数週間使ってみた感想は...、絶対アップデートすべき! 新しい追加された新しいグラフィックエンジンによる高速描画は素晴らしく、ユーザーの作業時間を大きく節約してくれます。今すぐダウンロードしてインストールしてみましょう、無料ですからね。(パブリックベータ版の有効期限はインストール時から60日間、または2012年5月31日(木)までです。)
筆者は、Photoshopが1994年にリリースされたバージョン3の頃から全てのバージョンを利用してきました(レイヤーの機能がついた最初のバージョンだったのである意味ラッキーだったのかも)。それは私にとって魔法そのものだったのです。以降、それぞれのバージョンもこれまでを覆すような新しい機能が追加されてきました。(覚えているのは、Photoshop 4で調整レイヤーが登場して「やった!」と思い、複数回の取り消しが登場して「キター!」と思い、Photoshop 5 でテキストの変更が後から出来るようになった時は「ウオオオ!」と思ったものです。)
しかしここ最近のPhotoshopのバージョンアップは、何だか代わり映えがしないしどんどん重くなってるだけだと思っていたんですよね。新しい機能も「うん、良いんじゃかな...時々使うかもな。いや、1ヶ月に1回位かな...」という感じ。
最新バージョンに至っては一番微妙、10%の機能はプロフェッショナルユース、残りの90%はたいして変わらないままでしたからね。Adobeは単に機能を増やしているだけ、まるでグラフィカルなMicrosoftのオフィスみたいじゃないか...とさえ感じていた昨今。もうこれ以上の、根本的な進化は望めないのかしれないとさえ思っていたのです。
そう、CS6までは。新しいバージョンは「本質的なものに集中」されました。
基本に立ち返る新しいPhotoshopの中で、最も重要なポイントだと思っています。まず立ち上げた瞬間、全く新しいインターフェースに目を奪われますね。今までのものとは明らかに違っていて、ダークグレーが基調となっています。(今までのグレー色の方が好みであればそれに戻す事も可能)新しいアイコンは中々クールだし、リニューアルされたインターフェースのデザインはよく考えられていると思います。
Adobeはインターフェースの専門家を雇い「君の好きなように全てを整理してより良くしてくれ」と頼んだのでしょう。そしてその「彼」は成し遂げてくれました。彼のチームは、大量のグラフィック要素を整え、ワークフローを整理しました。結果、これまで以上に首尾一貫してかっちりとした印象になりましたね。
さらにユーザーエクスペリエンスも、より機能的に改善されています。
切り抜きインターフェースが大きく改善され、よりパワフルになった新しい機能のうちの一つが
「切り抜き」です。欠かせない機能であるのに、これまで一切改善されてこなかった機能だと思います。新しい切り抜き機能は、完全に変わりました。切り抜いて調整する時に、画像が動かせて、ズームも出来て、回転も出来て、測ることも出来るのは、「Mercury」と呼ばれるCS6の新しいグラフィックエンジンのおかげです。
これは本当に素晴らしい。
オーバーレイの表示のされ方も選ぶことができて、黄金比、黄金螺旋、三分割法、等から選び、プリセットを保存することの可能。
さらに「切り抜き」には、整頓ツールが統合されていてこれも素晴らしいですね。画像上に直線を引いて、それに沿って切り抜くこともできます。切り抜き時の遠近法の変形にも役に立つ機能で、見栄え良く正面写真の遠近法を変更することができますね。「切抜き」機能はこれまで以上に使いやすく、パワフルで賢く進化しました。
RAWデータのインポート新しいCamera RAW 7 インポートもとても素晴らしいです。フォトグラファーは古いRAWデータをインポートし直して素晴らしい結果を見ることができると思いますよ。
Adobeによると「新しいトーンマッピングのアルゴリズム」を使っているそうで、明らかにこれまでとは違います。ハイライトやシャドウ、ホワイトのバランス調整を思い通りにできるようになっていて、まるで「黒の魔法」のようです。また、調整ブラシで塗ったところだけ、写真のRAWパラメータを調整できるのも良いですね。より柔軟な写真加工が可能になりました。
シャドウ・ハイライト「シャドウ・ハイライト」は多くのユーザーが気に入っている機能だと思いますが、この機能も大きくリニューアルされました。調整の値をどんなに極端なレベルにしたとしても、画像に光輪が出なくなったようですね。
これまでのバージョンでは、(特に時間が無いときなど)コントラストの間部分に現れる、酷い光輪を調整できないまま作業を終了したりして、メチャクチャな画像に仕上がってしまったこともあった気がします。現バージョンでは大きく改善、「黒の魔法」が再び。iPhoneのカメラで撮影した写真ですら完璧に仕上げることができます。
タイポグラフィテキスト関係ツールも、これまで以上に時間が節約できるようになりました。「段落スタイルと文字スタイル機能」が搭載されました。InDesignやIllustratorには元々この機能がありましたが、ようやくPhotoshopにも搭載され、より便利に!
