空気中のコカイン量、犯罪やがんとの相関が発見される

現在、空気中に漂っている非合法薬物の量は正確に測ることができます。そして今回、空気中の非合法薬物の量と薬物関連犯罪の発生、そしてある種のがんの発生との間にある統計的な関係もわかってきました。
どういうことなんでしょうか?
・薬物が空気中に漂ってるんですって?
そうなんです。下水システムから非合法薬物を見つけるのはもっと前に可能になっていたんですが、2007年、ローマの大気汚染研究所が偶然空気中の微量のコカインを検知したのです。彼らはそれを「興味深いことだと考えた」そうですが、その発見が今回の新たな研究につながりました。
・今回の発見は信頼できるの?
信頼できます。今回発表された研究では、イタリアの12以上の地域の40ヵ所におけるコカインとカンナビノイド(マリファナの有効成分)の量を調査しています。その際、オゾンや炭化水素といった他の物質についても調査することで誤った相関を発見しないよう配慮しました。
研究チームは、空気中の非合法薬物の量と、警察のデータを併せて分析しました。すると、空気中の薬物量と、その地域で差し押さえられた薬物の量や薬物関係の犯罪件数などとの間には強い相関が発見されたのです。いわばドンピシャでした。
・なんでそれが重要なの?
この発見は、警察など薬物を取り締まる組織にとって非常に有用です。この知見に基づけば、コカインやカンナビノイドの空気中の量を測定することで犯罪の増加を検知し、犯罪拡大を未然に防ぐことができます。また、警察組織などの有効性を測る指標のひとつにもできるでしょう。
この研究を主導したアンジェロ・セシナート氏は、空気中のコカイン量とある種のがんの間にも相関を発見したと言っています。カンナビノイドと精神障害の間にも相関が認められました。ただし相関があるからといって、それが何を意味するかはまだわかっていないそうです。言い換えれば、「コカインががんの原因になる」といった因果関係があるかどうかはまったくわかっていないということです。
・健康への影響は?
今回わかったことだけでは、ニューヨークのクラブに遊びに行ってそこの空気に漂っているコカインを吸い込んだからといって何か影響がある、とは言えません。米国立薬物乱用研究所の疫学者ウィルソン・コンプトン氏は、そうした判断をするのは早すぎると言っています。
この研究ひとつだけにもとづいて警鐘を鳴らすことはしません。でも研究者がたしかに関連を発見したことなので、深く掘り下げてみる価値はあると思います。(現在は問題視されている)受動喫煙も、健康へのリスクがあるとは比較的最近まで考えられていなかったのですから。
とはいえ、いずれにしても、ダメ。ゼッタイ。ですね。
Image by Tiorna/Shutterstock
[Science]
Jesus Diaz(原文/miho)
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