LZRは2月発売以来、世界記録更新選手33人のうち実に30人のボディを包んできた驚異の水着。「ハンガーのドーピング」、「Speedoサーフボード」の異名で知られます。
前回お伝えしたように、ライバル各社から「(伝統的繊維でなくNASAのデザイン技術を使うなんて)不公平だ」とクレームがついたのを受け、国際水泳連盟(FINA)がSpeedo社とこのシームレスなウルトラソニック繊維水着に関し協議を行ったんですが、結果はSpeedoに軍配! FINAは停止どころか将来のプロ競技にLZRを推奨し、特許訴訟リスク抜きに他社もコピーしていい取り決めになりました。
で、違法化作戦が失敗に終わったArena International社は急遽180度方針を変え、プラスティックやら何やら凡人にはうかがい知れない素材を投入し、タイトフィット繊維の定義を塗り替える独自のスーパー水着のプロトタイプをぶち上げた、というわけですね。
Arenaの大将Christiano Portas CEOはこう語ってます。
「スポーツの新時代が今日キックオフします。倫理のために戦うこともできます。しかし、みんながルールの定めにある『繊維』を単なる普通名詞と言う中、反旗を翻えしたのは当社だけでした。ならば当社にも他に開拓できることは沢山あります」
スーパー水着はArena同社のポスターボーイ(看板商品)。100mフリースタイルの世界チャンピオンであるFilippo Magnini(伊)も着用するんだとか。うーん、LZR使用に青信号で、水着の軍事レースも夏の五輪まっしぐら。プールが沸騰しそうな勢いですね!
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