Open Typeフォントもサポートしているので、ほとんどのフォントに対応しています。
lorem ipsum(ロレム・イプサム)ジェネレーターもおまけでついてきたのも地味に嬉しいですね。「典型的なダミーテキスト」を簡単に生成できるようになりました。
新しいレンズを使ったぼかし機能レンズを使ったような3つのぼかしフィルターが新しく使えるようになりました。これもAdobeの新しいMercury Graphics エンジンのおかげです。一番使えそうなのが、虹彩絞りぼかしで、それぞれ異なる焦点を選択することができ、ダイナミックにぼかし具合を調節できるようになりました。
直感的なインターフェースで全体の画像を変更することができます。最も重要なのは、リアルタイムで操作できることですよね。画像にポイントを定めてそのままフォーカスを定めて調整できるのです。さらに、チルトシフト風のぼかしもメニューに新しく加わってます。(でも私は虹彩絞りぼかしが一番便利だと思いますね)
「コンテンツに応じるパッチツール」が魔法レベル今までの「コンテンツに応じる」機能は正直気に入っていませんでした。簡単な作業では使えたとしても、今まで使ったことは無かったし、ユーザーが期待するような魔法のような機能では無かったと思っています。そして、CS6でついに「魔法」のようになったと、言えるようになったのだと確信しました。
「コンテンツに応じるパッチツール」は非常に素晴らしい機能です。写真から、何らかの物体を取り除きたい時など、とりあえずざっくりとその部分を選択し、その選択エリアを「ソース」としてPhotoshopに読み込ませたいエリアまで移動させます。Photoshopは、正確に推測し、瞬時にその物体を取り除いてくれます。必ずしも100%完璧ではありませんが、それでもかなり完璧に近いと思います。
「コンテンツに応じる移動ツール」も同じ位素晴らしいですよ。背景は維持しながら人や物体などを移動させたい時に、もってこいなのがこの機能。移動させたいものをざっくりと選択し動かすだけで、Photoshopがちゃんと解析して背景から上手にその物体だけを消して、移動してくれます。ものすごく便利。
何度も言うようですが、これらのツールは常に完璧ではありませんが、正確さとエフェクトはプロフェッショナル用途でも充分に使える精度です。もしPhotoshopが不十分だったとしても、ほんの少しレタッチをすれば良いのです。(言い換えると、この2つの機能はとても気に入っていますが、これまでの古いものは全然気に入っていないということですけどね)
広角補正フィルターこの機能はCS6の新機能ではありませんが。Adobeのレンズ補正システムはCS5から搭載され、その当時は、これは新しい機能だと感じることができる位、素晴らしい機能強化でした。画像ファイルが持っているレンズの実測データを元に、適切に画像の自動補正してくれるという機能です。(CS6では写真のメタデータから情報を解析します)
しかしこれは完璧では無く、逆に歪んでしまうこともありました。
しかし今回のバージョンでは、ビルや壁、道路、地平線など、画像に直線を引き、Photoshopに補正内容を的確に伝えることができるようになりました。
さらにデータの補正ポイントを指定可能、さらに正確なレンズ実測データを元に、より自然で正確な仕上がりになりました。
かなり良い感じです。
この新しい機能なしには生きていけないもの
レイヤー選択大量のレイヤーを使ったファイルを他の人と共有する時などに、CS6の新しいレイヤー管理方法がかなり便利ですよ。
レイヤーパレットから、レイヤーの種類に応じてフィルターが簡単にかけられるようになりました。大量に重なる様々な種類のレイヤーから、必要なレイヤーを探し当てる作業時間を軽減してくれます。「種類」「名前」「効果」「属性」「カラー」から条件を選んでフイルターできます。これは超絶便利です。
肌の選択もし人物モデル写真などで作業するのであれば、この機能強化で作業のスピードアップが期待できるんじゃないでしょうか。肌と顔認識テクノロジーによって、肌・顔部分を簡単に選択できるようになりました。選択部分はもちろん自由に調整できます。これもかなり良い感じに使えますね。
