「判りやすく説明する」ことに長けた2人が、Twitterについて解説します。Twitterにどうもピンときていない人は、ぜひお手にとってお読みください。
それにしても、連日Twitterについての話題を聞かない日はありませんね。
これだけネタが豊富なのは、Twitterが、多様なプレイヤーが参入できる「プラットフォーム」だからだと思います。
Twitterの強さは、APIを開放し、ほとんど全ての操作をAPI経由でできるようにしているところにあります。
これによってまず、Twitterを便利に使えるサービスやソフトが出てきます。携帯で見やすいように、iPhoneで、Windowsで、Macintoshで...
ついには、非常にリッチなユピキタス環境が生まれました。ユーザーは、いつでもどこでも、自分が気に入ったUIやデザインでTwitterを楽しめるのです。
次に、たまったTwitterのデータを再利用するサービスもたくさん出てきました。リアルタイム検索、人気URLやつぶやきランキング、1日分をまとめてブログに投稿、etc...
ユーザーがTwitter上でメッセージを受けるのに慣れてくると、今度はその場所を活用したサービスが出てきます。写真を投稿、株価や天気をつぶやくボット、カスタマーサポート、お遊びボット、RSSのフィードを投稿、有名人や法人のつぶやき、etc...
結果として、Twitterを中心に、さまざまな方法でさまざまなデータがインプット/アウトプットされるという環境が整いつつあります。
そして、インプットやアウトプットは、何もネット上のデータだけではありません。TwitterのAPIを通して、ネットと接続されたガジェットを使って、リアル世界とのフィードバックをやりとりすることだってできます。
死んだら「オレ昇天なう」とつぶやくボットとかありましたね。ギズで紹介したものだと、たとえばこんな感じ。
- かわいい奴なんです。Twitter監視ロボット「Guardian Robot」
- ご主人様のおならをTwitterで報告する椅子
- トレーニング情報をTwitterにポストできるダンベル
- 玄関のキャットドアから猫が出入りする度につぶやくボット
- 抱きつかれるとつぶやくTシャツ
- Twitterを使って家をオートメーション化
- twitterを読み上げてくれるロボット
- Twitterで感じる孤独を表現したTシャツ
それこそインターネットの初期の初期から「コーヒーメーカーの残量を調べる」的な、ガジェットとネットとの融合サービスはありましたが、Twitterという、「便利なAPI」と「多数のユーザー」を抱えた場の登場によって、データの受け先/流し先が「もうTwitterでいいじゃん」ということになって、格段に楽になったという側面はあると思いますね。
Twitterが「メッセージングのプラットフォーム」になりつつあるようです。メッセージングは、人間が理解するためのメッセージでも、プログラムが理解するためのメッセージでもいい。Twitterを通してコマンドを送受信するようなイメージですね。
メッセージングの用途は幅広い、というか、コンピューターやネットワークなんてほぼ全てメッセージングで成り立っているようなものなので、今後も様々な応用が出てきそうです。
あるいは、Twitterが「より抽象化されたプロトコルだ」だとか「インターネットの最上位にひとつ新しいレイヤーができた」といった言葉遊びもできるのかもしれないのですが、話が長くなりそうなので自重。
Twitter自体がいつまで続くのかはわかりませんが、今後出てくるサービスは、このTwitterの戦略を参考にするといいのかもしれません。囲い込みの時代は終わりを迎えつつあるのでしょう。
(いちる)