アメリカでは多くの人が服用していると言われているプロザックのような抗鬱剤は、脳内物質が安定して効果が現れるのに数週間はかかります。ニューロンに作用し、セロトニンの量を調節してくれます。
問題は、自殺を考えているくらい重症なうつ病患者は、この薬が効き出すまで待てないということ...。
一方ケタミン(スペシャルK、日本では麻薬指定)は、基本的に麻酔効果があるため、それ故に気分をハイにするドラッグとして闇市場に出回ることになりました。
研究の第一人者であるSanjay Mathew氏によると、ケタミンは、既に存在するニューロンを接続することによってニューロンを増加させる抗鬱剤とは「全く異なるメカニズム」で、ずっと早く新しいニューロンを構築することができるのだそうです。
患者は鎮静薬かケタミンのどちらか一方を与えられる二重盲検試験が行われました。数カ月に及ぶ研究結果はまだわかりませんが、何人かの患者は明らかに気分が良くなった事が報告されています。そのうちの一人の患者によると「もう霧の中にいない。もう重さもない。とてもすっきりした。家に帰って友達に会ったりスーパーに行って、家族に夕食を振舞いたい」と言っていたそうです。
訳者注:ただしケタミンは、日本ではもともと医薬品でしたが、2007年に「麻薬」指定されています。本文はアメリカでのお話なので要注意を。
[NPR via Business Insider]
mayumine(ANDREW TARANTOLA/原文)