AppleタブレットのUIはズバリこうなる!(動画&予想図)

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AppleタブレットのUIはズバリこうなる!(動画&予想図)

「タブレットはMac OS XのUIがいいな」という声、「今までにないエキゾチックなUIになるよ」という声、どちらも間違い。Appleタブレットは単に、iPhoneで始まったUI革命の第2ステップです。

ここでは、その理由を並べてみましょう。


UIに関する3つの意見

ハードウェアの話なら、いくらでも予想が立ちますが、ことUIに関しては3派に分かれて、三つ巴の戦いになってます。

ひとつ目は、タブレットもGUI(ウィンドウ、フォルダ、昔ながらのデスクトップのメタファー)しかないと思ってる人たち。あのWindowsタブレットや最近のタッチ対応ノートみたいな。

ふたつ目は、アップルのことだから3Dインターフェイスとかなんか実験的なこと、誰も想像もつかないインターフェイスを用意してるんじゃないか、という夢追い派。愛と世界平和とパンケーキを運んできてくれるUIですね。まあアップルも専門家も何十年も前から想像できるありったけのUIは試してるわけですが、それにも関わらず今度こそ、と。

みっつ目は、既存UIの単なる進化形と見る人たち(僕はこれ)。

フォルダとウィンドウはなくて、アプリが画面全体を占拠している。市場が味方し、コンピュータが門外漢な普通の人たちに新しいコンピューティングのかたちを提供した「モーダル」なUI、ですね。

タブレットはたぶん申し訳ないけど、iPhone OSのUIを若干修正したバージョンになると思います。いやいや、これは歓迎すべきことですよ。ひどく風変わりで先見の明を備えた、あるひとりのジーニアスが唱えた天才的アイディアの到達点なんですから。そのジーニアスは今のJesusPhone (iPhone)の興隆をその目で見ることなく2005年にこの世を去りました。

その男の名は、ジェフ・ラスキン(Jef Raskin)。


ラスキンが夢見た、モーフィングコンピュータ

ラスキンはヒューマン・インターフェイスのエキスパートでした。その巨大なエゴに並ぶのは世界広しと言えどもスティーブ・ジョブズぐらいのものですが、そのジョブズに会社を追い出されるまで、マッキントッシュプロジェクトの長を務めていた人です。

アップル在職当時、ラスキンは「information appliance(情報家電)」というUIのアイディアの研究を進めていました。後に俗世のラリー・エリソン(オラクルCEO)とシスコが、本来の意味とは似ても似つかないものに進化させてしまったコンセプトです。


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ラスキンが頭に思い描いた情報家電は、目的がひとつしかないコンピューティング端末でした。

トースターはトーストを焼き、電子レンジは食べ物を温める。

使い方はものすごく簡単なので、誰でも手にとって、すぐその場で使える。だから、使い方のトレーニングなんて受ける必要もない。ボタンは多くもなく少なくもなく正しい位置にあり、しかるべきソフトウェアも入っている。

実のところ情報家電 --それは常時ネットワークに繋がっている-- はあまりにも使い方が簡単なのでユーザーの目に見えないほど毎日の暮らしの一部に溶け込んでしまっている、というものでした。



どっかで聞き覚えないですか? まだピンとこない? そうですか。では、これでどうでしょう。

ラスキンは後に、自分の発想そのものは悪くなかったんだけど、全タスクに対応するよう完璧にデザインされた情報家電を持ち歩くとなるとひとつじゃ済まない、それでダメだったんだ、ということに気づきます。 みんな携帯、カメラ、楽曲プレーヤー、GPS、コンピュータはもう持ってるし、それ以上増やしたくないですもんね。

