誰もが「ほ~」と驚くMacBook Air11インチ。ほーんと馬鹿みたいに薄いですよね。これより薄かったらエンジニアリングとデザインの奇跡というより魔法になっちゃうギリギリのラインかも~。
MacBook AirはiPadのDNAが入ったノート。アップルが作るMacBookの中でも11インチAirのポータビリティは最強です。12インチPowerBookが絶滅して以来初登場のApple小型ノートと言えます。値段はプラスティックの安いMacBookと被りますが、AirはむしろiPadからお客様とっちゃう製品でしょう。あんまコンピュータと意識せずどこにでも持ち歩けるコンピュータを探してる人が買う製品。
iPadがベッドに持ち込める初のコンピュータなら、Airは布団の中でゴロゴロしながら使うために作られたものじゃない、というのが違いですかね。Airは生産性を上げるコンピュータです。iPadと違い、Macでできることは何でもできる。キーボードもフルサイズ(少なくとも重要なキーはそう)だし、トラックパッドも充分大きく、ディスプレイは解像度1366x768(13インチProよりピクセル数は多い)。これだけの画面サイズがあれば仕事にも使えます。毎日の生活でも「出先でこれやらなきゃならないんだけど何と何持ってかなきゃならないかな?」と、もう悩まなくていいですよ。1台サッと持ってけば済むので。
解説で読む限り、Airのアルミとガラスのスカートの内側は大したことないです。太古の1.4GHz Core 2 Duoプロセッサで、RAMたったの2GB、グラフィックカード内蔵、GeekBenchのベンチマークスコアは2253点(13インチは3026、13インチProは3239)ですからね。[スペック]
11インチMacBook Air
価格:$999(8万8800円)
メモリー2GB。ディスクはSSD 64GB
CPU&グラフィックス:1.4GHz Core 2 Duoプロセッサ、Nvidia GeForce 320M GPU
メモリー&ストレージ: 2GB RAM、64GBフラッシュストレージ
ディスプレイ:11.6インチ(1366x768)
バッテリー寿命:約4時間(50%の明るさでブラウザ連続使用の場合)
重量:2.3 lbs(1kg強)
ポート:USBふたつ、Mini DisplayPort、ヘッドフォン/マイクロフォン専用ジャック
実際、Handbrakeで5分の『Muppets』の1080p動画を変換する作業も13インチAirではたった13分しかかからないのに、30分もかかってます。東芝のマイクロコントローラ使って路上でランダムに読み取り/書き込み性能を測ったAnandtechのSSDベンチマークでも、フラッシュストレージはそんなに言うほどスピードは出ませんでした。
でもスペックがそうだから現実もそうかと言うと、それがそうでもないんですよね...少なくともユーザーエクスペリエンスは。毎日使うとホント信じられないほど優秀なんです。スペックがわかってるから余計に驚くんだけど。これは正真正銘のMacですね。普段使いでもパーフェクトです。
11週間5インチProの代わりにこれだけ使ってみましたが、基本的に何やらせてもギクシャク引っかかることもなく文句なしに作業をこなしてくれました。ブラウザで20個タブ開いてIMクライアント、チャットクライアント、メールアプリ、iTunes、テキストエディター、Twitterこれ全部一度に使ってもOK。遅くなりません。アプリはRedBull+メタンフェタミン飲んでバッチリ覚醒してる感じで開くし、それでいてこのCPUは動画・写真編集の時は現実的なものだけ消化してくれる。YouTubeの1080p動画やNetflixのHD動画を再生してる時は実質モノタスキングなのです(しかもGPUが処理を助けてくれる)。
まあ、RAWの写真編集やiMovie使う時はマゾの修行という感じですけど、iPadと決定的に違うのは「やってできないことはない」ってとこですねー。
Apple製品にはナードに不評な交換条件がつきものですが、 この製品に限って言えばディスプレイもキーボードもUSBポートも悪くない感じ。しっかりしていて、それでいて現実離れしてる、そのバランスが絶妙です、トニー・スタークの技術みたいに。使うたびに少しハイになりますよ、だってこんな小さいのにこんな沢山のことができるんだもん。(これ持ってるとみんなこっち見るしね)iPadに一番近い血を持つマシンなのに、iPadが持つあの驚異的長さのバッテリー寿命がこちらにはありません。初めて「バッテリー切れ」の警告が出てきた時は悲しかった...普通に1日過ごすと2回切れちゃいます。1回の充電で4時間もつサイクルですね(ギズライター武者さんは3時間33分13秒)。ひどくはないです、ホント。でもAirがあまりにも浮世離れしてるので多くを求めちゃうんですよね...こんなニコニコ快活に働くのになんでそんなに電気食うのだよ? って。言ってること矛盾してるんだけども。
サブのマシンに1000ドルは高いです。アップグレード価格の設定も厳しいものが。クラウドのストレージに頼るとしても、64GBではちょいとせせこましいですね(自分で使うのは48GBしかない)。
11インチAirはどこにでも持ち歩けて、しかも、もっと高スペックのマシンを家に置いて出ても後悔しなくて済む初のコンピュータでしょう。10万払うのは痛いけど、そんな痛みも長続きしませんよ。少なくとも僕の場合、iPad売ってからは全く感じなくなっちゃいました。関連:MacBook Air 11インチ ファーストインプレッション - ライフハッカー
matt buchanan(原文/satomi)