iPhone写真家三井公一(sasurau)に、iPhoneで格好いい写真を撮るコツを聞いてきた

    iPhone写真家三井公一(sasurau)に、iPhoneで格好いい写真を撮るコツを聞いてきた

    これさえ読めばiPhoneで超絶素晴らしい写真が撮れちゃいます!

    いい写真を撮る事に必要なものってなんだと思います? 良いカメラに良いレンズに良いモデル選びに...なんてすごーく面倒だっておもっていませんか。実はiPhone一つでも素晴らしいアーティスティックな写真が撮れちゃうんです。

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    iPhoneのみで撮影された
    写真集『iPhonegrapher―
    写真を撮り、歩き続けるた
    めの80の言葉』Amazon
    (クリックで拡大)
    今回ギズではiPhoneのカメラアプリだけで写真展や写真集を出版している写真家 三井公一さん(写真右)にそのコツを伝授していただきました。

    実はiPhone一つで撮影するスタイルは、海外やFlickrでiPhoneographer(アイフォングラファー)という名称で知られていて、一つのジャンルを形成しているそうなんです。三井さんは今年8月にiPhoneのみで撮影された写真集『iPhonegrapher―写真を撮り、歩き続けるための80の言葉』を出版されたり、写真展を6月に新宿で、8月に京橋、10月にはスペインで開くなど、まさにiPhoneographerの先駆者の一人。今回は三井さんを講師にむかえ、iPhoneだけでいかに素晴らしい写真を撮るかに焦点をしぼって、フォトウォークしてきました。


    フォトウォークの中で三井さんが教えてくれた主な撮影ポイントは以下の6つ。

    ・撮影は標準カメラで

    ・光と影を効果的に

    ・写りこむものに気をつける

    ・視野を広くして歩く

    ・小道具を使う

    ・撮った写真を専門アプリで編集する

    それぞれの詳細は以下に書いてありますので、どうぞご覧くださいー。

    標準カメラで光と影を効果的に使って撮影する

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    写真家 三井公一さん(以下、三井):

    それではとりあえずブラブラ歩きながら渋谷駅から代々木公園のほうへいきましょうか

    ギズモード ゲスト編集長 いちるさん(以下いちる):

    よろしくお願いします。ところで、写真撮る時のアプリは何を使うんですか?

    三井:iPhoneに標準でついているカメラアプリを使います。やっぱり早いし、他のアプリってそのアプリ内でしか加工ができない時が多いじゃないですか。カットに合わせて効果を選びたいので標準アプリで撮ります。今日はモデルさん(@ichire)もいるので、とりあえず何も考えずに撮影してみましょう。

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    ※クリックで拡大
    いちる:撮ってみたんですけど、どうですか? 構図的にとか。

    三井:うーん、日の丸構図だね...。これじゃ記念写真みたいだよね。たとえば今は光が強烈に差し込んでるじゃない? この光の差を意識して撮影すると高コントラストになって、モノクロに加工すると黒は黒、白は白でかなり面白い写真になるんですよ。

    いちる:なるほど、光を意識するということですか。

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    三井:そう。だから朝とか夕方って写真撮るのにいいんですよ。特に冬は斜めに光が射すでしょ?

    ほら、今も影が強くでてるじゃないですか。だから影をうまく使うんです。こういう壁に斜めに強く射している光がいいですね。

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    三井:あとは...あのポストの影が面白いですよ。この光具合ならモデルなしでも十分画になります。

    いちる:へー、今まで影なんて脳の中で削除してましたよ笑


    視野を広くして歩き、ズーム機能は使わない。そして、写りこむものに注意

    いちる:そうやってみると、ちょっと先のビルが重層的に重なっている影の感じが楽しげに思えてきますね。

    三井:そうですね。ただ、ああいう遠くのものを撮りたいっていうのもわかりますが、iPhoneカメラの焦点距離は35mmくらいだから、あまり望遠できりとったような画は取れないんですよ。デジタルズームを使えばできるけど、プリントを考えた時に、やっぱりかなり荒れちゃうので。