自動画像補正プロを冒涜しているような響きかもしれませんが...、この機能は本気で、素晴らしいです。ちょっとしたレベルやカーブの補正作業がいらなくなったと思いました。アドビは統計情報からこの機能を実現したようですね。まずユーザーが手動で完璧に補正した大量のデータを収集、そしてヒストグラムとカーブの結果をCS6に統合し、このロジックを用いて自動画像補正の機能として強化しました。これによって、データベースと同じような情報をもっている画像は、手作業することなく自動的に美しく補正してくれます。
この話は信じがたいかもしれませんが、絶対試してみるべきです。
新しいグラフィックエンジンは、カーブ、レベル、明るさ・コントラストで使えます。
バックグラウンドで自動保存これこそ最強の時間節約かもしれません。Photoshopがフリーズなどして、最初からやり直すことほど時間の無駄な事はないですからね。Adobeは、バックグラウンドでの自動保存と自動修復は時間節約になると言いますが、まさにそのとおり。
Photoshopは、自動的に毎5分、10分、15分、30分、60分毎に保存してくれます。このおかげで作業が邪魔されることなくなってストレスから開放されると思うと最高ですね。
パフォーマンスの向上Adobeの新しいMercury Graphics エンジンは実に素晴らしくて、どんな画像でもリアルタイムでエフェクトがかけられ、遅延はほとんど生じなくなりました。
「ゆがみ」「パペットワープ」「切り抜き」「変形」などは、私のコンピューター2つで試してみたけどかなり良い感じです。(もちろん、画像サイズが巨大であればハードウェア的にパワーが必要です)
そこまで便利では無いもの
今まで紹介した機能は、普段Photoshopを使うユーザーにとっては大歓迎したい、素晴らしい機能でした。しかしCS6は、大多数のユーザーが使うわけではないかもしれない、一部のユーザーが気に入るだろう新機能も搭載されています。その中のひとつが新しい3Dエンジンですね。
スティーブ・キャプリン(Steve Caplin「How to Cheat in Photoshop」の著者のアメリカのフリーランスのアーティスト)に聞いて驚いたのが、彼のお気に入りの新機能は、この3Dオブジェクトを作成する機能なのだそうです。そして「うーん、これはPremiereを持ってない人向けか?」と感じる新機能が動画編集機能ですかね。Photoshopで動画編集をしてみたいという人にとっては有り難い機能かもしれませんね。(私にとっては使いにくいし役にたちませんが。)
Photoshopは慣れ親しんでいるけど、PremiereやFinal Cutは難解なものだと思っているユーザーはいるとAdobeは言います。ただしロトスコープ(モデルの動きをカメラで撮影し、それをトレースしてアニメーションにする手法)をする人にとってはかなり便利みたいですね。新しい動画編集機能はプロフェッショナル向けではないものの、まあ以前に比べればかなり改善されています。
10年以上のPhotoshopの歴史の中で、ここまでインタフェースが整理されたのは初めてかもしれません。フォトグラファーやデザイナーの時間節約のために、原点に立ち戻っているところも非常に評価しています。全てのPhotoshopユーザーの時間とお金の節約に貢献していると言えます。良いところ
最新の基本ツールと豪華なインターフェース。新機能は非常に便利、時間の節約にも貢献。
新しいPhotoshop CS 6 は、ベータ版の時点で既に使い勝手がとても良いです。
良くないところ
これが最終バージョンではないので、もしかしたら驚くようなものすごい機能がつくかもしれませんね。
手に入れるべきか
もちろんそうすべき! 素晴らしいだけではなく、ベータテスト期間中はずっと無料で使えます(5月31日まで)。今すぐゲットしましょう。一度試してしまうと、二度とCS5以前には戻れなくなると思いますよ。
Adobe Photoshop CS6 ベータ• 米ギズランク: 星4.5つ
• 価格: 無料
必要システム構成必要システム構成は変わっていません。1GB 以上のRAM、OpenGL 2.0 対応のシステム。WindowsはXP以上で、Mac OS X v10.6.8またはv10.7。古いMacbook Pro 17でも快適に動作しました。
ダウンロード
Adobeのサイトから無料でダウンロードできます。
今すぐダウンロードして試してみるべきですよ!
JESUS DIAZ(米版/mayumine)