iPhone祭りの座長が神輿を降りてしまいました。
以下ラム編集長の「Don't Buy」宣言です。
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発売から3ヶ月。「Wait(待て)」だったiPhone評価が、サードパーティーのアプリ登場で「Buy」判断になったのも束の間。ファームウェア1.1.1で「Don't Buy」に急転してしまいました。
リリース後の混乱はこちら。事前警告通りブリック(ガラクタ)になる被害続出。ロック解除したiPhoneはもちろん、サードパーティーのアプリも一掃されてます。ヨーロッパ、アジアなど海外からの利用も全て、使えなくなってます。
サードパーティーのアプリがiPhoneに復活するまでiPhoneは…。AT&Tと(携帯通話料の)収入を分ける以上アップルがこれするのは当たり前のことですけど、通話サービスがiTunesのように素晴らしかったら誰もロック解除なんてしないし、なにも丸ごとブリック(ガラクタ)にするこたあないじゃないですか。
初期コード調査した社外iPhone Dev Teamは「アップルはこの事態を完璧に避けることもできた」と言ってます。法的に許されることでも技術的にはBS(bullshit)だと。
ロック解除のいたちごっこが長引く前に終止符打って、ハッカー対策に無駄な時間を割きたくないのかもしれませんが、今回の大反撃は壊滅的です。こういう脅し戦術(scare tactic)をかけた以上、数日置いてから取りなそうとしたって手遅れです。
ソニーのPSPならいざ知らず、これは電話。数日間も電話使えなかったら仕事や付き合いに支障が出るでしょう。だから僕はメインのiPhoneはロック解除しないでスペアの4GBでテストしてるんです。こんな風に電話を人質にとられるのは本当に嫌ですね…確か僕このフォン買ったんですよね? レンタルじゃなくて。
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アップルのお店で「直せません」と聞いて青ざめるユーザー、チャート比較、ラム編の嘆きの残りは以下でどうぞ。
ロック解除した4GBのiPhoneがブリック(ガラクタ)なら、僕がAT&Tで合法的に使っている8GBのiPhoneはアプリ全滅です。GPSもどき、IMクライアント、 Flickrアップローダー、NESエミュレータ…みんなiPhoneをベターにしたアプリですよ。それ以外にこのアプリがiPhoneに何をしたって言うんでしょう? こういうアプリがいろいろ使えたおかげでオープンプラットフォームのスーパーフォン「Nokia N95」にも対抗できたのに…しょうがない、Nokia N95に乗り換えることにします。
今日(米時間9/28)NYからSFに戻ってきたんですが、途中Flickrに写真アップしたいと思ってもできないし、地下鉄でNESゲームで遊びたくてもできない。自分の居場所確かめようと思ってもNavizonのGPSは使えない。web 2.0のIMクライアント使ったらバッテリーがみるみる減ってきます。Safari はブラウザ開かないとIM着信アラートが出ないのでミスったメッセージもかなりあって…。不便です。
これはバージョン1.1.1を入れる前後の僕のiPhoneを比べた写真です。待望のiTunes Storeが入ったのはうれしいんですが、またコピペとメールも一からやらなきゃならないと思うと…。どう考えてもこのハック全部と引き換えにするほど優れた機能改善とは思えません。
ワイヤード誌Rob Beschizza記者からもらった9to5ベースの比較チャートもはっておきましょう。
この件、All Things Dの席上、WSJモスバーグ記者はジョブズ氏にMSに比べアップルが弱いのはパートナーと一緒に仕事を進める部分だと言ってます。そのせいでアップルはOS大戦に敗北したと言う人も。なぜ同じ間違いを二度繰り返すんでしょう?
「iPhone株、前は好きだったのに?」と首をかしげるかもしれませんが、僕らは将来性にかけてたんです。でも現段階でこれ以上の技術革新は望めないような気が…。修正パッチも僕らの希望に追いついていないし…。僕一人反旗を翻しただけで売り上げに影響が出るとは僕も思ってませんが、たぶん他のギークたちも同じ思いではないかと。
普通の人も感じてることかもしれません。今日SoHoのアップルストアで「アプリ入れたiPhoneにファームウェアをDLしたらブリックになった」とサービスカウンターに苦情言いに来た人がいましたが、本当にどこにでもいるフツーのタイプの人ですけど、「直せません」と聞いて本当にガッカリしてました(下の動画)。
空港でも見知らぬ男性が僕の顔に気づいて「ファームウェアまだ入れてないよ」と肩ポンと叩いていきました(T-Mobileで使ってる方みたいですね)。
NYタイムズSaul Hansel記者も NavizonのGPSもどきのアプリが8万回ダウンロードされたと報道してます。これはiPhone全ユーザーの10%に相当する数字。つまりそれだけの人が「installer.app」を使ってる。彼らはたぶんユーザーの中で最もスマートな層の方たちかと思われます。
同紙David Pogue記者もメインストリームの読者にハックの良さを分かってもらおうと「Hacking the iPhone」という動画作ったんですが、間の悪いことにファームウェアに1日出遅れての公開になってしまいました。
テクノロジーおたくのゲットーで出回ってるアプリと割り切るには、あまりにも多くの人が今はこういう使い方を選んでます。ロック解除撲滅も結構ですけど、アプリにも生き残る権利残して欲しい、というのが僕らの希望。聞き届けてもらえるといいんですが…。
BRIAN LAM(原文/翻訳:satomi)