Sound Bar Flexレビュー:変幻自在の楽しいスピーカー

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LGのモジュール式サウンドバー「Sound Bar Flex」。普通のサウンドバーとしても使えるし、スピーカーを分割していろいろな楽しみ方ができるこのサウンドシステムを米Gizmodoがレビューしています。


新しいSound Bar FlexでLGが作り出したのは、世界最高のサウンドバーではありませんでした。この3基構成のスピーカーシステムを「モジュール式」と呼ぶのは言い過ぎだし、430ドル(約4万7000円)の(ほとんど)ワイヤレスなシステムと考えても安くはありません。それでも、Sound Bar Flexは使って楽しいヤツなんです

1月のCESでLGが披露したのは、競合他社が生産する長いプラスチック棒のようなものではなく、伝統的なTV用サウンドバーに一ひねり加えた興味をそそるモノでした。「Sound Bar Flex」(型番はSJ7)という野心的な名前がつけられたそれは、ポータブルスピーカー、セミサラウンドサウンドシステム、そして一般的なサウンドバーのようにも機能する、とされていました。

デザインの観点から見れば、このシステムはそれらの中間のようなものとして機能します。見栄えもとてもいい、音も良い2.1サラウンドシステムと、2つの細長いスピーカーの形状が作り出す、サウンドバーの形、その中間がこれなのです。

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小さくても読みやすいディスプレイでは、イコライザーは制御できるが、残念ながらサウンドのすべてを制御することはできない。

しかし、他企業がサウンドバーをテレビの下に滑り込ませて見えなくしようとどんどん薄くデザインする中、LGのSound Bar Flexはかなり大柄です。TCL Pシリーズのテレビに付属のスタンドをつけて試したのですが、Sound Bar Flexがとてもでっぷりしているため、テレビの中央のロゴ部分を隠してしまいました。しかしこれは解決可能な問題です。なぜなら、LGはあなたが望む場所にスピーカーを置けるよう、小さなスタンドもつけているからです。しかしそうすればサウンドバーではなくなるわけです。

これはワイヤレスなシステムでありながらも完全にはワイヤレスではなく、メインスピーカーはTVからHDMIオーディオリターンチャンネル(ARC)または光オーディオケーブルで接続する必要があるため。・・・ちょっと先走りすぎましたね。まずはこれがどう機能するかについてもっとお話ししましょう。

機能の面で言​​えば、これは3つの部分からなるシステムだと言えます:固定サブウーファー、プライマリースピーカー、セカンダリースピーカーです。プライマリーとセカンダリーは、Bluetoothを使用してポータブルスピーカーにできます。スピーカーはお互いにワイヤレス接続するのですが、プライマリースピーカーはケーブルでテレビまたはオーディオレシーバーに接続する必要があります。一方、サブウーファーは1つの場所にとどまり、Bluetooth経由でプライマリシステムに接続します。こう書くととてもわかりにくく聞こえますが、実際にはセットアップは簡単です。

このようなモジュラーシステムでは誰もが好きなように設定を変えることができますが、主なセットアップとしては3方法あります。1.サウンドバーのように、テレビ画面の下に2つのフロントスピーカーを並べる方法。2.テレビの側面に沿ってフロントスピーカーを縦方向に置いたりマウントしたりして、より立体感のあるサウンドを作る方法。3.画面の下にプライマリースピーカーを設置し、ソファーの後ろにセカンダリースピーカーを設置する方法。選択はあなた次第です!

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リアモードでは、メインスピーカーは小型サウンドバーのようにテレビの前に設置、セカンダリースピーカーはソファーの後ろに置く。

この柔軟性の高さは、小さなスペースではとても楽しいものです。「劇場モード」と「だらだら観モード」を使い分ける人にとってはLGのアプローチは好ましいものでしょう。そうしたければ通常のサウンドバーとして使うことができますし、もしサラウンドサウンド体験に近いものを望むならば、バラバラに分割して自分自身をサラウンドで囲むことができます。私にとってこの違いは、野球の試合を見ながら缶ビールを楽しむことと、冷えたグラスで安いライ麦ウイスキーを楽しみながら没入できるSF映画を見ることの違いです。私の小さなアパートでIMAX体験ができるようになるなんて期待してはいませんが、時にはこんな風に雰囲気を上げるのもいいものです。

皮肉なことに、大きなスペースではLGのモジュラーシステムはそこまで意味を成しません。スプロール化する郊外住宅地の広い居間にとってワイヤレスなスピーカーは恩恵をもたらすと思うかもしれませんが、実際にはこのLGのシステムはそれほど大きな音が出ません。320ワットのこのシステムは、あなたがリビングルームに置くことができる最もパワフルなものにはなり得ないでしょう。『ハクソー・リッジ』などの戦争映画などを見るときに最大音量にすれば没入感を感じることができるでしょうが、衝撃的な臨場感と言うほどのものではないでしょう。

