シカゴの現場リポーターをNYのスタジオにビームで召喚!?
いやー、昨日の大統領開票速報ではCNNの「ホログラム中継」(動画)が大好評でしたよね。
右に立ってるのは同局初のバーチャル女性特派員となったジェシカ・イェリン(Jessica Yellin)、左は報道アンカーのウォルフ・ブリッツァー(Wolf Blitzer)です。いつもは能面みたいなのに、ちょっと声が上ずってましたよね。
それにしても、こんな3Dの360度の映像を、どうCNNの選挙報道本部まで繋いだんでしょうね?
アーサー・C.・クラークが言った(日本語)ように、その答えは「魔法(Magic)」。そう、これはVizrtとSportVuのテクノロジーにHDカメラ44台、コンピュータ20台の助けを借りて実現した魔法なのです。と、もったいぶらずに、以下で種を明かしちゃいましょう。
被写体サイド:・HDカメラ35台使用。被写体を円陣に囲んで狙います。
・映画「マトリックス」みたいに、カメラは1台1台別々のアングルで撮影し、全身の映像を送ります。
・これらのカメラはNYにある報道本部のカメラ複数に繋がっており、角度をシンクロしながら遠近を正しく調整。
・システムはオバマとマケインの選挙本部の野外に停めたトレーラーの中に設営しました。
・カメラ通信のメカニカルな追跡だけでなく、赤外線も使ってますよ。
・特派員は37インチのプラズマを眺めており、そこに、合成後の映像のフィードが返ってきます。髪が曲がってたりしたら、これで直せるので便利。
・コンピュータ20台でデータをムシャムシャ処理し、使える状態にします。
本部サイド:・CNNには40台ぐらいのカメラからフィードがドッチャリ送られてきますが、使用するのは2台分だけ。
・司会のブリッツァーはものすごくこれ(orジェシカちゃん)がお気に召したようですよ?
やっぱりジェシカ・イェリン…ですよね。ジェシカ・イェリンに見えます。もう、ジェシカ・ウェリンだって、こちらから見ても分かりますよ。画面の向こうのみなさんの中には、これ見てナーバスになってる人も大勢いそうですよね。ありがとう、ジェシカ。最高のホログラムでしたよ。
・ラグは気にならない程度。衛星生中継でラグあるの当たり前になっちゃってるので、あっても気がつかないだけかもしれませんが。
・ずらっと並んだコンピュータが被写体サイドから送られてくる情報処理後フィードを取り込んで、ウォルフ氏のサイドから流れてくる動画にメッシュします。
・というわけで、残念ながらCNNのスタジオのフロアに実際映像が"投射"され、フェイス・トゥー・フェイスで話ができているのとは、ちょいと違うようです。なので、まだ『スタートレック』みたいなところまでは行ってません。コンピュータが動画フィードをひとつに合わせて初めて、ホログラムと脚本がうま~くひとつになっている、というわけですね。
Jason Chen(原文/訳:satomi)
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