ところが、そんなラスキンも、タッチのインターフェイスを見て、ふと気づいたんです。ひょっとしてボタンと情報ディスプレイが全部ソフトウェアの中にあったらどうだろう...モーフィング(変体)する情報家電が作れるんじゃなかろうか? 目的に応じてモードを変え、想像しうるタスクすべてを完璧にこなせるもの。電話かけたい...と思った途端、スクリーンすべてが電話に変わってボタンが現れ、それを押して相手先を選んだりダイヤルできるんです。楽曲プレーヤー、GPS、ギターチューナー、描画パッド、カメラ、カレンダー、録音など、やりたいことは全てオーケー。個々のタスク用に特別にあつらえた完璧なインターフェイスを、また画面に呼び出せばいいだけ。しかも恐ろしく簡単で、どんな人でもすぐ使い方がわかる-。

もう分かりますね。そう、まさに今のiPhoneや類似の端末がやってることです。ラスキンの予言通り、誰でも使い方がすぐ飲み込めるからこそアップルのガジェットはこんなにも爆発的な成功を収めることができた。だからこそアプリ(どれも非常に専門的なタスクをこなすよう作られている)が毎日何千回とダウンロードされているのです。


迫り来る、デスクトップコンピュータの死

しかしラスキン現役の80年代、それは無理な注文でした。

第一コンピュータ処理能力も足りなかったし、今みんなが知ってるようなタッチ技術もまだ存在すらしていなかった時代です。

当時ラスキンは情報家電のコンセプトをベースにMacを開発したいと考えていました。が、みんな知っての通り、Macintoshは多目的コンピュータの方向へと進化します。それはスマートな経営判断だったし、唯一実現性のある判断でした。別々の異なるタスクを処理できるものを目指し、結果としてコマンドラインベースのApple IIやIBM PCよりずっとシンプルな製品になったのですから。

その時に採用したのがデスクトップというメタファーです。デスク上にフォルダがあって、そこに文書を収納・整理する。「dir」とか「cd」とか「cls」と入力するよりは、ずっと簡単に飲み込めるレベルの概念だったのです。




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しかしながらデスクトップのメタファーに慣れるには依然トレーニングが必要でした。

コンピューティングの民主化は進んだには進んだのですけど、まだ使いにくさを感じる人は昔も今も沢山います。むしろ今の方がデスクトップのメタファーのUIが複雑(かつ抽象的)になった分、前より難しく、覚えるのにかかる時間もかつてないほど長くなってます。

コンピュータに詳しい人はMac OS XやWindowsの使い方が覚えにくいとは認めたがらないけど、友だちのコンピュータの使い方見てると痛いぐらいハッキリ分かるんです。僕らが当たり前にやってることでも世の中のほとんどの人は未だに使いこなせなくて戸惑ってるもんなんだなぁ、と。そしてデスクトップのメタファーのUIを使いこなす上で立ちふさがる障壁は、時代が進むにつれ減るどころか、ますます増えてしまってるのが現状です。

その上、ストレージ容量・機能性向上が追い打ちをかけ、便利になるはずが、逆にデスクトップのメタファーでは立ちゆかなくなってる部分もありますよね。だって毎日のデジタルライフで使うファイルが何千と増える中、これをどうフォルダーで管理したらいいんでしょう? 僕自身もフォルダで管理し切れてない状態です。

アップルとマイクロソフトはデータベースで管理するソフトウェア(iPhotoやiTunes)を投入し、この問題の解決に努めました。何千件ものファイルを「手作業」で管理する代わりに、この種のソフトでは写真や楽曲の整理に特化したインターフェイスを提供し、コンピュータを「情報家電」に変えてる、というわけです。



それでもまだ完璧とは言えません。フォルダーを何千とナビして回るのに比べたら簡単ですけど、世の中のほとんどの人が理解できない言葉でやり取りしてることに変わりはありません。


Windowsタブレットの失敗

デスクトップコンピューティングが進化し、複雑に入り組む一方、ある事件が起こりました。ラスキンの情報家電のコンセプトを拡大した製品「Newton」が現れたのです。



それは随分控え目ながらモーフィングインターフェイスを備えたタッチ対応端末でした。が、初のPDA(Personal Digital Assistant)となって、やがて死に絶えます。潰したのは他でもない、スティーブ殿下

