昨秋、大学学部レベルのコンピュータサイエンス課程を無料で提供し、日本でも話題をふりまいたスタンフォード大。あれを担当したセバスチャン・スラン(Sebastian Thrun)教授が大学を辞め、なんとコンピュータサイエンス専門の無料オンライン大学「Udacity」をスタートしました!
セバスチャン・スラン教授といえば、あのグーグルの自走カーをつくったお方。グーグルのフェロー(特別研究員)でもあります。
去年2月/TEDにて(日本語訳)
氏は秋の人工頭脳(AI)入門コースをスタンフォード大とオンラインの両方とも並行して担当したんですが、ロイターによると「オンラインコースの方が指導が密で教え方も良いため、リアルの大学のクラスは最初200人いた学生が最後30人になってしまった」のだそうな。
世界中誰でも無料でオンラインでクラスが受講できる...とメールでアナウンスしたら、そのメール1本で16万人の学生が殺到! 氏は大慌てで全員対応できるようサイトをスケールアップしました。
内訳ですが、リトアニア1国でスタンフォード大で氏が受け持つ学生全員を上回る数の学生が応募してきたほか、アフガニスタンの紛争地域で1時間接続をなんとか確保して宿題を仕上げる学生、家の苦境にめげず勉学に励むシングルマザーもいたそうです。結局コース通して見事1問も落とさず満点で修了した学生は計248人。248人全員オンラインコースで、スタンフォードから受講した学生は満点組にひとりも含まれていませんでした(以上、ロイター)。
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スタンフォード大研究員・教授のポストを捨てて始めた「Udacity」では、 大学レベルのコンピュータサイエンスのコースをオンラインで提供します。授業料は完全無料。最初は以下2コースから。
CS 101: Building a Search Engine(サーチエンジンの作り方)
CS 373: Programming a Robotic Car(ロボティックカーをプログラムしよう)
むおーこれは面白そう!!
スラン氏はとりあえず受講50万人を目指しています。各自のペースで分かるまで教える、あのオンライン無料学校「カーン・アカデミー(Khan Academy)」が見本。
楽勝でA取れる、なんて軽い気持ちじゃ受講できない、覚悟が要るけど、でもエリート教育が無料で受けられるなんて、こんな素晴らしいことないですね。iPadも買わなくていいし。
[Udacity via Slashdot, Reuters via Geekosystem]
KYLE WAGNER(原文/satomi)