あなたもピコピコ音楽を作ってみませんか。
ファミコン全盛時代からスーファミに切り替わるまでの80年代に、僕らの耳と身体と精神に溶け込んだPSGサウンド。じゃりっじゃりのノイズドラムにストレートな伸びを見せるシンセリード。ローファイだけど記憶に色濃く残る、独特の鳴りをするこれらの音で組まれたサウンドをチップチューンと呼びます。
当時の音源チップ(を搭載したゲーム機など)を使って演奏する。もしくはその雰囲気を持った音で曲を作る。言葉にするとカンタンそうですけど、今からはじめる場合、いったいどんな機材を使えばいいのかわかりません。そこでチップチューンレーベルのVORC Recordsさんが、「パソコンで作る」「ファミコンで演奏する」「ゲームボーイで作る」「ゲームボーイで演奏する」といった4つの「How to Chiptune講座」ムービーを製作。チップチューン作りのハードルをぐぐーっと下げてくれました。Nanoloopの買い方まで紹介してくれていますし。
リーズナブルな環境で作りたいというなら、「How to Chiptune - ファミコン編 #1 サクッとPCで作ってみる」で紹介している「Famitracker」がよさそう。MMLがわかる人なら実家の押入れで眠っていそうなMSXを引きずり出してくるという手もありますよ。チップチューンの定義にはFM音源も入るそうなのでPC9801-27ボードとVM2あたりを探してくるのも楽しいかもー。
ところで余談ですが、1990年に発売されたコナミ矩形波倶楽部「矩形波倶楽部」アルバム製作発表会時のお話を。古川もとあきさんが「(生音も使ったアルバムだったので)使える音に制限がないっていいですよね」という、当時のゲームミュージッククリエイターの誰しもが感じていた発言をしていたのに対して安藤まさひろさんは「僕は制限ある世界に興味あるなあ」(どちらも僕の記憶によるものなので細部は違うかも)。どっちが凄いとかそういうハナシではなく、音源が乱立しすぎて何を使えばしっとりとまとまる音になるのかわかりづらい現在、その"制限"の最北ともいえるファミコン・ゲームボーイ内蔵音源のみ使ったサウンドに注目が集まりつつあること、面白いですよね。
10分でできるHow to Chiptune[VORC Records]
(武者良太)
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