限りなく「MacBook Pro」に近づいたのに安いとは...
世間は「Windows 7」リリースで、もうマイクロソフト絶賛の一大お祭り騒ぎになるのかと思いきや、まさかの絶妙のタイミングでアップルが仕掛けてきましたよね。とりわけ9万8800円(米発売価格1000ドル)で買えちゃうホワイトMacBookの発表は、派手なアナウンスなしで出してきたにしては、調べれば調べるほど驚きのアップル戦略が詰まっていそうですよ。
「今後ここまでドラスティックなアップデートがホワイトMacBookで早期に行われるとは思えない。だから、もしこれまでMacBookを買おうかどうか迷っていた人がいるのならば、この新モデルこそ絶対に購入すべき最高の製品である」
いつも辛口批評ばかり目立つ米GIZMODO編集チームを、ここまでうならせた魅力とはなんぞや! ではでは、早速ですが、続きから速攻レビュー&ベンチマーク比較テストをご覧くださいませ。慌ててWindows 7へと飛びついちゃうよりは、まずMacが熱いかもしれませんぜよ。
まぁ、はっきりいいまして、これまでのホワイトMacBookの存在って、かなり微妙なポジションではありましたよね。どうせ買うんならば、もうちょっと予算をアップいたしまして、なんとかアルミユニボディのMacBookか、がんばってMacBook Proを購入するよなって気持ちにさせられちゃいましたもん。
だから、今回のホワイトMacBookでもユニボディ構造を採用してきたのは、ある意味で当然の流れのようなものだったかもしれませんよね。とはいえ、ただ丸みを帯びてデザイン面で洗練されてきたのみならず、ここまで中身でも迫ってくるとはやってくれましたね。
実際に、新発売のホワイトMacBookを、現在の13インチのMacBook Proと比較してみましょう。両モデルともに、CPUにはIntel Core 2 Duoプロセッサ(2.26GHz)を採用しており、1066MHzのフロントサイドバスおよび3MBのL2キャッシュを備える2GBのDDR3メモリを搭載。今回のMacBookの改良により、どちらも見やすいLEDバックライトディスプレイが装備されるようになりましたし、コントラスト比まで同じです。
もちろん、MacBook Proが勝るポイントだって多々あることはあるんですけど、10万円を切る低価格なのに、大きくMacBook Proにまで近づいたホワイトMacBookの魅力増大は、ググンとボクらのハートを引き寄せてくれそうですよ。
ユニボディ構造で軽量化も達成されましたけど、ちょっと賛否両論いろいろありそうなのは、独立したラバー底部パネルでしょうね。滑りにくいマット仕様で、よりデスクトップなどでも安定した使用感を実現してくれますし、ひざの上とかで使う時も、あんまりボディーの熱がダイレクトに伝わってこない優しい構造であると評価できるんではないでしょうか。ちょっとデザイン的にはどうなのって批判があることは否めませんけれど...
MacBook Proと同じサイズのガラス製トラックパッドの採用も、今回の大きな変更点に挙げられるでしょうね。キーボードショートカットなんかも、旧モデルのホワイトMacBookから最新のスタンダードへとアップグレードされてますよ。あと魅力なのは、新しくなったACアダプターでしょうね。これ、なんかこれまでのよりもカッチョよくなりまして、まるで「MacBook Air」に付属してるようなスマートさなんですよね。
さてさて、それではベンチマークの比較テスト結果へと移りましょう。すでにアルミニウム製のユニボディ構造を採用済みの13インチMacBookと、同じく13インチのアルミユニボディMacBook Proを各種ベンチマークテストで対決させてみたんですけど、いかがでしょう? なんかほとんど差がないんですよね。ちょっとした違いは誤差の範囲と呼べそうです。
緑の棒グラフが今回発表のホワイトMacBookなんですけど、う~ん、これだったら確かにMacBook Proにも引けをとらない性能にパワーアップしたともいえそうですよね。あっ、ただし、ちなみに搭載OSがMac OS X 10.6の「Snow Leopard」となるホワイトMacBookに対して、他の比較モデルのOSは、まだMac OS X 10.5の「Leopard」なのでした。それゆえの違いもあるかもしれませんけど、要は新しいMacBookが、アップルで最もエントリーレベルのノートブックなんですけど、かなりパフォーマンス的には奮闘してますよってのが伝わってくるのではないかと。
とうとう交換可能なバッテリーを搭載するノートブックは、アップルの製品ラインナップから消え失せてしまいましたよね。ただし、こちらのベンチマークテスト結果にも表れているように、一体型バッテリーの搭載で、かえって連続駆動時間は伸びる結果になっておりますので、その点はどうぞご安心あれ。
ところで、7時間駆動というアップルの公表値よりも格段に短くなっているのは、今回のバッテリーベンチマークの測定条件といたしまして、常にWi-Fiはオンに、バックライトも使用、そしてノンストップでQuickTimeにてムービーを再生し続けたという状況で、どれだけ長く使えるかっていうテストになっているからなんですよね。まぁ、このほうが現実的な連続使用時間が把握できそうでしょ?
この条件にて、あらゆる比較対象モデルの中で、新発表のホワイトMacBookが4時間12分のタイムでトップに立っているというのは注目ですね。なかなかやるじゃないですか! ちなみに分解してみて判明したのは、これまでのMacBookだと55Whのバッテリーだったのが、新MacBookですと60Whとなっており、実は新しくなって消費量は増えてるんですけど、それでも駆動時間が伸びたのは、アップルの努力の成果なんでしょう。
ではでは、この気になる交換不能バッテリーに関する米GIZMODO編集チームの率直な感想ですけど、まぁ、MacBook Proのようなプロフェッショナルユーザーではなく、より一般的なユーザーを対象にMacBookを販売していくのであれば、そもそも交換バッテリーを何本も持ち歩いてモバイルワークに用いるって人は少なくなるわけですから、これだけ長く持つんならば、それはそれでとやかく言う問題でもないかもねって評価が大半を占めてるようです。
今回のアップデートに伴いまして、ついにホワイトMacBookでもFireWireポートとはサヨナラですね。あとキーボード周りもガラスコーティング感が増しちゃってますので、ちょっと最初のうちは慣れない違和感とか覚えちゃうかもしれませんね。あとはポリカーボネイト(プラスチック)製のホワイトボディーに、角度によっては傷が目立つよなって感想もチラホラと届いてますよ。パフォーマンス的には問題になりませんけど、ややデザイン的には気に入らないポイントがいくつかあるかもってところでしょうか。
いかがでしたか? なかなかいい仕上がりでホワイトMacBookを低価格に位置づけてきたなって感じた人も少なくないのではないでしょうか。もしMacBook Proのほうが現状のままなんだったら、コストパフォーマンスに優れるホワイトMacBookに十分なお買い得感がありますよね。
そう、このMacBook Proが現状のままかってのがポイントでして、さまざまな飛び交う情報から判断するに、来年中にクアッドコアCPUのIntel Core i5プロセッサまたはIntel Core i7プロセッサを搭載するMacBook Proがリリースされるのは、ほぼ確実なんだとか。これを計算に入れまして、それでも今の新しくなったホワイトMacBookはゲットだぜいと思えた人は、さぁ、レッツ買っちゃいませう。
Jason Chen(原文/湯木進悟)