Newton --および後のPalmシリーズ-- は目的を特化したアプリも走らせていたし、ある意味iPhoneやタブレットの初号プロトタイプと呼ぶこともできます。が、スタートが悪かったことに加え、モノクロのスクリーン、常時接続機能の欠如、スピードが痛手となり、失敗に終わってしまいました。 出るのが早すぎて、技術が追いついてなかったんですね。




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技術が出揃うと、似たようなアイディアを考える人が現れました。ビル・ゲイツです。

いつの日か世界中がタブレットで走るようになると思ったゲイツは、是非ともそこにマイクロソフトのソフトウェアを走らせてみたいものだと考えます。その形は正しかったかもしれませんが、氏の場合、ソフトウェアのコンセプトに最初から欠陥がありました。デスクトップのメタファーをタブレットのフォーマットに応用しようとしたんですね。

ラスキンのアイディアみたいに全く新しいインターフェイスをつくるのではなく、ゲイツはWindowsを新しいフォーマットにし、そこかしこに新しいもの -手書きやジェスチャー認識など、どれもNewtonが先鞭をつけたものですが- を追加しました。こうして仕上がったコンピュータは、スタイラスや指1本で制御できる点を除けば、他のノートとなんら変わり映えのしないものでした。

無論、Microsoft Windowsタブレットの売れ行きは芳しくなく、医師・看護師が使うニッチなデバイスになってしまいます。一般消費者の間で一度もブレイクしなかったのは、昔ながらのデスクトップでできるのとそっくり同じことをタブレット形式でやることに誰もメリットが見いだせなかったからでしょう。しかもタブレットは普通のノートよりさらに割高ですからね。


iPhoneの成功

では何故アップルは今頃になってまたタブレットをつくる気になったのか? 答えはiPhoneにあります。



ビル・ゲイツのタブレット構想は市場では鳴かず飛ばずでしたが、ひとつだけ大事な成功を収めたのです。つまり「デスクトップのUIをタブレットのフォーマットに移植するのは最悪の発想で、失敗する運命にある」ということを身をもって示してくれた。だからこそジョブズも頑として関心を持とうとしなかったんですね。その流れを変えるには、それまでとはだいぶ違う何かが必要でした。そしてそれは意外にも、電話というかたちで現れたのです。

iPhoneこそは、まさにラスキンが人生の終局に思い描いた情報家電そのものでした。

かたちを変えるモーフィングマシン。どんなタスクも、その目的に特化したインターフェイスを使って思いのままこなせる。アプリを起動する度にマシンは新しい端末に姿を変え、そのインターフェイスをビジュアルで顕現させる。写真専用のボタンもあれば、撮った写真はジェスチャーでナビして回れる。別の曲に変えたい? 「next」ボタンを押すだけでOK。電話番号を押すキーもあれば、ショートメッセージやチャット、メール、ツイートを入力するソフトウェアキーボードもある。iPhoneはこれらすべてのパーソナリティを備え、そのすべてで成功できる端末なのです。

発売されるや否や、みんなその事実を悟りました。この新ガジェットはアイコンをクリックすると、別の1ダース分ものガジェットに姿を変えるのだ、と。やがてAppStoreが生まれ、モーフィングの可能性は無限に広がりました。どれもこなすタスクは1個。



この新しく誕生したコンピューティング・ワールドにはフォルダもファイルもありません。すべてデータベース駆動です。情報はあります。端末の中か、あるいは外の雲(クラウド)に浮かんでる。そしてその情報には、これらバーチャルガジェットを通していつでもアクセスできる。何故ってiPhoneは常時ネットに繋がっているから。

ジョブズやアップルの人たちも、これがコンシューマ市場に与える影響を見逃すわけないですよね。咄嗟にこう思ったはずです。「おい、こいつぁ何もかも変えちまう端末だぜ。まるでApple IIが出た後のMacみたいだ



新コンピューティング・パラダイム。それはローテクな友人やPC-Mac広告のママみたいな普通の消費者でも、値段で納得したら飛びつくようなものになるでしょう。新種のコンピュータは、プロフェッショナルや会社員よりむしろ一般消費者が普通のパソコンでやっているようなことがずっと簡単にできるものになるはずです。このiPhoneみたいに。


