ねずみとり、ライター用燃料、電池成分、殺虫剤、そして今度は...放射性物質―これらに共通するものは一体なんでしょう? ―そう、タバコ。
タバコにはニコチン、タール以外にもこんなにガンの元になりそうなものがくるまってたんですね。しかもタバコ各社は放射性物質が詰まってると知りながら40年間もその証拠を隠蔽していたのだそうな!
タバコの放射性物質はポロニウムー210。「アルファ粒子と呼ばれる有害な粒子を放出する」放射性物質です。
この粒子は吸い込むと、タバコから検出される他の発がん性物質と相まって喫煙者の肺に倍のダメージを与える(がんを誘発する)のです。
ABCニュースが報じていたのですが、UCLAの研究員らの調べで、タバコ各社がタバコの中に放射性物質があることを1959年の段階で既に知っていたという事実が明らかになりました(日経サイエンスで翻訳紹介されたスタンフォード院生の2009年の論文の方が発見は先ですが、今回UCLAで未検分の文書27件を調べた結果、隠蔽の事実が具体的に裏付けられた)。
1960年代通してタバコ各社はポロニウム(polonium)の研究を行い、普通の喫煙者が向こう20年でどれだけの放射性物質を吸引するか見積もり、これががんの原因になることも知っていたのだけど、自分たちの試算が外部の誰かに気づかれると困るので隠してしまったんですね。研究もして悪いことだと知りつつ、その研究の痕跡を隠蔽した、というわけ。むおー悪徳千万!
そのうちポロニウムー210をタバコから99%除去できる「酸洗浄(acid washing)」みたいな新製法も登場したんですが、これらのタバコ会社は無視を決め込んでいるのです。
なんで採用を見送ったのかって? この製法だと喫煙者が求める「瞬間的なニコチン・ラッシュ(放出)」が減っちゃうからですよ。中毒減ればもっとヘルシーな気がするんですが、タバコ会社は絶対そうはさせるもんか、ということなのかな...。
かくして我々は未だに放射性物質と手が切れず、ポロニウムー210は相変わらずたばこ製品に入ってる、というわけですね。ご清聴ありがとう。
UPDATE: より詳しい情報→たばこの放射性物質について(米政府の解説)
[ABC News via Consumerist, Image Credit: Stanislav Popov/Shutterstock]
CASEY CHAN(原文/satomi)