アメリカのGPSより正確。中国独自の衛星測位システム「北斗」稼働

経済・軍事のスーパーパワーにまた1歩前進。中国がアメリカの全地球測位システム(GPS)への依存を絶つべく、独自の衛星測位システム「北斗(Beidou)」の運用をスタートしました。
なぜ重要なの?
地球上で自分が今どこにいるのか、その位置把握技術は国家最強のテクノロジーです。
北斗が稼働したことで中国は、アメリカのGPSシステムへの依存を100%絶つことが可能になります。つまりアメリカに干渉されることなく世界中どこでも攻撃・移動ができるんですね。今はミサイルを発射してもグローバル・ポジショニング・システム (GPS)を握ってるのがアメリカなので、アメリカがその気になればGPSを無効にし、特定地域で敵国などがGPSを使えないように操作することができます。が、それも不可能に。
北斗の精度はいかほど?
市民の移動で使う北斗は、現在地を10m圏内まで特定することができます。さらに移動速度は許容誤差1秒0.2mの精度で記録し、時計は2万分の1秒まで正確に合わせることが可能。アメリカのGPSは20m圏内まで絞れるので、それを遥かに上回る精度ですね。端末メーカーGarminは「うちのレシーバーは平均15m圏内まで位置を特定できる」と言ってますが、そのGarminも中国には敵いません。
GPS同様、北斗(Beidou)にも民間用と軍用、ふたつのモードがあります。中国軍が使用する北斗はもっと精度が高い。どれぐらい高いかについては中国政府も明らかにしていません。
アメリカの軍・官庁ではオーグメンテーションシステムを使ってGPSの精度を高めています。 GPS.govには一応、「こうしたシステムを使えばリアルタイムで数cm圏内、ポストミッションの計測ではミリメートル単位で範囲を絞り込める」と書かれてますけどね。
目下、空軍とロッキード・マーティンはGPS IIIを開発中。これが完成すると、シグナルの強度を高めつつ、精度を格段に上げ、妨害しづらく、尚且つ今のGPSでは入っていけないエリアにも入っていける、そんなGPSができそうです。
カバー地域はどこ?
今は10基の測位衛星が軌道を周回し、中国をカバーしています。2012年には16基でアジアの大部分をカバーし、2020年までには35基で世界全域をカバーする予定です。その頃には中国の陸海空軍も米国のGPSを通さなくても世界中どこでも現在地が把握できる、というわけですね。
北斗はどう実用化される?
民間の空と海の輸送でも北斗があれば他国に頼らなくて済みます。軍の船舶・戦闘機・ドローン・陸上部隊のナビでも使えるでしょう。
武器(巡航ミサイルなど)を狙う際にも、北斗を使えば正確に誘導できそう。
誰が得する?
中国の軍と、あとは経済セクター。「これで2020年末までに4000億元(615億4000万ドル、5兆円弱)もの新市場が創出されるだろう」と北斗事業のトップはChina Dailyに話しています。中国政府からの事業投資は250億ドル(1兆9482億円)。
GPSとは互換なの?
衛星測位システムと言えば、アメリカのGPS、ロシアのグロナス(Glonass、これも稼働状態)、欧州のガリレオ(Galileo)ですが、そのいずれとも互換になる、と北斗サイドでは話してます。
[Beidou and China Daily via BBC, GPS.gov, Lockheed Martin]
JESUS DIAZ(原文/satomi)
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