1歳児も楽勝のiPhone

穴あけカード、コマンドライン、グラフィカル・デスクトップ・メタファー、そして次なるステップがこれです。これならピカード艦長も使いたがるんじゃないですかね。


夢を広げる

しかしながらタブレット革命を起こすには、iPhoneのインターフェイスをそのまま移植してもダメです。新しい方向にあちこち伸ばさなきゃならない。おそらく一番重要かつ難しいUIはキーボード。こればかりは単にiPhoneのキーボードを拡大しておしまい、というわけにはいきません。入力UIに関するギズの大予想はこちら



その他の課題:
• 解像度増加の問題に、アップルとアプリ開発者はどう対処するのか?
• タブレットは処理パワーも上。理論上マルチタスキングも簡単なはずだが、どう扱う?
• ホームボタンはどこに置く?


解像度のジレンマ

第1の問題は、マーケティングと開発の観点から容易に回答が出せます。

マーケティングレベルで考えると、これだけ膨大に数の揃ったiPhoneおよびiPod touch対応アプリのパワーをプラットフォームに活用せずドブに捨てるのはもったいない。つまりAppleタブレットは単に大きくなってフルスクリーンになるだけでiPhoneと同じアプリを動かす、ということか?

その可能性はありますよね。もし仮に、画面が大きくなって生まれる余白を活用するよう特別にあつらえたバージョンのUIを備えてないアプリだと、そうなっちゃうでしょう。それが一番簡単なアプローチでもあります。



あとひとつ考えられるのは、エキストラのピクセル数を活用する準備が整ってないアプリを、他の320 x 240ピクセルのアプリたちと一緒に並べて使うこと。

以下は完璧にダミーで作った、ホームスクリーンのアイコンと、タブレットのフルスクリーンでアプリを表示している画面です。;

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しかし、これではUIがあまりにも複雑になっちゃいますよね。

これは僕の推測ですけど、インターフェイスがタブレット対応じゃないアプリはフルスクリーン表示になるんじゃないかと。みんなにとってもそれが一番安上がりなオプションだし。...まあしかし噂が本当なら、端末の発表から発売までには間があるようなので、みんな新しい解像度に合わせてこぞってアプリの支度を整えると思うし、用意する時間があるなら、そんな中途半端なソリューションも必要ないかもしれませんね。

ほとんどのデベロッパーは画面が広がって増えるピクセルをなんとか上手に活用したいと思うはずです。もっと沢山の情報を一カ所に盛り込めるようなUIにして。何よりも重要なことは、JesusTablet(Appleタブレット)に特別にあつらえたアプリで売上げの増加が図れること。



デベロッパーの視点から見ると、これは簡単に解決できる問題だと思います。iPhone/iPod touch用のアプリとタブレット対応アプリの2通り作らなきゃいけないのか? たぶんそれはないでしょう。アップルが仮に6月のWWDCで発行した、解像度に左右されないMac OS X対応アプリのガイドラインの論理に従うとすれば、最も考えられる選択肢は、2つのUIと関連アートをひとつの大きなアプリに詰める、というアプローチでしょうね。


マルチタスクはどうやる?

どの噂も、「タブレットはマルチタスクになる」という可能性に言及してます(iPhone OS 4.0も)。となると「画面いっぱい占領するアプリを、どうナビするのか」という課題が生まれると思います。PalmのWeb OSはこの問題をエレガントに解決しましたが、アップルにはこれを解決する隠し兵器が2つあって、どちらともMac OS Xに入っているのです。

アプリ切替えバーorドック
まず、スクリーン常駐のドックを採用する方法。あるいは画面のボタンやアイコンをクリックしたりジェスチャー入力して起動する方法ですね。使える中では最もシンプルな方法だし、やりようによってはキレイな演出も可能です。

