このドベ~ンと横倒しに長まってる貨物船は車両運搬貨物「Cougar Ace」。
2006年7月23日、アラスカのAleutian島の南方約230海里で底荷のタンク複数に不具合が生じ、波にのまれて横倒しになってしまった場面です。
中には北米向けのピッカピカのマツダの新車4703台(推定1億300万ドル相当)が詰まってます。海水は目と鼻の先。水に触れたら大変なことに…。
そこに参上したのが、海猿の一座(ギーク込み)。
なんとクレーン、タグボートの手を借りず、エイコラ船体を元に戻しちゃったんです!
という驚きの伝説を、僕の友だちのジョッシュ・デイビスが最近「WIRED」で特集しました。ダイバー小集団と船長、海難救助の名人、そして船の設計者たちみんなが力を合わせてCougarを引き揚げるまでのドラマを綿密に取材したすんごい記事です。
重いクレーン、タグの代わりに彼らが使ったのは、複雑に入り組んだ底荷のシステムを再現したコンピュータモデル(安上がり)、ヘビーな切削・ドリルの用途に使える工具、ポンプ複数( 身の危険)。
海難救援は合法的海賊行為として現代社会に認知されており、その報酬は救助で難を逃れた戦利品の価値に対する歩合で決まります。つまり、たった数日の活躍で数ミリオン(何億円)稼げることもあるんだそうですよ?以下が、その転覆復旧活動のあらまし。
こんな面白い特集はホント、長らく読んでませんね。是非是非読んでみてください。
*訳注:日本では船底に水を積んで安定させてたんですけど、米国では海水汚染予防のため海外の水を抜いて国内の水に同時に入れ替えなきゃならない。ところがこの水を抜くのがトリッキーで、何故か入れる方がうまく作動しなかったようですね。いや~ほんと、こりゃA級の記事ですね。[Wired]
BRIAN LAM(原文/訳:satomi)
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