重力波の直接観測に成功! 13億年前のブラックホール衝突の余波検出、正式発表【追記あり】

2016年2月12日 03:20

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アインシュタインが予言し、でも絶対直接見えないはずと言っていた、そんなものが見えちゃった。

アルベルト・アインシュタインが一般相対性理論の中でその存在を予言した重力波。彼自身、それを直接観測することは無理だろうと言っていたのですが、LIGO(Laser Interferometer Gravitational Wave Observatory)がなんとそれに成功しました。

LIGOが2月11日(現地時間)記者会見を行ない、重力波の直接観測成功を正式発表しました。彼らはこの数カ月、昼夜を問わず重力波の存在を示すシグナルの検証を行なってきました。以前、意図的にフェイクのシグナルが仕込まれていたこともあったので、はちょろちょろ出回っていたものの、LIGOは発表までに念には念を入れた確認をしてきたものと思われます。

LIGOによると、重力波が観測されたのは現地時間2015年9月14日午前5時51分、米国ルイジアナ州リビングストンとワシントン州ハンフォードにある2台の検出器両方でした。重力波の元となったのは13億年前に起きた超巨大なブラックホールの衝突だそうです。それが起きた時点では、太陽の3倍の質量が一瞬でエネルギーに変換されたと言います。壮大です!


この発見は、物理学で権威あるPhysical Review Lettersへの掲載を承認されました。


R. Hurt, Caltech / JPL


LIGOは2002年から重力波観測に挑んでいましたが、最初の8年間はほとんど成果がありませんでした。そこで彼らは2010年から2015年にかけてアップデートを行ない、去年の秋に検出感度を高めたAdvanced LIGOをデビューさせていました。今回の重力波観測は9月14日ということなので、Advanced版を立ち上げるやいなやすぐに見つけたという感じですね。そしてその後の約5カ月間、彼らは検証に検証を重ねてきたことになります。

今回発見された重力波の元となったブラックホールの衝突は、それぞれ太陽の29倍と36倍の質量を持つブラックホールによるものでした。LIGOではそのときのエネルギー出力は、目に見える宇宙全体の50倍もあったと推定しています。

「今回観測されたことについては、100年前のアインシュタインの一般相対性理論の中で美しく説明されています。これはまた、強重力に関する同理論の最初のテストとなっています」とLIGOでの重力波検出を1980年代に初めて提案したRainer Weiss氏は言います。「今この発見をアインシュタインに報告できたら、どんな顔をするか見てみたいですね」

LIGOのみなさん、おめでとうございます!


[2月12日 3:32追記]

重力波検出の意義について、専門家からもコメントが来ています。マサチューセッツ工科大学の天体物理学者、Scott Hughes氏は米Gizmodoに対し電話インタビューで「重力波は、通常光のないブラックホールや中性子星といった謎の天体の観測に利用できる」と言っています。つまり、宇宙の観測手段が一気に広がるんです。

Hughes氏はまた「重力波にはリッチな情報がたくさん埋め込まれている」と言い、重力波の波形によって、それを作り出した物体の大きさや動きを推定できると指摘します。さらに彼は、検出器の感度が高まって重力波を定常的にキャッチできるようになれば、宇宙で起きてきた巨大エネルギーを伴う出来事についても調査ができるとしています。「(宇宙の出来事の)デモグラフィックデータを取得することが、重力波検出の時代にぜひやりたいことのひとつなのです。」

「何かが初めて見つかったら、そりゃもうパーティです、もちろん」とHughes氏。「でもその後は検出するのが普通になりますが、そこからが本当に面白いんです。」

宇宙への新たな冒険は、まだまだ始まったばかりです。


Maddie Stone-Gizmodo US[原文
(miho)

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