Exposé
Mac OS Xで人気の割には使ってる人が少ない機能。でもいったん手に入れると、もうこれナシでは生きていけないのがExposé。

タブレットなら、Exposéはアプリ切り換え用に使えそうですよね。ジェスチャーで合図したり、コーナーをクリックすると起動中のアプリが全部モザイクになって出てくるんです。Mac OS Xと同じで、異なるのは複数のウィンドウにならない点ぐらいですね。アプリはライブアップデート可能で、どれかひとつタッチするとすぐ拡大。ここはSFっぽい演出がいくらでもできそうですよ。

タブレットでExposéをやるには、やはりジェスチャー入力かな、と思います。MacBook Proでできるみたいな。あと最近特許をとった近似センサ技術も使えそうですね。僕がいいなと思うのは、タブレットの4隅をホットコーナーにすること。コーナーを親指で触るたびにアイコンが現れ、4つの異なる機能をアイコンに割り当てる。その内容はユーザーがカスタマイズできるんです。例えばアプリを閉じる、Exposéを呼び出す、起動中の全アプリのモザイクを表示する、ホームスクリーンを起動して全アプリを表示する、などなど。4番目は全般設定かな。ダッシュボードのウィジェットを一式表示し、Mac OS Xでやるみたいに情報スニペットを見せるんでもいいですね。

またまた完全にダミーですが、そういうExposéがあったらこうなる、という仮説に基づく架空のイラストを以下に貼っておきましょう。:

「ホットコーナー」はこうなる?

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ホームボタンの問題
iPhoneやtouchには物理的ホームボタンがついてて、これが基礎的な役割りを担っており、インターフェイスの鍵を握るパートとなってます。それ抜きでは、アプリを出て、ホームスクリーンに戻ることもできません。小さなiPhoneなら今の場所が妥当ですけど、これだけ大きくなると(以下がサイズ比較)、さあどうかなぁ...。迷いが生じてしまいますよね。



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ホームボタンは1個がいいでしょうか? もしそうなら、タブレットを抱えながら片手の親指で押しやすいコーナーに置く? どっちのコーナーが押し易い? 簡単に押せるようにホームボタン2個置くと、消費者が混乱する? しない? ホームボタンの置き場所によっては画面の縦横の概念に影響を与えませんかね? ...とまあ、ホームボタンって結構タブレット最大の(そして一番馬鹿な)ミステリーなんですよね...。

アップルが物理的ボタンは一切使わないって言い出したらどうでしょう? 先般Exposéのところで指摘したように、物理的ボタンもユーザーが自分で決めることができる「ホットコーナー」に案外簡単に置き換えられるかもしれませんね。


革命の第2幕

以上4つのキーとなる課題を解決できたら、あとはエキストラのジェスチャーとか、消費者に好評のiPhoneのUIケーキのお飾りをなんでも追加すりゃいいわけです。ここで重要なのはAppleタブレット単体でコンピュータ業界に革命を起こすのではない、ということですよ。コマンドラインのコンピュータに対するMacのような位置づけには、なるかもしれない。でも革命はiPhoneが生まれた時、既に始まっているのです。



アップルがiPhoneの成功を見て、これこそが消費者が次のコンピューティング時代に求めるものだと感触を得たのなら、この新端末もiPhoneに似ているんだけど、さらにベター&ケーパブルなものになるでしょう。

あるいはこのiPhoneのエクスペリエンスを無視し、魔法のような、舌を巻く、およそ前例のない、誰ひとり想像も及ばない、完全に新しいインターフェイスを創り出したのかもしれません。みんなに愛と世界平和とパンケーキを運んできてくれるような端末です。パンケーキ。

はてまたジョブズのご乱心で、ゲイツ卿のデスクトップOSエミュレートしちゃうのかもしれないし。

でも最もロジカルなステップは、iPhoneに続き、ラスキン氏が昔ひとり道筋をつけた方向に進むことでしょうね。僕から見たら、このタブレットでまたウィンドウに仕切られた環境とデスクトップメタファーに基づくUIも終わるな、という印象です。いい厄介払いという感想しか出てこないけど。


Jesus Diaz(原文/satomi)