    いちる:なるほど、iPhoneのズーム機能は使わないんですね。

    三井:一眼レフカメラでいう「単焦点で撮る」という感覚ですね。いつもより、視野をちょっと広げて被写体との良い位置に自分で近づく。それが一番いいんですよね。

    いちる:なるほど、いい位置を自分で探る。

    三井:そう。いい位置を自分で探るっていうのはアングルを意識すること。また、アングルを意識するっていうのは光を自分で操ることなんです。だからいつもより見上げたり、ローアングルから見てみたりするのもいいですね。

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    三井:ほら、見上げてみるとそれだけで画になっちゃう。

    これでフィルター加工するともっといい感じになりますよ。あとは今秋だから落ち葉とか紅葉を撮りたいじゃないですか。今結構落ちてるのでiPhoneのレンズを下向きにして超ローアングルから狙うのも画になりますよ。


    iPhoneでもボケを生かした写真が撮れる!

    いちる:へー! じゃあちょっと下からとってみます。

    三井:このシチュエーションだと奥行き感を出すといいですね。落ち葉と、この奥に続くタイルと木々をちょっといれてあげるといいですよね。BumperをつけてるiPhone4だと、こういう時地面に直置きできるのもいいですよね。いちるさん、どうですか?

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    いちる:ちょっとやり過ぎかもしれないけど。どうですか。

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    三井:おお、いいじゃないですか。普通に撮るのと全然かわるでしょ?

    いちる:ほんとそうですね!

    三井:あとは逆に落ち葉を目立たせたいときは、手前にピンを合わせれば後ろがぼけるはずです。ほら、ここにピントがあって背景がぼけるじゃないですか。iPhoneのレンズでもすごく近づいて撮れば手前がぼけるんですよ。あとは体勢がキツイので手が写り込まないように注意してくださいね。

    小道具も有効に使い、シチュエーションを楽しむ

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    三井:あとは小道具を使うのも手ですね。枯葉が集まってるところを絨毯にして撮影してみましょう。ここは光が強く当たるので、光で顔を白飛びさせてもおもしろいですね。

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    いちる:おー、ファイナルファンタジーみたい。アーティスト写真にもみえる!

    三井:この写真はこれでいいけど、明るいところと暗いところの差が大きすぎるなって時はHDRをオンにするとコントラスト差が緩和されていいですよ。

    いちる:なるほど。

    三井:あ、あとあのベンチなんかも小道具としていいですね。モデルに横になってもらいましょう。

    いちる:横になる!?

    三井:そうそう。ちょっとシチュエーションを演出してやるだけでいい写真になるんです。

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    三井:今ちょうどレンズに光が差し込んできているので、フレアが入らないように手でiPhoneをカバーしてやります。カメラでいうところのフードの役割なんですけど、これするだけで黒が締まりますよ。

    いちる:すごい! 僕もこのアングルで撮ってみます。うーん、ちょっと奥行き感をもたせて見ようかな...。

    三井:そうですね、足の向こう側を入れると立体感が出ますよ。

    いちる:なるほどー、はい撮りますよー。
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    三井:いいですね!

    いちる:なんか建造物みたいになりますね、寝ると。

    三井:たしかに、寝釈迦像みたい笑

    アプリを使って加工してみる

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    三井:さて、今度はアプリを使って加工しましょう。

    いちる:なんのアプリを使うんですか?

    三井:CinemaFXとCoolFXを主に使います。特に初心者にオススメしたいのはCinemaFXですね。CoolFXは調整出来る項目が多いので初めての人は難しいとおもうので。

    いちる:ちょっと使ってみたんですけど簡単ですね。

    三井:そうなんですよ。例えばさっき撮った彼女の寝ている写真を選びますよね。そうすると勝手にバリエーションのサムネイルをつくってくれるんですよ。で、選ぶだけ。

    いちる:選ぶだけ!

