香港のBrando Workshopに大人の社会科見学してきたよ
先日、とある男性から「ツェンのディスカバリー公園にあるアウトバック・ステーキハウスで会おう」というテキストメッセージが届きました。いつもならパスしてしまうのですが、今回は彼がBrandoだというから、Yesをだしました。あのBrandoです!
前回香港に行った時は、めちゃめちゃに忙しいスケジュールのおかげで、惜しくもBrandoに会うことができませんでした。でも、今回は私と伝説のUSBガジェットの大御所とのデートを誰にも邪魔させやしません。
でも、ちょっと問題が…何処に彼らがいるのか、ぜんぜん分からずに途方にくれました…。アウトバック・ステーキハウス? どこ? 香港には何10回も来てるから、土地勘は結構あると思っていたんだけど、ツェンなんて今まで聞いたこともありませんでした。それもそのはず、この路線地図を見て分かりました。

今まで、香港がこんなに大きいとは思っていませんでした…。私は約束に20分遅刻し、顔を真赤にしてゼーハーしながらアウトバックの前に立ち、周りをぐるっと見回しまてBrandoっぽい人を探します。
まず、私がBrando Workshopについて知ってるのは、使いやすい「Four-Way USB hub」とか「USB Panda Web Cam」みたいな、ちょっとおオバカなガジェットの宝の山だってことだけ。だから、会社としてのBrandoについては知りませんでした。私が勝手に頭に思い描いていたのは、太めなオタク風でサスペンダーをしていて、真ん中をテープで補強してあるようなメガネをかけている人、もしくは、企業家風なオイリーな髪をした人をイメージしていました。たぶん、香港のビジネスマンはこの2つのイメージを足して2で割ったようなかんじだからかも!? でも、あのオンラインショップを見ていると、ついつい、「データバンドを腕にまいてるかも」「めちゃめちゃ小さいカメラをアクセサリーに潜ませて首からかけてるかも」とか勝手に想像してしまうんですよね。それが、結構楽しかったんですけど。
と、あれこれ考えてるうちに、ジーンズとパーカーでおしゃれな2人の青年風の男性が恥ずかしがりながら私に近づいてきました。いざ会ってみると、彼は私が想像していた感じとは全く違っていました。
「Elaineさんですか?」と背の低い方の彼が話かけてきました。彼はiPhoneを持った手を振って、「僕Brandoです。はじめまして」とにっこり。
正直に言うとBrandoはブロガーっぽい感じでした。
彼の友達は、背が高くてクシュクシュヘアーにスクエアーのフレームのメガネをかけていてLawrenceと呼ばれていました。彼はBrandoと一緒に働いているそうですが、いまだに、今回なんで彼がそこにいたのか…分かりません。まぁ、たぶんサポートするためかな? 彼は私の斜向かいに座って、サラダをムシャムシャ食べながら彼の人生について話していました。もしかしたら私、Brandoを緊張させちゃったのかなあ?
すると、Brandoが「僕GIZMODOの記事をよく読むんですよ。あまり英語が得意じゃないからコメントはしないけど、僕たちのグッズが紹介されているのを、いつも楽しく見ています」と言ってくれました。
私たちは、軽いランチをすませると、BrandoのWorkshopを見学しに行くことに。さて、いよいよです!

そこは、趣味に熱中する人のガレージ、コンピューター科学を専攻している大学生の部屋、10代のオタクの部屋を全てミックスしたような空間でした。まさに、オタクの天国!!
USBコード、奇妙なUSB フラッシュメモリ、キーホルダー式のレーザーポインター、何なのか分からないようなものが詰まった箱が部屋いっぱいにダモクレスの剣のように積み上げられ、ダンボールで壁ができていました。
Brandoによると、この大量のグッズは他のお店に出荷するためのもので、出荷先には、おなじみのThinkGeekもありました。もうご存知だと思いますが、出荷リストにはヘンテコなグッズもあります。やっぱり売れてるんですね、ヘンテコグッズ。と感心してしまいました。

従業員たちは箱が輸送中に開いてしまわないよう慎重にチェックしていました。何人かの机の上は箱でいっぱいになっていて、出荷前のテストを行っていたり、返品されたものをテストしていました。Brandoは全ての事を把握しているわけではないけれど従業員が責任をもって、ちゃんと管理していることを保障してくれました。
彼と話しているうちに、BrandoとGizのスタッフには沢山の共通点があることに気づいたんです。
1998年の大学出たての頃、BrandoはPalmファン向けサイトを立ち上げました。それが中国のPalmユーザーの間で有名になり、いくつかの付属品製造業者から彼らの製品のプロモーションをしてくれないか? という話がくるようになったそうです。そして、PalmのファンサイトからPalm周辺機器を販売するアルバイト業にかわっていったそうです。
2000年には、彼はエンジニアの仕事を辞めて彼のアパートにBrandoのWorkshopを設立し、フルタイムでこの仕事に打ち込むことにしました。4か月後には、実際のオフィスを持てるぐらいの状態になったそうです。
はじめWorkshopで売っていたのはPalmの周辺機器だけでしたが、年の終わりには、もっと違う製品を扱う価値があると決断し、少しづつ今のようなラインアップになっていったそうです。

