人類初!煙も出さずにスイスイ飛ぶ水素電池の有人飛行機(動画)

    人類初!煙も出さずにスイスイ飛ぶ水素電池の有人飛行機(動画)

    上空行ってからは飛行機雲が出ないってこと?

    マドリッドの上空1000mを電力だけで飛んでる、こちらの飛行機。これは今月ボーイング社から発表になったハイブリッドの小型機です。1000mまではモーターの助けも必要ですけど、クルーズ飛行の高度に達してからは水素電池だけでス~イスイ。それで大体20分飛んだそうですよ? 人類初の快挙!

    早速マドリッドのボーイング技術研究所ヨーロッパ(Boeing Research &Technology Europe:BR&TE)のFrancisco Escartíマネッジングディレクターにお話を伺ってみましたっ!

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    [インタビュー]

    Jesús Díaz(以下JD) : ボーイング社は本プロジェクトにどれぐらいの時間をかけたんでしょう?Francisco Escartí(以下FE) : ほぼ5年がかりのプロジェクトですね。

    JD : 既存エンジンと比べ、このシステムの長所は?FE : まず最初に本技術で生まれる副産物はひとつ…「水」だけだということです。CO2汚染のようなものは一切ない。水素電池のエネルギー効率は燃焼エンジンの2倍です。

    JD : そのメリットを商用機の文脈に置き換えると?FE : 大型機でどれぐらい省エネになるかの予想は難しいですけど、小型機では燃料節約がとても重要です。飛行機は水素電池だけで時速62マイルで20分飛びました。悪いニュースは、この同じ技術が大型旅客機まで到達できないかもしれないことで、少なくともメインの動力源にはならないでしょう。

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    (プレスリリースより)ボーイングの研究者たちによるとPEM燃料電池技術には小型有人飛行機無人飛行機を駆動するポテンシャルがある、とのこと。長期的には大型商用機の補助燃料システムみたいに固体酸化物燃料電池が第2発電システムとして採用されるかもしれないということです。

    良いニュースはボーイング技術研究所ヨーロッパではBoeing Phantom Worksの電池が商用機にどれだけ導入できるか見極めるR&Dは続けるということですね。航空会社は価格競争に晒されていますから安い飛行機が必要だし、どこも飛行機をもっと効率の良いものにしようと取り組んでいます。ボーイングはじめ各社が目指しているのは、より安いエネルギー源を使う飛行機の実現ですよ。

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    プレスリリースの抄訳は以下でどうぞ。

    ボーイング社水素燃料の飛行に成功

    2008年4月3日マドリッド発— ボーイング社 [NYSE: BA] は本日、航空機史上初めて水素燃料電池搭載型有人機の飛行に成功した。

    これはマドリッドのBoeing Research &Technology Europe (BR&TE)エンジニアチームがオーストリア、フランス、ドイツ、スペイン、イギリス、アメリカの提携各社の協力を得て開発を進めてきたもので、過去3年取り組んできた「Fuel Cell Demonstrator Airplane」プロジェクトの一環。

    「ボーイングは環境にやさしい航空製品の新技術の開発に積極的に取り組んでいます」とBR&TEマネッジング・ディテクターのFrancisco Escarti氏。

    燃料電池は水素を電気と熱に直に変換する電気化学装置。燃料電池のような二酸化炭素は出ないのが特徴で、熱以外の排出は水だけ。

    この2人乗りDimonaモーターグライダーは翼幅16.3m(53.5フィート)で、機体として使われている。オーストリアのDiamond Aircraft Industriesが製造したものを、BR&TEが改造し、既存プロペラと一緒に電気モーターも使えるよう、プロトン交換膜(Proton Exchange Membrane:PEM)型燃料電池とリチウムイオン電池のハイブリッドシステムを装備した。

    テスト飛行はスペインのSENASA社が、2月から3月にかけてマドリッド南のOcaña飛行場で3回実施。

    飛行中、パイロットはバッテリーと水素燃料電池の両方の力で海抜1000mまで高度を上げ、クルーズ飛行の高度に達した後はバッテリーを切って、燃料電池だけで約20分、時速100kmで水平に直進した。

    ボーイングの研究者たちによるとPEM燃料電池技術には小型有人機・無人機を駆動するポテンシャルがあるとのこと。長期的には大型商用機の補助燃料システムみたいに固体酸化物燃料電池が第2発電システムとして採用されるかもしれない、という。

    BR&TEはBoeing Phantom Works高度R&Dユニットの一部門。Boeing Commercial Airplanesと提携各社と緊密に連携しながら2003年より設計、組み立て、テスト機の製作を進めてきた。

    本プロジェクト参画企業・大学・研究機関(一部):

    オーストリア — Diamond Aircraft Industries

    フランス — SAFT France

    ドイツ — Gore and MT Propeller

    スペイン — Adventia, Aerlyper, Air Liquide Spain, Indra, Ingeniería de Instrumentación y Control (IIC), Inventia, SENASA, Swagelok, Técnicas Aeronauticas de Madrid (TAM), Tecnobit, Universidad Politécnica de Madrid, and the Regional Government of Madrid

    英国 — Intelligent Energy

    米国 — UQM Technologies.

    Jesus Diaz(原文/訳:satomi)

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