    三井:ちょっと加工してみますね。ドラマチックっていうフィルターをかけてみます。

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    いちる:すごく透明感のある写真になりましたね!

    三井:そうなんです、フィルターをかけて、明るさ調整するくらいで十分いけるんですよ。あとは道端に差し込んでいた光の筋のショット。これは明暗がきれいなのでモノクロにすると面白くなります。

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    いちる:すごい! すごくアートっぽい。

    三井:ただ単に加工しただけで、普通の写真のセオリーで言うと「なんだこれ?」ってなるかもしれないけど、iPhoneで撮る写真ってそういう写真じゃないと思っています。面白い写真、あっと思う写真が撮れればいいわけじゃないですか。真っ赤にしてチェ・ゲバラ風にしてみたり(ギャラリー参照)

    いちる:そうですよね。じゃあ僕も作品を一枚選んで加工してみます...。

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    三井:さっきの寝釈迦像がとってもアートになっていいじゃないですか!

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    iPhoneだからこそ楽しめる写真

    いちる:じゃあ、最後にiPhoneで写真を撮ることの魅力と、どんな風に楽しめばいいのか? というのを教えてもらえますか?

    三井:そうですね、iPhoneは直感的なことが一番の魅力です。フィーチャーフォンもたしかに画素数やAF機能がすぐれた機種もたくさんあります。ましてやコンデジなんかiPhoneより断然高性能です。ただ、フィーチャーフォンもコンデジも、いっぱいメニューがあって分かりづらいじゃないですか。絞りがシャッターがとか、Pモードとか笑

    いちる:迷いますねー。

    三井:そういう事を考えていくうちに、構図とか、極端な事を言えば何を撮るかっていうのを忘れちゃう。

    いちる:

    三井:逆にiPhoneって、単焦点レンズ、絞り固定でISO感度とシャッタースピードが変わってるだけだから、そこがいい所だとおもうんです。

    いちる:あー、写真を楽しむっていうのがすごく出ると。

    三井:昔、僕らが写真を始めた頃を思い出すんですよね。NikonのFMに35mmレンズ一本つけて、フィルムで撮ってた時代を。それに近いんです。スゴイ懐かしい感じがする。だからiPhoneの魅力っていうのは純粋に写真を楽しめるってことなんじゃないですかね。

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    いちる:じゃあ、言い換えれば原点にかえって写真機として楽しめばいいんですね?

    三井:そのとおりです。その上で光とアングルの違いも楽しんでもらえればと思います。

    プリントする楽しみ

    三井:あと楽しみという意味では、プリントしてほしいです。

    いちる:プリントってのは紙に印刷?

    三井:そうです。iPhoneってアプリがいっぱいあって、撮って加工してオンラインにアップして、みんなに「いいね!」って言われると嬉しい。みたいな流れになってるけど、さっきの彼女が寝ているショットも、加工してプリントして、IKEAとかで安い額売ってるから、それに入れてプレゼントするだけですごく嬉しいものですよ。

    いちる:たしかに、写真の楽しみ方のもう一つのバリエーションですよね。印刷してみよう!ってのは。

    三井:iOS4.2からAirPrint機能がついたので、余計に紙に印刷しやすくなっているので是非ともプリントしてほしいですね。

    いちる:なるほど、では本日はありがとうございました!

    三井:ありがとうございました。

    三井さんの作品が見られる本

    4844135465
    iPhonegrapher―写真を撮り、歩き続けるための80の言葉

    三井公一さんの日本初、iPhoneだけの写真集


    4777918017
    flick!2

    三井さんの作品が掲載されている雑誌です。


    4777916790
    flick!(フリック) (エイムック 2006)

    こちらは1号。



    101126ichiruichiresasurau.jpg※左からいちる、佐藤真美(モデル)、三井公一さん

    s a s u r a u [公式HP]

    http://sasurau.posterous.com/ [iPhoneography ブログ]

    @ichire [モデル]

    (いちる・遠藤充)

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