【インタビュー】ゲームとヒューマン・インターフェースの未来を告げる魔法のキューブ(動画4本)

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    【インタビュー】ゲームとヒューマン・インターフェースの未来を告げる魔法のキューブ(動画4本)

    パックマンやってみたいです。

    ヒューマンインターフェースゲームが、未来的にどんなものになるかは誰も知りません。けれど、マルチタッチのヒューマン・インターフェース、表面動力学、動作検知技術の開発を、ミサイルシステム分類のために、この地球上で誰よりも先に研究していたAndrew Fentemさんは違ったようです。

    ということで、Andrewさんに独占インタビューをしちゃいました。動きとタッチセンスでパックマンで遊べちゃう「Fentix Cube」なんて、大企業たちもメモメモしなきゃなホットな技術ですよ。

    それでは、以下のビデオをご堪能ください百聞は一見にしかず! です。インタビューもありますよ。

    Fentix Cubeは、彼の素晴らしい作品の氷山の一角にすぎません。彼の多くの発明は現在、私たちがお馴染みと思い始めているテクノロジーよりも、かなりを行っています。私はAndrewと彼の発明と未来のヒューマン・インターフェイースについて話をしてきました。

    Jesus Diaz : 私たちは、マルチタッチテクノロジーの大ファンです。そして、それこそが将来の適応ユーザー・インターフェースだと思っています。これらが、いろんなアプリケーションにおいて、キーボードやマウスにとって代わると思いますか? 私は今、あなたのシーケンサーを見ているんですけれど…。

    Andrew Fentem : タッチスクリーンとマルチタッチテクノロジーは明るい未来、それは確実に「いくつかの」キーボードとマウスにとって代わるときがくるんだと思います。けれど、キーボードとマウスはいくつかの打ち勝ちにくいと判明した大きな強みがあるんですよ。フィジカル・キーボードは、素晴らしい触覚フィードバックを提供してくれるんです。どういうことかと言うと、タイピング中に指の動きを見ている必要がないということ。それから、マウスポインターの素晴らしいところは、自分がスクリーンで指しているところが曖昧にならないところ。ちょい太めな指だとね…。だからATMのタッチスクリーンのボタンはあんなに大きくて貴重なスクリーンのスペースを無駄にしているんですよ(笑)。その他のタッチスクリーン・テクノロジー(と特定のマルチタッチ・システム)の課題は、急速な指の運動を追跡することができないことです。これは、特にあるタイプのゲームやアプリケーションだけではなく、ジェスチャー認識の妨げになってしまうのです。

    将来のタッチスクリーン/マルチタッチ・システムの開発のカギとなるのはこの4つだと思います。

    1. より早いタッチ・センスなハードウェアとファームウェア
    2. 改良された(もっと賢い)ジェスチャー認識ができるソフトウェア
    3. 改良された触覚フィードバック
    4. より多きなタッチスクリーン

    2001年/2002年にかけて私が制作した、この超高速タッチスクリーンは、今でのどれよりも一番早い巨大タッチスクリーンだと自負しています。この、バーチャルエアホッケーのようなエキサイティングな高速タッチ指向なゲームシステムを作りだすことによって、改善されたタッチスクリーン技術をどのように使用することができるのかを実証しました。現在、Youtubeにこれ以外のバーチャルエアホッケーシステムが沢山アップされています。けれど、それらはみんな、ちょっとばかりノロノロしています。その原因は、既製のタッチセンスとデザイナー達に採用されたデータ処理のサブシステムが遅すぎるものだからだと思いますよ。

    私が2004年に開発した触知性マルチタッチ・シーケンサーは、マルチタッチ・フィンガー・センサーとマルチ・オブジェクト・センサーをどのように組み合わせることによって、指で表面の小さなオブジェクトを動かして、マシーンをプログラムすることが出来るかを見せているんです。(こうすることによって、いくつかの指は自由になり、インターフェースの触知性を高めることができるのです。)

    JD : どのぐらいの間タッチ・サーフィスとオルタナティブ・ユーザーインターフェイスの研究をしているんですか?

