「生物学的に女は不向き」発言者解雇。オルタナ右翼がGoogleボイコット

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女は不向き発言者解雇でオルタナ右翼がGoogleボイコット
Image: Casimiro PT / Shutterstock.com

「同じ仕事でも給与が男性より4万ドル(約440万円)低い」と女性社員60人がGoogle集団提訴に動く中、「女性は生物学的に適性が低いのだから待遇差があるのは当たり前だろ」と火に油を注ぐ問題発言が出回り、その男性社員が解雇された件で、オルタナ右翼が「議論もできないのはおかしい」と反応していますよ。

さっそく解雇されたJames Damore元社員のために訴訟費用を集めるクラウドファンディングのページを立ち上げ、Googleのボイコットを呼びかけている模様です。

どんな人びとがツイッターでボイコットを呼びかけているかと言いますと…

Mike Cernovich(マイク・チェルノビッチ)
トランプJr.が「ピューリッツァー賞をやるべきだ」と絶賛する右翼アジテーター。
主な実績: 「ヒラリー・クリントンが窯焼きピザ屋で児童人身売買している」というフェイクニュースを広め、本気にした市民がピザ屋を襲撃した。
主なポリシー:全移民にIQテストを義務付けIQ 115未満は帰化禁止にすること。

Michael Tracey(マイケル・トレイシー)
英国出身、米コロラド大学教授。
主な実績:「ジョンベネ殺人事件の真犯人はジョン・マーク・カーだ」という嘘八百のドキュメンタリーを制作しイギリスで放映、コロラド警察を散々振り回した。

Paul Joseph Watson(ポール・ジョゼフ・ワトソン)
英国籍、陰謀論サイト「Infowars.com」編集長、YouTubeパーソナリティー。
主な実績:ヒラリー・クリントン体調不良のフェイクニュースを広めた。フェイクニュースの傾向と対策を学ぶ教材に使われている。

・CNNisRetarded(CNNは知恵遅れ)さん
・TheMuddyCuck(イカレたやつ)さん
・Grammar Nawtsyさん(熱烈なトランプ支持者)

…といった面々。役者は揃った感がありますね。いずれも「ダイバーシティ、ダイバーシティ(多様な人材活用、就業機会均等)と叫ぶイジメはやめろ」と訴えており、言論の自由、表現の自由を死守したい構えです。

そう書くとカッコイイですけど、中身はだいたいこんな感じです。

・「Googleなんかナチスがやってる会社だ
・「赤いカプセル飲んだ気分だ」(映画『マトリックス』でモーフィアスの差し出す赤と青の錠剤をもじって。)
・「Duck Duck GoかBingに乗り換えよう

一番めだったのはウィキリークスのジュリアン・アサンジで、「うちで働け」と解雇された社員にラブコールを送ってますよ。

仕事あるのかなって思いますけどね。

あとは「Googleの広告主に電話して広告ボイコットさせよう」と呼びかけている人もいるのですが、Googleの広告はそういうビジネスモデルではないのでやっても意味ないような…。あんまり深く物事考えないタイプの人が多い感じですね。それでもハッシュタグが量産されたり炎上モードにはすっかりスイッチ入っていますので当分は続くものと思われます。

そんなことより集団提訴

右翼が問題にしている「リベラルの言葉狩り」、「検閲」、「言いたいことも言えない社内の雰囲気」というのは主観的な問題ですけど、もっと重要なのは冒頭の60人の集団提訴の方です。こちらは客観的事実として見て、Googleにかなり分が悪いんです。

同社は男女賃金平等法違反の疑いがあるため政府に会計検査の協力を要請されているのですが、一部給与履歴の公開を拒んでいます。そのため今年1月、「公開拒否を続けるなら政府は業務契約を破棄しなければならない」と米労働省に提訴されたという経緯があります。

4月に同省は2015年の給与をベースに「全社的に男女賃金格差が存在する」と発表。さらに詳しく採用時点までさかのぼって調べるため過去の給与履歴の開示を求めたのですが、Googleは5月の法廷で「政府の請求する情報を用意すると500時間労働で10万ドルも経費がかかる。高すぎて払えない」と情報の引き渡しを拒否しています。これに対し労働省側弁護士は、「ダイバーシティの取り組みに1億5000万ドル投入すると豪語しているGoogleが10万ドル高すぎるってどういう論法だ」と怒っていました。

ところがこの事実をThe Guardianが報じたところ、なんと「係争中の事実をマスコミに漏らしたのは倫理規定違反。よって本件は訴えを取り下げるべきである」と法廷に訴えていたのです。

どうしてそんなに必死なんだろう思っていたら…年間10万、20万どころの格差じゃない、440万円ですもんね…そりゃ開示できないのも当たり前ですわ…もちろんまだ断言はできませんけど。例の男性社員の文書といい、この労働省への対応といい、ちょっと意外ですよね。

Image: Casimiro PT / Shutterstock.com
Source: The Guardian 12, US Department of Labor
Reference: Twitter 1, 2, 3, 4, Wikipedia 1, 2, 3

Matt Novak - Gizmodo US[原文

(satomi)

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