まるでタイムスリップしたようです。
最新の電気自動車、日産リーフに試乗して未来を味わいましたが、今度は60年以上前に作られた「たま電気自動車」の試乗です。本物の車両をベースにフルリストア、当時のものをなるべく使って走行できるよう再生したまさに本物。フレームはなんと木、それに鉄板の外装を釘で打ち付けて作ったボディは味わい深いです。
構造はとてもシンプル。走行用バッテリーとして鉛蓄電池を束ねたブロックを2つ装備、バッテリーはブロックごとで交換可能。抵抗器で電流を変化させてフロントミッドにマウントされたモーターを回転させます。モーターからプロペラシャフトで後軸に伝達、デファレンシャルギアで最終減速して後輪を駆動します。ん、この構造どこかでみたことが、と思ったら昔ながらの電動ラジコンがこんな感じでしたね。バッテリーが交換可能なのはタクシー運用の場合充電しているヒマがないから。充電済バッテリーをガチャコーンと交換することができます。そういう意味でも電動ラジコンにちょっと似てます。
ウォンウォンとうなりをあげて走行するのがとてもカワイイですね。もちろんエアコンはないし、カーステもありません。それでも乗り物は楽しいですね。子供の頃遊園地で豆自動車に乗った時の感動がよみがえりましたよ。最新のEV、日産リーフとたま電気自動車。63年の時代差はありますけど電気自動車にかける熱い思いが伝わってきますね。こちらの「たま電気自動車」は日本機械学会が選定する2010年度機械遺産に選ばれています。
[機械遺産]
(野間恒毅)