「日本はケータイ先進国だからiPhoneなんか目じゃない」と、アメリカ人はなんとなーく思ってます。だから、「iPhoneが実質ゼロ円」とか聞くと、「あー、やっぱり売れないんだ~」とつい思っちゃう。「0円はソフトバンクのお家芸」というのも分からないし。
ワイアード誌が26日に出した「日本人がiPhone嫌いな理由」(和訳)はそんな想定に基づき、日本の携帯がいかに進んでるか、iPhoneに何が足りないのか紹介する記事です。
それ自体はよくあるアングルなんですけど、日本人有識者として林信行さんと平田大治さんの昔の記事のコメントを改ざん・孫引きしたのがよくなかった。Twitterで早速お2人の耳に入り、そんなこと言ってないぞーと両氏が英語で反論、ワイアードにマックファンから非難が集中する事態となりました。
記事の中で、外国人にP905iを見せびらかしてるように書かれた林さんは、こんな風に英語ブログに書いてます(拙訳)。
このP905iは2007年後半のもの。日本メーカーはほぼどこも1年で2世代作る。つまりこれは2世代より古いってこと。もうP905iなんか使ってもいないよ。パナソニックが出した最新モデルはP-01Aで、2 Wayキーという、それこそみんなワオと驚くギミックを備えている。これ見たら、みんな自分の目が信じられないぜー。ま、それは横道だけど。
私のケータイ最新兵器はもちろんiPhoneだし、外国人に見せるケータイ最新兵器はINFOBAR 2。 P905iなんて最近充電もしてないよ。
また、ブライアン・チェン記者にメールで、「日本でiPhoneが不調という見方を生んだのは産経新聞。同紙は昨秋、『年内100万台販売を目指してたのに20万台しか売れなかった』と書いた。でもアップルもソフトバンクも100万台売るとは言ってない。20万台という数字も違い、実際は30万~40万台と思われる」と教えてますよ。産経の「100万台」はアナリスト予想の引用みたいですね…。
元記事は修正済みで、こんな長~い訂正と謝罪が出ました。ヘイトやらディスが殺到し、金曜のうちにコメントは閉鎖されてます。
因みに、ワイアードが紹介したiPhoneの弱さは、
1. 月額利用料が高い。
2. マルチメディアのメッセージに対応していない。
3. パソコンがないとシンクできない(日本では携帯電話を主なコンピュータ端末として使う人が多いので、iTunesが要るのは痛い)。
など。米GIZMODOは、「まあ、アメリカほど大きな、業界の競争を塗りかえるヒットじゃないことは確かだけどね」と書いてますよ。
日本でiPhoneが売れないと思う理由なんて、産経はじめ他にいくらでも引用できそうなものなのに…災難でしたね…。
[Wired]関連:林さんの反論、平田さんの反論、らばQ、ITMedia
Dan Nosowitz(原文/訳:satomi)
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