さーて、集計発表ですよ!
ギズが用意した音源3つを各自自分のサウンドシステムで聞き、音の違いが分からなくなる境目のビットレートに投票していただいた5月特集「【僕vs.読者】最適なMP3ビットレートを一緒に聞き比べてみよう!」。まずはギズモード・ジャパンの投票結果から見てみましょう(カッコの中は票数)。
「あなたが最適だと感じたビットレートは?」192kbps(29)、WAV(14)、256kbps(13)、128kbps(12)
WAV(13)、256kbps(10)、192kbps(10)、320kbps(8)
WAV(16)/320kbps(10)/192kbps(9)/256kbps(5)
「ちなみにオーディオ機器コストは?」1万5000円~3万円(17)/10万円~50万円(15)/5万円~10万円&0~5000円(11)
(音響設備については "【GIZ金曜アンケート】あなたの音響システムを教えてください"の結果も是非ご参考に)
なるほどー。では続きまして、米GIZMODO読者1000人の投票集計です。こちらは母数が多いので、統計の専門家に手伝ってもらいました。
そんなわけで、iTunesでMP3をエンコードする時のマジックナンバーは「256kbps」と出ましたね。根拠? 3曲合わせてビットレート最高点の中間を取ると218.68kbpsになるんですね(WAVは集計から除外)。 よって218kbpsより高いところにセットすると間違いない、ということ。
あと目立ったのは、みなさん、曲ごとに投票するレートがまちまちだった点ですね。やはり音源の録音クオリティーって、CDになってからも、圧縮してからも、ホント違いを生むものなんですねー。
[その他]
回答者の19.65%は、3曲のうち最低1曲でWAVの方がMP3より音がいいと答えています。ブラインドデストじゃないので、「WAVだからこっちの方がいいはず」という先入観もあるのかなーとは思いますが、圧縮してない音の方が良いのは、まあ、当然かな? 最近はノートブックのHDも胴回りは太くなる一方ですし、圧縮抜きの保存も一考の価値ありですね。FLACみたいな、劣化しない音声圧縮すら、かけないで。
もっと興味深い発見はオーディオ機器にかけるお金と、聞き分け可能なビットレート最大値の間に比例関係があることです。換言すると、ステレオが高価になるほど、好ましいと思うビットレートが高くなるんですよ。
なぜそんな相関関係が? これは、いろんな説明が成り立つと思います。アコースティックなオーディオ機器(←高価です)の方がビットレートの違いは簡単に識別できるのかもしれないし、高級オーディオ機器買う人は耳がいいのかもしれないし、スピーカーに誰よりもお金かけるような人は自分のスノッブなとこ見せたいだけなのかも。以上3要素の組み合わせか、あるいは全く別の理由でしょうね。
いや~、僕らのアドバイスよりずっと面白い結果となりましたね。みなさん、ご協力ありがとうございました!
* 結果は1000人を超える回答者から寄せられた全項目回答分743件のデータを元に算出しました。WAV異常値を除外した回答は597件です。FAQ・なぜFLACなどでもテストしなかったの?
iTunesを開いて、CDをインポートする際に使うのは通常、MP3フォーマットですから、それに合わせてます。人類の中には他のでテストする人もいずれ出てくるかもしれません。FLACが本当に劣化しないんなら、WAVさえあれば十分じゃないかと思って。
・ブラインドテストしなかった理由は?
仮にビットレートを隠しても、メタデータとかファイルサイズ比べりゃ一発でバレバレですからね。ビットレートが本当に分からないまま聴いてるかどうか、こちらで確かめようがなかったんです。今回のテストの限界はそこにあるので、読み解く側もこれは考慮に入れないと。
でもまあ、オーディオ機器テストに詳しい専門家の多くは、ブラインドテストにも実は欠陥があると言っますし。ここで詳しくは触れませんが、賛否両論あるようですね。
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