Kindle Fire増産の勢いを借りてAmazonが来年Kindleスマフォで勝負に出るって噂ですね! 噂の出元はシティグループのアナリストMark Mahaney氏が今朝流した以下のメモ。
シティの台北在住ハードウェア調査アナリストのケヴィン・チャンが行ったアジアサプライチェーン外部調査をもとに当社は、Amazonスマートフォンが来年第4四半期に発売となるとの見方を強めた。
当社が行ったサプライチェーン調査によればこの携帯電話はAmazonがFIH(Foxconn International Holdings)と共同で現在開発中と思われる。AmazonはNREをFIHに支払うが、端末と複数の部品は鴻海精密工業のTMS事業グループ(Amazonのeリーダーと8.9インチタブレットを造ってる部門)が実際の製造を担当することになる。テキサスインスツルメンツのOMAP 4プロセッサ、アマゾンeリーダーにベースバンドを長年納品しているクアルコムのデュアルモード対応6シリーズのスタンドアロンのベースバンドが搭載になる可能性が高い。
価格は製造コストが150~170ドルかかるだろうから、それを割り込んでくるんでは? ということです。なんか話が具体的なので進んでる感じがムンムンですけど、ギズはやめといた方がいいと思いますよ。Fireが売れてる理由って数えるぐらいしかないですからね。
まずFireはお得なアマゾンPrimeの導管だから売れてるんですね。これでネットに繋ぐと豊富な品揃えのメディアから好きなものを、いとも簡単に買って読んで聴いて観て楽しめる。Fireは紙コップでも中身が良質なお酒、だから売れてる。アプリ、メール、メッセージ、地図、写真とかは買う人の眼中になくて、みんなPrime目当て。Fireは目的がものすごくはっきりしているのです。
次にOS。Androidですが、本家から遠く離れていてAndroidとわからないほど... これもプラスに作用しています。Androidは冷たくて近寄りがたいイメージですが、Fireは温かくて親しみ易く楽しいですからね。本棚のUIもほぼパーフェクトです。
で、最後に持ち心地。欲を言えばもう1インチ欲しい! ところですけど、何やってる時もFireは手にしっくり馴染みます。最初に表示される壁紙も素敵だけど、ほんとに上等なものを表示させて見たいスクリーンなのです。
これが3インチちっこいスマートフォンになったら...せっかくの魅力も台なしになってしまうと思うんですね...。
スマートフォンを標榜するからには通話も要るし、メッセージも要る、メールもキラーなのが要る、写真もすごいの撮れなきゃならないわ、街ナビも要る... 多機能でプログラムも満載しなきゃならない... Fireは楽しさと快適さのみ追求したフィットな体なのに、ブクブク贅肉がついてしまうわけですよ。
Primeは簡単に携帯に取り込めます、単にソフトウェアの問題ですからね。でも使う人がそれを求めているんでしょうか? タブレット、パソコン、TVほど頻繁に携帯で動画観ませんよね? スマートフォンで最後に本1冊読んだのっていつですか? YouTubeやホームビデオならともかく、携帯で映画観ます? バスに4時間缶詰で他にやることなかったら、それもありだけど...。
こうしたものを携帯で実現しようとしたら、インターフェイスもやり直し(これ重要)。 今の本棚のUIも終わりです。あのFireのミニマルなUIはスマフォの画面に絶対収まりっこないのです。Amazonがいくらがんばっても、なんも読めない... 悪夢です。
となれば、すべからくAndroidっぽいAndroidで行こうぜ、ってことになっちゃって、ハッと気付いた時にはどこにでもあるAndroid... という残念な結果が待ち受けてる気がします。FireとKindleは本棚のUIあってのKindleですから、あれが消えちゃったらFireはただのタブレット、Kindleフォンもただのフォン。別にAmazonじゃなきゃいけない理由もないのです。
というわけで、Amazonさんには今まで成功した部分をキッチリ守って頑張って欲しいと思います。Amazonがタブレット出して売れるなんて誰も思ってなかった... なのに売れた... これはすごいことです。でもここで調子こくと、せっかくの成功も台無しになっちゃいますよ! Fireは「Kindleだから買った、そしたら意外にもデザインが素晴らしくて愛用してる」という人もいるでしょうけど、でも携帯はそういうわけにはいきませんからね。
SAM BIDDLE(原文/satomi)