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サウンドバーのスピーカーを立たせることも可能。こうすれば全体が2.1チャンネルのサラウンドシステムのように機能する。

完全なワイヤレス接続にしようとすれば、スピーカーのパフォーマンスに影響がでます。ポータブルサウンドバーのスピーカーから電源を外せば、充電式バッテリで作動するようになりますが、バッテリー駆動時間を保つために出力が140ワットに低下します。もちろん、ワット数が少なくなれば音量も小さくなります。『ハクソー・リッジ』の特定の爆発シーンで比較してみると、バッテリー駆動時の音量は電源に接続したときの半分ほどに聞こえました。

Sound Bar Flexの音質は、電源接続時ならどんなサイズの部屋でも非常にまともです。セカンダリースピーカーを後ろに置いて『ハクソー・リッジ』を観れば、弾丸はあらゆる方向から来ているように聞こえ、余計に恐ろしく感じることができます。一般的なサウンドバーモードで『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のようなSFを観れば、ほとんど劇場に居るかのような感じ。それでも『トロン: レガシー』で試した際にはこのLGのシステムには失望してしまいました。この映画は言ってみればDisney製の2時間あるDaft Punkのビジュアルコンサートです。音は良いとは言えるのですが、ぶっ飛ぶほどいい音という感じではありませんでした。

さて、ワイヤレスについての話もしましょうか。Sound Bar Flexはワイヤレスサウンドシステムですが、Wi-Fiサウンドシステムではありません。スピーカー同士はBluetoothを使用して接続しています。残念なことにBluetooth技術というものは、ペアリングと接続を必要とし、遅延や干渉などのいくつかの問題も抱えています。しかし、もしあなたが最高級のWi-Fiサウンドシステムをお望みなら、もっと大きなお金を支払わなければいけません。たとえば、700ドル(約7万8000円)のSonos Playbarとか、もっとお金を出せるなら一つあたり200ドル(約2万2000円)のSonos Play:1スピーカーに700ドルのSonos SUBで真のサラウンドサウンド体験ができるでしょう。あと、それらのスピーカーはすべて、ずっと電源に接続したままにしておく必要がありますけどね。

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馬鹿げて見えるが、ソファーと壁の間にテーブルを置く隙間なんて無いので、ソファーと壁の間にセカンダリスピーカーを置いて使うのがお気に入り。

Wi-Fiサウンドシステムを好む人もいる一方で、Sound Bar FlexのようなBluetoothシステムにも利点があります。Sonosより安価だし、このLGのシステムは、スピーカーを内蔵バッテリーで動作させられるため、より多様性があります。バッテリーは4時間しか持ちませんが、一本の映画を観るためにスピーカーを並べ替えたりするのもいいものです。私のお気に入りのトリックは、アクション映画を観るときに私のソファの裏にセカンダリースピーカーを突き刺すこと。しかし、セカンダリスピーカー単体をポータブルなBluetoothスピーカーとして使用する、というのは私にとっては理解しがたいアイデアです。だってこれはどう考えても屋外のスピーカーではないですからね。

ここまで読んで私の出す結論の方向性が見えてきたでしょうか? 3基構成のスピーカーシステムで、400ドル。このLGのSJ7は値は張りますが、もう少し洗練されたホームオーディオシステムに払う金額と比べれば微々たるものです。予算が少なければVizio SB3851-DO Smartcastがおすすめですが、こちらにはLGのSound Bar Flexのようなモジュール性はありません。その一方で Philips Fidelio B5/37は2015年に出た最初のモジュールオーディオシステムでしたが700ドルします。

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サブウーファー(左)と2つのサウンドバースピーカー(中央)、システム全体はがほとんど見えない・・・なんてことは無いが、そこまで目立つようなものでもない。

サラウンドサウンド機能のあるもっとシンプルで安価ななサウンドバーシステムも存在します。もっとお金を出してLGのライバル会社が出しているフル機能のサウンドシステムお買うこともできます。しかし、この新しいシステムの本質は、これがとても良い妥協点だということにあります。サウンドバーは、音量こそ最大級のものではありませんが、素晴らしい音を出しますし、モジュールをすばやく簡単に並べ替えることもできます。この体験のすべてが、とても楽しいものなのです。

備考
・斬新なデザインのおかげで、伝統的なサウンドバーや2.1サラウンドサウンドシステム、または単一のポータブルBluetoothスピーカーのように使用することができます。
・スピーカーの音量はかなり大きいものの、ポータブル/バッテリー駆動モードに切り替えると音量が低下します。
・サラウンドサウンドエフェクトがうまく機能し、ボリュームが問題にならない小さなスペースでは、システムの柔軟性が楽しめます。
・430ドルはサウンドバーとして安価ではありませんが、これは本当にまったく新しい種類のモジュール式ワイヤレス・スピーカー・システムです。その価値があります。

All image: Adam Clark Estes via Gizmodo US

Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文

(abcxyz)

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