これは1474メガピクセルのオバマ就任式の写真です。
Canon G10 Bridgeで220枚以上撮って繋げました。その手順は撮影したデイビッド・バーグマン(David Bergman)氏がここに書いてます。もちろんカメラ1台では無理で、使ったのは高精細パノラマ撮影用モーターマウント「GigaPan EPIC」です。
編集部では今回、NASAと米カーネギーメロン大の超パノラマ写真投稿共有サイト「Gigapan.org」からの商用スピンオフとして最近発売となったこの噂の製品を試してみました!
[GigaPan EPIC速攻レビュー]

Epicは基本的に自動アームです。大きなサイズのデジタル撮影のプロセスを自動化するもので、三脚や動かない場所に置いて、狙いたい景色の左上と右下のコーナーをシステムに見せると、あとは全自動でカメラを傾けたりぐるり回しながら、ちっちゃなアームでシャッターボタンを押し、必要な写真を全部撮るんですね。

あとは専用のGigaPanソフトにデジカメから数百枚の写真をダウンロードすると、数時間かけて写真を繋げ、1枚の壮大な風景に仕上げてくれます。

おー、できた! でも幾つか弱点も…。
カメラのズーム、フォーカス、露出はロックして固定しなきゃならないので、明るかったり暗かったり写真によってバラつきが出ます。Epicは簡易カメラ向けにデザインされたものだし、実際やると言葉で想像する以上に難しいんですよね。
大きなパノラマ撮影は全部撮り終えるのに数分かかります。公共の場で撮影とかだと、通りがかりの人が立ち止まってカメラを覗き込むってことも充分考えられますからねー。
GigaPanのソフトは、ウェブにアップロード必須。スチール写真はそのサイトのインターフェイスを通して入手します。シンプルなメガTIF画像の出力のオプションもあったら助かるんですけど。(UPDATE : エクスポートの画面を見落としてたようです)。
それでもまあ、これがシカゴのHancockビルの外で撮った写真です! Fストップ(F-Stop)はロックダウンしてなかったんですけど、どうでしょう?(ここでパノラマを見て判断してね)



ね? なかなかでしょ? ジャンプ先サイトの左手にあるボタンで「 」押してズームインすると、自分のレンズが持っている可能性が最大限実感できます。全体図をキープしたまま、それができちゃう。
ただ問題は電池の寿命ですよね。 Epicは単3型(AA)電池が6本必要で、僕の場合は大体200枚(パノラマ2枚)撮った辺りでバッテリー切れになってしまいました(GigaPanの話では、プレミアム・バッテリーを買うと室温で1000枚撮れると言うんですけど)。ちょっと信じられないかもしれませんけど、200枚って、これ買う平均的消費者からすると、かなり制約になりますよ。僕も実際、サンプル撮影の最中に電池切れになっちゃって、写真はそこのカラムだけすっぽり抜け落ちてしまいました。企業がこんな機能性重視の製品に、こんなアキレス腱を残すなんて…。


GigaPan Epicが妙にクールなことは間違いなくて、こんなちゃっちいカメラでこんな大きな写真が撮れるなんて、晴れた日が待ち遠しいですけど、完璧な1枚! のつもりが、残り60枚で電池切れになったらショックだし、そんな不安抱えるのも嫌かなあ…。
それは高いバッテリーで解決だし、SLRにも対応できたら、買いでしょうかね。
Mark Wilson、John Herrman(原文1、原文2/訳:satomi)
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