれほど正確に計測できても、そもそもどんな状態がどの感情に対応しているのかを定義付けるのが不可能でした。それがマシーンラーニングの登場で高確率で識別できるようになるはず、というわけですね。

マシーンラーニングの功績は数多くありますが、一番よく耳にするのは画像認識かもしれません。かつてはコンピューターに「猫」の画像を認識させようとすると、人間のプログラマが「猫」の定義付けをしなくてはいけませんでした。とは言え、耳や尻尾の無い猫もいれば、色も模様も様々です。四足は犬もだし…と人間の脳が簡単にできる、こういった人や生き物の認識をコンピューターにさせるのは難しかったわけです。

しかし、コンピューターの処理能力の進化によって大量のデータを使ってコンピューターに学習をさせることができるようになりました。人間が猫の定義を正しく決めなくても、何万枚、何百万枚もの猫の画像と猫じゃない物の画像を使ってトレーニングすることでかなりの高確率で猫だと当てられるようになったという話ですね。医療分野などではコンピューターによる画像認識が人間の能力を上回るという事態も出てきています

感情をコンピューターが識別できるようになってもおかしくありませんよね。

「このテクノロジーが(コンピューターによる)感情識別という新しい分野における重要なステップであると我々は考えている」と論文では述べられています。たしかにこれが高精度で実現したらすごいことになりそうです。

この技術の応用法として「映画鑑賞中のオーディエンスの感情を観測することで、映画制作者たちにより正確なフィードバックを与えることができる」「うつなどを外部から指摘されることで、精神状態の健康改善に取り組める」「感情に応じて家のBGMや照明を自動で変えることをしてくれるようなデバイスの開発」などがビデオで例に挙げられています。

感情識別の部分はおいておいても、Wi-Fiルーターが心拍数などを検知できるという技術もすごいです。これがスマートホームに導入されれば、心臓発作などを検知して通報してくれる、などの応用もできるようになりそう。

Image & Video: MITCSAIL / YouTube
Source: EQ-Radio / Massachusetts Institute of Technology 1, 2, YouTube via TNW

(塚本 紺)

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