最初の彼女が見たスティーブ・ジョブズ
ローリングストーン渾身の巻頭特集「知られざるスティーブ・ジョブズ」にジョブズの長女LISAさんの母親クリスアン・ブレナン(Chrisann Brennan)さんがエッセイを寄せ、ボブ・ディランを愛する恋の詩人だった若かりし日のジョブズを偲びました。
ブレナンさんはジョブズが高校最上級生のとき付き合い始めた1学年下の後輩。真面目に付き合った初めてのガールフレンドですね。
エッセイの内容は、僕らも知ってる話がほとんどです。ベッドの上にはディランのポスターが貼ってあって、よく夜更かしして電子タイプライターで詩を書いていたこと。近くのモールでルームメイトのアルとジョブズ、ウォズと4人で不思議の国のアリスのバイトをやったはいいけど、猛暑で着ぐるみは10分と持たなくてヒーヒーいいながら交代したこと。ふたりがどんなに深く愛し合っていたか。やがて世界的に有名になっていくジョブズにお腹の子と一緒に捨てられてしまう話。
良い話ばかりではありませんけど、ブレナンさんの文章には、心配や期待といった常人の限界を越える何かに突き動かされて生きる青年ジョブズのスピリットが生々しく描かれており、読ませます。
ひとつ引用しておきますね。
ふたりにはお金もなくて、見通せる未来もありませんでした。
ある日の夕方、奮発してディナーと映画を楽しんで車に戻ると駐車違反のチケットが残っていました。罰金は25ドルもします。私は絶望のあまり気が動転して大変でしたが、スティーブは一向に気にかけてない様子でした。滅入る状況になると彼はいくらでも我慢が効くんです。
サンフランシスコのCrissy Fieldのそばに車を停め、落ちる夕陽を眺めに海に歩いていったのですが、そこでまたついお金の心配が口を突いて出てしまいました。すると彼はじーっとイライラした顔で私を見つめ、ポケットに手を伸ばしたかと思うとふたりに残っていた最後のなけなしの小銭とドル札を掴んで、海にポイッと捨ててしまったんです。ありったけ全部。
大きいことは気にしないくせに、小さなことが気になるジョブズ...面白いですね。全文通しで読む価値ありですので、ローリングストーン日本版に翻訳が出たらぜひ手に取られてみてくださいね。
CASEY CHAN(原文/satomi)
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