    AF : 2001年からです。その前は、市場のトップを走る企業に対して、製品の開発についてのアドバイスをするコンサル会社を経営していました。そして、いつも、有名なハイテク企業の、新しいアイディアに対する感受性の低さにびっくりさせられていました。

    なので、ユーザー・インターフェース研究および、軍事と音楽エレクトロニクス研究について一風変わったバックグラウンドがあったので、自分ならもっといい線までできるんじゃないか? と思ったんです。90年代の終わりにはみんなソフトウェアとインターネットに取りつかれていました。西洋の人たちはだれもハードウェアの改革をしている人がいないように思いました。そこで、私は斬新な目立つものを作るのは簡単かもしれないと提案したんです。

    さらに、私は現代のエレクトロニクス、オペレーティング・システム、ファームウェアおよび、ソフトウェアの複雑な受信の知恵に挑戦する事を望んでいました。ということは、世界クラスの精巧なガジェットを開発する大きなチームが必要だということになります。でも、私は本当に必要なのは、いくつかの独創力と1人か2人のものすごくやる気のあるアルファ・ギークがいればOKなのでは? と、大きなチームの必要性についての疑問を持ってもいました。

    ここで、芸術的な面と文化的な面から私のモチベーションを表現するとなると、たぶんガジェットのマーケットに介入すべきだと思っていました。例えば、ただ、いくつかのものを世に出して、何が返ってくるかをみてみる。わたしの友達は商品開発における、この計算された無謀さ「Gonzo style」(おばかスタイル)と呼びました。私はいつもアートに興味がありました。芸術大学にも少し行ったりしたし、学生時代にはキッチュで皮肉っぽい美容院、DIY服のブティックを数年経営していたこともあったんですよ。と、脇道にそれたので話をもどしますが、とにかく2001年にアイディアを考えはじめて、その時のコンセプトを、「オート・クチュール・エレクトロニクス」と呼んでいました。例えば、大きくて、高価で、速くて、ハイスペックで美しいハードウェアなどです。

    私は見本市に行って、タッチスクリーンのマーケットのリーダーに、マルチ・タッチ、タッチスクリーンシステムを私に売ることが可能か聞いてみましたが、営業マンはただヘンなヤツだなぁという目で見ただけでした。

    JD : より良い触覚フィードバックの開発はしていますか? 触覚バイブレーションを越えたタッチ・サーフェイスとか。それとも、その技術はまだ無いんですか? 私は、柔軟なOLEDサーフェイスなんていうのを想像しているんですが。

    AF : いいえ。きっと良いだろうね、それ。でも、他の企業がその分野には力を入れ始めてるからね。ソニーとかAppleとか…。小さな経営者は鋭敏で先端にいないといけないんです。(もしApple、ソニー、Mattel、Microsoft、Motorolaなどが私にお金をはらってエッジーなものをデザインしてくれといったら、もちろん喜んで受け入れますけど)

    キューブを公表した理由の一つは、現在開発中のガジェットテクノロジーへの投資に興味をわかせるためというのもありました。ガジェットは、さらなる楽しさとお金は比例するとも言えますからね。

    私のウェブサイトへのアクセスからみると、世界的にポジティブな反応がFentix Cubeには集まってると考えられます。

    JD : Fentix Cubeには、明らかに商業的可能性があるように見えますが、いままであなたの開発したものを商品化した事はありますか?

    AF : はい。あります。主に単発プロジェクトというかたちですけど。ガジェットの開発と同様に、最近、私はロンドンの高層建築用に建築上のエレクトロニクスのアイディアを依頼されているんです。これは、かなり大きなガジェットになりますよ。

    しかしながら、2008年の私にとってのメインの目標は、少なくとも1つのメジャーな大衆市場向けの市販の製品を立上げることです。

    直近で私が商品化したマルチタッチ・テクノロジーは、2002年から2004年にかけてのことでした。私は、マルチタッチインターフェイスのハードウェアの製造を始めるためにメーカー(Novation EMS株式会社)と取引をしました。でも、2004年の中旬には他のプロジェクトの都合で資金がなくなってしまったんです。イギリス政府のR&Dファンドもプロジェクトをバックアップをしてくれていたんですが、「リスク増加」を理由に手を引いてしまいました。とっても残念で、心が張り裂けそうな経験でした。なんてったって、Appleの改革の達人よりもずっと前から先をいっていたのに…。

