カナダ発の新HIVワクチン、臨床試験へ

エイズ感染を根絶することができるでしょうか?
カナダ・オンタリオ州のウェスタンオンタリオ大学の研究チームが米国の食品医薬品局(FDA)の承認を受けて、この1月から人間に対するHIVワクチンの臨床試験を開始します。HIVのワクチンは世界でいくつか開発中ですが、このワクチンの特徴は、死んだHIV-1ウィルスを使うということです。これはポリオや狂犬病、A型肝炎などのワクチンと同じ手法です。
このウィルスはまず、メリーランド州とコロラド州にある特殊な「バイオセーフティーレベル3」の研究室で作られます。次にそのウィルスは殺され、遺伝子組み換えによって無害にされて、ミツバチの毒液に含まれるたんぱく質を使って新型HIVワクチン「SAV001」へと培養されていきます。この手法でワクチンを作るのは4回目の試みですが、今回は230もの安全性テストをくぐり抜け、世界標準と考えられている食品医薬品局の承認を得ることができました。
で、これからどうなるんでしょう? 臨床試験は設備がすでに整っている米国で行われます。試験には三段階あり、第一段階はHIV陽性の患者40人を対象として6ヵ月間実施され、その結果は1年かけて評価されます。第二段階では免疫システムの反応を測定し、ハイリスク・カテゴリー(血友病患者、静脈注射薬使用者、性的労働者、複数のパートナーのいるゲイの男性)にいるHIV陰性の人600人が参加します。第三段階ではその対象を同様の人6000人に拡大し、ワクチンを受けた人と受けていない人を比較します。
第三段階まで終了しないと、このワクチンが100パーセント有効かどうかわかりません。そしてもし有効性が確認されれば、5年後には広く一般に接種可能になると見込まれています。ワクチンの注射は2回、1ヵ月の間を開けて行われることになりそうです。動物実験ではそれで体内に抗体ができているのが確認されています。
良い結果を期待したいですね。
[Montreal Gazette、Toronto Sun、Photo via Shutterstock]
Seth Abramovitch(原文/miho)
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