「第二次大戦当時フランスで造られた」と思しいアンティークのバイオリンをネットオークションで売ったら、カナダの買い手から「偽物」と物言いがついて、こんなボコボコに壊されてしまった、という先日のニュース。理解不能ですよね。
なぜ壊したのか?
売り手のEricaさんはRegretsyにこう書いてます。
バイオリンを私に返送してくれれば済む話なのに、PayPal(電子決済サービス)は返金する前提として買い手にバイオリン廃棄を要求したんです。なぜか彼等は「偽造品」だと思ったようなんですね、そんなものバイオリンの世界にはないのに。
買い手の男性は得意げに、壊したバイオリンの写真を私に送ってきました。
要するにPayPal利用規約の返金要件に「アイテムを廃棄し、その証拠を提示すること」と明記されてるのを見た買い手が額面通りやってしまった、と。結局Ericaさんには売り値の2500ドルとEricaさんが払ったと言ってる鑑定費用の赤字だけが残りました。あ~ネットの売買は難しいですね、特にアンティークは...!
早速RedditはPayPalの恐怖体験で盛り上がってますが、PayPalに取材したら、こんなコメントが返ってきました。
「PayPalのプライバシー方針の規定上、本件詳細は公表できません。が、当社では通常、1件1件慎重に審査しています。当該アイテムが贋作(がんさく)で、それを裏付ける外部専門家の署名入りの証拠が提示された場合には、買い手に贋作の廃棄を要請する場合もあります。なぜなら米国はじめ多くの国々では贋作を売り手に返品するのは犯罪行為と定められているからです」
犯罪行為...なら企業としてはしょうがないのか...。
でもまあ、この場合、売り手のEricaさんは「外部に鑑定もお願いした正真正銘のアンティークだ」と主張してるわけで、仮に売り手の鑑定が間違いで買い手の鑑定の方が正しかったとしても要は価格と鑑定の問題。それだったら鑑定を訂正すりゃ済む話じゃないですかね。いきなりこの写真は...堪えるよね。楽器を買う人が楽器を壊すなんてことが、あるんですね。
KYLE WAGNER(原文/satomi)