    イギリスの人は、いちじるしくリスクを嫌う傾向があるので、ベンチャー・キャピタル文化はこちらにはあまりないんです。なので、現在私はイギリスの外とのリンクを広げているところです。そして、USのようなところで働く機会があれば良いなと思っています。(ほんの少しですが、ハーバードで過ごしたことがあり、最高の経験でした)

    JD : ちょっと前にBBCの記事で、あなたの仕事に関する記事を読みましたが、韓国のおもちゃ企業から攻撃をうけたとありましたが、玩具関係の大企業、たとえばMattleのようなところから興味を示されたことがありますか?

    AF : 私のウェブサイトにはいろんなところからのアクセスがあります。ほとんどは、大学といろんな種類のUSとヨーロッパのハイテク企業です。みんなディズニー、ルーカスフィルム~着て、ソニーとマイクロソフト

    に行くっていうかんじです。でも、大企業は直接コンタクトしてくることはありません。彼らの従業員は一日中私のウェブサイトをじーっと見つめてるようですよ(笑)(私はGoogle Analyticsを崇敬しています!)

    Hasbro(巨大な玩具グループ)からのアクセスが一番多いんじゃないかと思います。彼らが、何をしようとしているのか是非とも知りたいなぁと思っています。もしかしたら、単純に未来がどうなるか? をみたいだけかもしれないですけれど。

    ほとんどの、まじめな仕事の依頼を受けるのは、アジアの企業ですね。彼らは、ものすごい熱心で明日にはすべてを終わらせたいぐらいな勢いを持つ傾向があります。面白いけど、ある意味こちらも活気づく姿勢ですよ。

    JD : もし、Fentix Cubeを市場に出すとしたら、いくらぐらいにする予定ですか?

    AF : んー。それはスクリーンのハードウェア次第ってところで、現在は、100ドル以下ってことは無いような気がします。劇的な価格にするためには、多くの決定をくださないといけなくなるでしょうね。

    JD : 製品化されたFentix Cubeで、ユーザーは新しいソフトウェアをロード出来ますか?

    AF : はい。私は、DIY、オープンソース開発および、エンドユーザーのカスタマイゼーションの信奉者なので。ルービックキューブとパックマンスタイルのゲームは、3Dタッチスクリーンとモーション・センサーの能力の可能性をデモするために書き込んだんです。私は、人々がゲームのアイディアを思いつき、Fentix Cubeと自分のアイディアを融合させることができるようになればよいなと思っています。既に、多くのアイディアをメールでもらったりもしてるんですよ。たとえば、3Dヘビゲーム、モデリング流体力学、数学パズル、体が不自由な人の補助になるもの、ゲームのコントローラーなどなど。

    JD : ワイヤーレス・ネットワークはありますか? つまり、Fentix Cube同士が、直接もしくは、インターネットを通じて接続することが可能ですか?

    AF : はい。でも、まだ、初歩的な段階です。

    JD : 私は、Cubeをコンピューターのインターフェイスの代替として使用することを想像してるんです。ビデオや音楽を編集するためのカスタム・インターフェースみたいに、オフラインまたはリアルタイムで使うようなイメージで。Fentix Cubeは、ほかのディバイスに接続できたり、UIフロントエンドの役割を果たすことができますか?

    AF : はい。理論上はできます。でも、多くのマウス製造業者、たとえばLogitechなどが、こういった種類のものについては既に進めているので、彼らに任せておこうと思います。

    早くAndrewの素晴らしい技術を、商品としてお目にかかりたいですよね! スティーブ・ジョブ、スティーブ・バルマーにお願いです。早く彼の才能をつかみ取ってください!

    Andrew Fentem

    JESUS DIAZ(原文/junjun)

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