オサマ・ビンラディン容疑者を殺害したのは、米軍最強のエリート集団「SEAL Team 6」です。
Team 6(1987年解散後DEVGRUとして再結成)というのは非公式な俗称で、本名は極秘に伏せられています。米政府はその存在すら認めていません。
担当は対テロ特殊戦。
陸軍の闇の集団・デルタフォース同様、Team 6もその任務が報告書に載ることは滅多になく、増してや新聞に載ることはないのです(上の写真は一般SEALs隊員?)。
それが新聞の一面に「SEALの手柄」とデカデカ出てしまうんですから、今回どれだけ米国がオサマ・ビンラディン殺しのニュースを世界にアピールしたがってるか想像つきますよね...。
SEAL Team 6隊員は全員が全員、「闇」工作のプロです。軍規も適用されない超法規的存在で、最高機密の作戦に従事し、国際法の境界をまたぐこともしばしば。捕まった場合うまいこと否定できるよう、その闇の任務が記録に残ることはまずない、あったとしても極めて稀です。
SEAL Team 6が結成されたのは、1979-1981年イランアメリカ大使館人質事件がきっかけ。1980年4月のデルタフォース主導の救出作戦が大失敗に終わり、こんなことが二度と繰り返されぬよう、超極秘で動ける対テロ特殊部隊を設けなくては...ということになったのですね。
結成当初、SEAL(海空陸の頭文字)には他にチームが2つしかなかったのですが、チームの数が旧ソ諜報員に知られてはマズいので相手が混乱するよう、わざわざ飛び番号の「6」をあてたのです。
Team 6では他のSEAL部隊からトップの精鋭を横取りし、そこからまた更に集中訓練をやって鍛え上げてゆきます。SEALsに選ばれるだけでも人間じゃないのに、その折り紙つきのSEAL隊員ですらTeam 6ではその半数近くが脱落するそうな。
現在のTeam 6隊員の名前は分かっていませんが、CIAでは特殊戦グループにTeam 6から人材をだいぶリクルートしているので、今回の任務で彼らを選んだのも自然な成り行きと言えそうです。まあ、Team 6の普段の担当は海事局の仕事(船舶救助・石油掘削基地・海軍基地・海から上陸できる地上の基地の任務)で、ビンラディンの潜伏先には水路はなかったりしますけどね。
元海軍SEALの方に本記事向けにコメントをお願いしてみたのですが、 ひとこと聞き出すのがやっとでした。「助けてやりたい気持ちは山々なんだが、Team 6のことはひとっ言も喋れないね。Team 6はないんだよ」
UPDATE:NBC朝のニュースでNAVY SEALsのことやってたので動画貼っておきます。
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ABCニュースも。
APまで。
[写真:Wikipedia日本版-Navy SEALs]