ソフトバンクモバイルより4月下旬発売(1日予約開始)。
新Android 2.1対応スマートフォン「HTC Desire」です。
「HTC Desireなんて所詮Nexus Oneをちょこまか改善しただけでしょ?」と思ったら大間違い。HTC Sense、Adobe Flashサポート、光学式トラックパッドが加わって、全然違うエクスペリエンスになってます!
N1の双子というより兄弟
Nexus Oneと比べると、どちらも3.7インチWVGAの有機ELの静電容量式タッチスクリーンで、ボディも非常に良く似たサイズ(Nexus Oneの方が気持ち薄くて、ソフトタッチキー付きです)。ともにAndroid 2.1、5MPカメラ+LEDフラッシュ搭載です。
一番の魅力はクアルコムの1GHzのSnapdragon QSD 8250チップ。これも両機とも装備してます。お陰で使用感は極めて高速。
ただ、Desireではアクティブノイズキャンセレーションの搭載は見送ってますが、RAMはぐんと増えて576MB(Nexus Oneは512MB)という具合に、中身には若干の違いがあります。
やっぱり大きいのはHTC Sense(新UI)が加わったことですね。これひとつでAndroidが百倍楽しくなるSense。一度使うとMOTOBLURとかMediascapeとかS-Class使ってる自分なんて想像できませんよ。
Androidの使い方を変えてしまうものなので、このSenseが入っただけでも、Nexus Oneとは別物です(Nexus OneにSense/Flash ROMをインストールした人は例外ですけどね)。
アップデート版のSenseを搭載したAndroid 2.1携帯は、他にはHTC Legendだけですね。今のSenseには新機能としてMac OS Xライクな「Leap」機能、ソーシャルネットワーキングを融合する「FriendStream」が加わりました。また、連絡先プロフィールも改善してますよ。
デザイン
DesireはHTCならではのデザイン。ややラバーっぽい背面、メタリックなフロント下のパット、シルバーのキー、薄いベゼル。ユニボディのアルミボディのLegendとは一味違いますが、造りもしっかりしてるし、サイズも手頃(ブラウジングに理想的)です。
僕はキーパッドのファンなので、タッチで長いメール打つ時はいつも緊張してしまうのだけど、Desireは他の端末より打ち間違えが少なかったです。こんな風に入力できるなんて夢のよう! バーチャルキーボードの面積が広くとってあるし、タッチも反応がキビキビいいので、タップとかストロークも軽くやるだけでオッケーなんですね~。
それにしても使ってるとスピードがすごいのなんの! Legendの中身を全部Desireに入れ替えてくれないかな~と思ってしまうぐらいです。Nexus OneとDesireのプラスチック&メタリックなボディが好みな人も大勢いるんでしょうけど、Legendのアルミボディをレビューした後では、Desireは手に持った印象があまりにもチープ。
まあ、使ってる素材の個人的好み云々を軽く凌駕しちゃうぐらい好ポイント満載なので、手触りごときでDesireの評価は落ちませんけどね。

Nexus OneのトラックボールをLegendの光学式トラックパッドに交換したのは賢い判断。お陰でマウス使ってみた感じも快適だし、精度も上がってます。HTCがトラックボールを敬遠する理由は説明不要ですよね(同様にBlackBerryも、ボールの下に埃がたまって正しく回転しなくなることに気づいた)。メールで文章編集する時なんかはこの方が使い易いです。
もっともタッチ画面の反応の質が最高なのと、チップのスピードも最高に良いお陰で、僕はトラックパッドにはそんな頼らなくて良かったです。また、アプリの呼び出し時間、プログラム同士の切り換えでも問題は一度も起きませんでしたよ。
Flashは救世主?
Adobe Flash Liteに対応してます。つまりGizmodoに出てるみたいな動く広告も表示できる、ということですね。サイトの埋込み動画もAndroidブラウザから直接か、Flash専用ブラウザ(動画クリックで開く)で再生できます。YouTubeは動画が全画面表示になるので、まるで全Andoid携帯(とiPhone)に搭載になってるYouTube専用アプリみたいですよ。僕は Flash専用ブラウザで動画観る方がずっと好きでしたね。Androidのブラウザで埋込み動画を再生すると、時たまずっと遅くなるので...。なんというか...バギーというか(Flash Liteですからね!)。サイトによっては動画が全く再生できないこともありました。Shockwaveの Flashサポートに依存しているBBCのiPlayerとか。

Desireは欲しい?
1月に発売になったNexus Oneはちっとも売れてないという話ですが、そんな中、HTCはほとんど同じ携帯にHTCのバッジをつけて、スペックをちょこっとだけ上げて売るという賢い戦略を展開しています。
Sense抜きのAndroid携帯が好きな人は簡単にアンインストールできますし、Desire発売でHTCも「Nexus Oneの膝小僧を一撃!」でしょう。
Desireは今市場に出回る中では最速のAndroid携帯のひとつです。 最高のブラウジング・エクスペリエンス、感度の優れた大き目の画面、Flash対応、Android携帯としては最上級のカメラ、最も直感的で適応性の高いOS。ソーシャルネットワーキングの更新や連絡先は最も簡単で効率の良いかたちで順に表示してくれます。
というわけで、答えはイエス。恥ずかしい商品名だけど、これは欲しくなる携帯です。
総合評価
( )Flash Liteは、Flash抜きのブラウジングよりマシ
( )HTC Senseでソーシャルなエクスペリエンスを改善
( )超高速
( )ライブ壁紙
(-)バッテリー寿命は改善の余地あり
(-)Flash Liteはまだ時おりギクシャクする
Kat Hannaford(原文/satomi)