核爆発から1000分の1秒後を、カメラが捉えました。

微生物のような、どくろのような...。
これは1952年に米国ネバダ州で行われた核実験「タンブラー・スナッパー作戦」での核爆発の模様を撮影した画像です。よく使われるキノコ雲の写真とは違い、爆発から約1000分の1秒後を捉えたものです。
核爆弾の爆発から約1000分の1秒後、中空にはこの直径約20メートルになる火の玉がふくらんでいます。下部にはクラゲの足のような、歯のようなものが見えていますが、これは核爆弾を地上の塔に設置する際に使われるケーブルが核爆発の熱で急激に気化したものです。この現象はロープトリック・エフェクトと呼ばれています。
核爆発直後のような極めて短時間の撮影は、当時までに存在したカメラではまず不可能でした。では、どんなカメラが使われたのでしょうか?
この様子を捉えたのはラパトロニック・カメラと言われる特殊なカメラで、核爆発直後に何が起きているかを捉えるために開発されたものです。その名前の由来は「RAPid Action elecTRONIC CAMERA」(高速活動電子カメラ)にあります。開発したのは、当時マサチューセッツ工科大学教授だったハロルド・エドガートン博士です。エドガートン氏は、写真のストロボを実用化したことでよく知られる人物。
核爆発の撮影においては、従来のシャッターではシャッタースピードが遅すぎるのが大きな課題でした。そこでエドガートン氏は、シャッターの代わりに偏光フィルターとカーセルが使うことを考えたのです。カーセルとは電圧によって偏光方向を変えられるパネルで、これを偏光フィルターに重ねて使ったのです。偏光フィルター2枚を90度の角度で重ねると光がまったく通らなくなるのですが、偏光フィルターにカーセルを重ねて電圧を変化させると、カーセルの偏光方向が変化して光の通過・遮断を瞬時に切り替えることができます。これによって100万分の2秒という超短時間の露出が可能になり、核爆発直後のまさに一瞬の姿を捉えることができたのです。
核に関してはこんな風に、核そのもの以外の技術的課題もあって、それがひとつひとつ解決されていって現在があるんですね。日本にいる者としては、核の後始末に関わる技術も早く進化していってほしいものだ...と、ついそっちの方に思考が飛んでしまいました。
[Wikipedia via Damn Interesting via Petapixel]
Jesus Diaz(米版/miho)
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