奇跡!
ケチャップをボトルから出し切るというタスクって、いまだに解決されていない大きな工学的課題のひとつです。ボトルをプラスチックにして絞りやすくしたり、ボトルの底に口が付いていたり、マメな人なら最後に残った分は容器を半分に切って小さなゴムベラで取ろうとしたり...しますが、完ぺきな解決策はありませんでした。もちろんケチャップに限らず、マヨネーズとかマスタードとかジャムとか、多くの調味料がこの問題を抱えています。でも、その問題が解決される日がついにやって来ました。マサチューセッツ工科大学(MIT)の素敵なナードたちが開発したノンスティック素材のLiquiGlideを使ったボトルでは、ケチャップが嘘のようにつるっと、きれいに出てくるんです。こちらの動画でご覧ください!
LiquiGlideはきわめてつるつると滑らかなコーティング素材で、食品に接しても安全なものです。プラスチックやガラスなどなどのパッケージ素材をコーティングすることができ、そうすれば上の動画のように、ケチャップがつるりと出てくる容器を作ることができます。これを作り出したMITのデーヴ・スミスさんは、Fast Companyに対しLiquiGlideの性質について「構造化した液体の一種です。固体のように硬いのですが、液体のように滑らかなんです」と説明しています。
彼らの長期的なゴールは、170億ドル(約1.3兆円)とも言われる容器産業の革命にはとどまりません。石油や燃料が詰まらないパイプラインや、凍結しないフロントガラスを作り出すことも見据えられています。でもまずは、近々実現されそうな新しいケチャップ容器から、ケチャップを出し切ってみたいものです。
[FastCo]
Kyle Wagner(原文/miho)