声の大きい動物、集合! ライオンにクジラに、エビ、アンコウ? (動画あり)

声の大きい動物、集合! ライオンにクジラに、エビ、アンコウ? (動画あり)

声の大きい人って堂々としてていいなあと思うんですが、動物にも声の大きい人たちがいるみたいです。

「動物の出す音にはいろんな意味や大きさがあって、それだけで圧倒されます。そんなのが私は大好きです。」と語るのはコーネル大学で生物音響学を専門とするクリストファー・クラーク教授です。

すべての動物の音は数百万年の進化を経た結果で奥深いんですが、その中でもクラーク教授など研究者の方々おすすめの「声」があるようです。今回はそんなお墨付きの声や音と、それらがどんな仕組みで発生しているのかを見ていきます。

・ライオン

ライオンは百獣の王なだけに、その咆哮は地球最大...とまではいかないのですが、数値で言うと115デシベルあり、サバンナでは約8kmも先まで到達するんだそうです。

その声をこちらで聞いてみてください。

Image:iam_photography

Sound:San Diego Zoo

・シロナガスクジラ

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地球上最大の動物と言われるシロナガスクジラは、心臓だけでもコンパクトカーくらいの大きさがあるそうです。それだけに、発する音も地球最大級です。

シロナガスクジラのうなり声は低周波で、人間の耳で聞こえる範囲外です。でも、さえぎるもののない海では1600km以上離れた場所まで到達し、また近くにいるボートは共鳴してしまうくらいだそうです。

その声の大きさは188デシベルに達することもありますが、水中での音の大きさは空気中とは違います。「手を動かすとき、空気中の方が簡単ですよね。水中で音を伝える方が、空気中より大変なんです」とクラーク教授は言います。水中での音の大きさを空気中での大きさに変換するには62デシベルを引くのが一般的とされているので、シロナガスクジラの声の場合は空気中では126デシベル、大体ロックコンサートくらいの大きさです。

ただ、観測された中で一番大きかった声は、シロナガスクジラのものではありません。2003年の研究では、水中で236デシベルあるマッコウクジラの声が報告されています。

ちなみに、人間には聞こえない音なので、特殊なマイクで圧力の波を測定することで大きさを評価しています。

シロナガスクジラの声はこちらです(10倍速になっています)。

Image:NOAA

Sound:NOAA

・テッポウエビ

小さな体に似合わず、テッポウエビの出す音は大したものです。

このエビには大きなはさみがあり、そこから200デシベルもの大きな音が1ミリ秒ほどの瞬間的なものですが出されます。このパチンという音はすごく大きく、瞬間的にその周辺の温度を太陽の表面くらい高くしてしまうそうです。これはキャビテーションといわれる現象で、小さな気泡とともに大きな音と鋭い光、衝撃波が出て、エビの獲物は気絶してしまいます。

この音は潜水艦の通信と干渉して、かつては潜水艦エンジニアを悩ませました。「彼らの音は世界中の海を支配しています。ものすごい強力なポップコーンがはじけるみたいな感じです。」マサチューセッツ州アマースト大学の生体生物学者、シーラ・パテック准教授は言います。

Video:sonfe67/YouTube

・イルカ

イルカの声は、かわいいだけじゃありません。イルカの頭脳は精密なソナーマシンで、暗い海の中でも「見える」んです。

「彼らの声はとても短いですが、密度の高い、高周波の音です。まるでレーザービームかストロボライトが額から出ているような感じです」と前出のクラーク教授は説明します。「その声は彼らの周りを照らし、その反射から回りの状況を把握する役割をしています。」この働きをエコーロケーションと言います。

イルカの頭部にある「メロン体」と呼ばれる組織は超音波を発していて、脂肪に覆われたあごの骨が耳に反響を伝えます。一部の種のエコーロケーションの音は、人間の可聴域外ですが220デシベルほどにもなるそうです。

クリックスとかホイッスルと呼ばれる可聴域内の音(以下)もありますが、それらに伴って高周波の人間には聞こえないエコーロケーションの音も発生していることが多いんだそうです。

イルカの声はこちらです。

Video:AnimalPlanetTV/YouTube

Sound:NOAA

・象

と言えばぱお~んという声を想起しますが、クジラと同様、象も人間には聞こえない低周波音でコミュニケーションしています。数値で言うと、人間の可聴域下限の20ヘルツくらいです。

象の声は空気中で117デシベルを超えることもあります。これは観客でいっぱいのサッカースタジアムと同じくらいですが、人間には聞こえません。

彼らの声は、さえぎるものがなければ空気中を6マイル(約9.6km)以上も伝わっていきます。そして象は仲間の声を足や体幹、皮膚を通じて聞いているんだそうです。

Video:scotch196/YouTube

・ホエザル

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ジャングルの木の上から、ホエザル140デシベルにも達する声を発しています。一部の種の声は中南米のジャングルの中でも3マイル(4.8km)以上も遠くへ届きます。

ホエザルが吠える目的は、なわばりを知らせて食べ物をめぐる争いを避けることだと考えられています。

ホエザルの声はこちらです。

Image:drurydrama/Flickr

Sound:David O'Hara/Wikimedia Commons

・ガマアンコウ

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ガマアンコウ(toadfish)の浮き袋には、すごく動きの速い筋肉があります。

ガマアンコウはその筋肉で浮き袋を振動させ、音を出します。一部の種がなわばりを知らせるため、またはメイティングのための声は水中でもとても大きくて129デシベルあり、地上にまで聞こえてきます

「数十年前、サンフランシスコ湾近くの人たちがソビエトの潜水艦が攻撃してきたと思って警察を呼びました」とパテック教授。「でもそれはガマアンコウの出す音だったんです!」

この音は複雑な情報を持っていて、魚としては考えられないようなリッチなコミュニケーションをしているのかもと言われています。ガマアンコウはこんなポーっという声や、ブヒ? っという声を出せるんです。

Image:Aaron Rice

Sounds:Aaron Rice

[Wired]

Dave Mosher(原文/miho)

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