アメリカには第2次大戦の数年前までイギリスを潰す計画もあった

カナダ侵攻...
イギリス工業地帯空爆...
海上封鎖...
化学兵器...
東海岸に600万人派兵...
これみんなナチスの狂気の軍事計画...じゃなくて、アメリカが枢軸国台頭まで本気で温めていた超大国イギリス壊滅戦略です。その名も「レッド計画(War Plan Red)」。
1920年代に立案され、1930年5月に米陸軍長官と米海軍長官の承認を得たもので、ヒットラーが血の粛清男スターリンとポーランド侵攻を決めるまで有効だったプランです。1974年に機密が解かれて、国際的にちょっとした波紋を呼びました。
英Channel 5放送が先日、ドキュメンタリー「America's Planned War On Britain: Revealed」でこの計画のことを紹介していましたけど、カラーコードはイギリスのレッド以外にもメキシコ(緑)、日本(オレンジ)、中国(黄)、アメリカ内戦(白)なんてのまであったんですね。
ただ他のカラーコード戦争計画と違ってレッド計画には、米議会が5700万ドルの予算を承認していたんです。このお金は、米・カナダ国境の五大湖に民間飛行場に見せかけた3つの軍用飛行場を建造する予算に遣われました。有事の際にはここから爆撃機を飛ばしてカナダの空軍・防衛軍に先制の奇襲攻撃を仕掛ける計画だったのです。
また、レッド計画には具体的な侵略作戦も記されていました。この立案を補佐したのは、あの大西洋横断飛行の英雄チャールズ・リンドバーグです。内容はイギリスが米侵攻の足がかりにするであろうカナダの国内工業地帯への爆弾投下、化学兵器の使用(これはダグラス・マッカーサー陸軍将軍自身が立案した)、海上封鎖(英海軍を二国間紛争から外しておけるように)などなど。戦後カナダが知って色を成したのも無理ないですよね...。
レッド計画の目標は、イギリス交易ルート封鎖により、世界の帝国主義国家イギリスのパワー弱体化を図ることにありました。米政府は連合国として第1次世界大戦を短期間一緒に戦った後でもイギリスと戦争になる可能性は捨て切れないと本気で信じていたんです。1776年アメリカが独立するまで迫害国だったイギリスに対する国民感情はそんなに良くなかったし、当時は大恐慌の暗い時代。第1次大戦後イギリスはアメリカに140億ドルもの借金を抱えていたのですが、経済状況が一変したことで米国内で反イギリス感情がものすごく高まっていたんですね(同じ頃、日本は仮想敵国の第1にアメリカを想定していました)。
幸か不幸かアドルフ・ヒトラーという狂男が世界に宣戦布告したため、たちまちアメリカはイギリスの無二の親友になりますーーお互い嫌いだったにも関わらず。まあ、ちょこっとね。内心。特にアメリカのパットン陸軍将軍とアイゼンハワー大統領がイギリスのモンティ陸軍元帥の無能っぷりに我慢ならなくて事あるごとに衝突を繰り返した話は有名ですけど、それでもドイツ(フランスでもいいけど)に比べたらまだいいやってことだったんでしょうね。
[Channel 5, War Plan Red (Wikipedia)]レッド計画 - Wikipedia
JESUS DIAZ(原文/satomi)
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