それから8年の時が経ち、現在Brandoは19人の従業員を持ち、ビルを所有するまでになりました。USBやモバイル周辺機器、時計、玩具、いろんな電子機器に製品の幅を広げていったのが功を奏し、最近では、意外なことに!? 女性用のアクセサリーも始めたりしているようです。
Brandoのオフィスは、メインフロアの端っこの壁のくぼみにある他の従業員とは別になっているスペースでした。彼の椅子の後ろに設置されているキャビネットには、おびただしい数のディバイスが収納されていて、その中にはプロ仕様のHDカメラや大量のラップトップも。Macbook Airと東芝のR500がチラっと見えたりして、楽しすぎて、あんまりオフィスっぽくなかったです。
「私は、ここにあるもの全部を使っているわけじゃないですよ」とBrandoは言った後、「私は単純に美しいと思ったものを集めるのが好きなんです」とも。

その流れで、彼が売ったお気に入りのガジェットについて話してくれました。彼のお気に入りは「Spy Micro Camera Watch」と「MP4 Watch」だそうです。実際のところ、彼は特にスパイガジェットにこだわりがあって、私たちがまだ紹介しきれていない素敵なスパイガジェットが沢山ありました。
ただ、Brandoは最新の素晴らしいガジェットに囲まれていても、今までで最もお気に入りで印象的なガジェットは、未だに「Palm V」だそうです。Brandoがエンジニアとして働いていた1999年に、彼は毎朝香港の地下鉄MTRに1時間乗って通勤していたのですが、Palm Vは、iPhoneよりも薄いのにバッテリーがものすごく長持ちするから、電車に乗ってる間中、本も読めるし、ニュースも読める。これは「今でも忘れられない思い出です」と彼は言いました。
Windows Mobileと違ってPalmのOSはとっても良いんです。でも、彼らは自分で作るのを止めてWindows Mobileを採用することにしてしまいました…。なので、「今はiPhoneを使ってるんですよ」と説明してくれました。
実は、彼がこのPalmの話をしてくれたのはニュースが出る前だったんです。CESでそのPalmがお目見えした時、私は彼にe-mailでどう思う? と聞いてみたところ…。
「まだ、使ってみてないのでコメントできないですね」と慎重な返事がきました。そして、「開発者のためにSDKがオープンソースになってるといいですね。そしたら、より未来が開けてくると思うから。もし、クローズドなら希望は無いです」とコメントをくれました。

私が帰る前に、彼は「是非とも見て行ってください」と収納室を案内してくれました。中に入ってみると、コストコにいるガリバーみたいな気分に…。金属の棚にはおおざっぱに分類されたグッズが収納されていて、私の右手側には小さなラジコン、左側にはBluetoothの装置が、角を曲がれば、テントウムシをテーマにした爪切りのコレクションがあったり、次々と予想もしないようなガジェットが山のように登場するので、収納室の中にいるとウキウキした気持ちと閉所恐怖症になりそうな気持ちを同時に感じて、なんとも不思議な感覚を味わいました。

今まで、何100ものガジェットをブログで紹介してきましたが、この部屋は、まるでその記事にしたもの
全てを寄せ集めたようで、ガジェットを愛する私も圧倒されたのか? 少しクラクラしてきました。
そんな時、Brandoが「これがうちのベストセラーだよ」とブラケットを指さしてくれたのですが、正直、他のとの違いが分からず、ただ、にっこりと笑ってうなづきました。その時はとにかく何かが落っこちてくる前に、このゴチャゴチャした部屋から出たくなってしまっていたんです。
今回の社会科見学はこの収納室を出たところで終わりでした。Brandoは来てくれてありがとうとお礼を言いながら、地下鉄の駅まで送ってくれました。
彼は、「香港のこんなに小さな部屋に誰かが来てみたいと興味を持ってくれたことがとっても嬉しい」と言っていました。私は、「こちらこそありがとう」と伝え、周辺を少し探索して帰りました。
Brando Workshopの一番興味深いところは、彼の仕事が私達の仕事とどんなに似ているかってこと。実際のところBrandoでは物をつくらず、売っているので、彼はかなりのガジェット・ハンターなんだと思います。
Brandoいわく、Workshopの初期の段階はアジア中でベンダーを探しまわったり、契約を結ぶことに費やしていたけど、そういった仕事は従業員にまかせて、今では雑誌を読んだり、ブログを読んだりする時間がとれるようになったとか。そして、いつでも彼の企業に有益な新しい製品を探し出しているそうです。現在、Brando Workshopには毎日10個の新しい製品がさまざまな売り場で増えているんだそうです。
彼が物を選ぶ時の基準は、
「いつでも興味深いもので、楽しいものであってほしい」
Brando、私たちも同感です。

Elaine Chow(原文/junjun)
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