まじりっけなしの1枚の写真です!
iPhoneの壁紙でおなじみになったNASAによる地球画像は、実はたくさんの画像が合成されたものでした。それに対し、上のロシア発の画像は1枚の写真です。これは地球を最高解像度で撮影したもので、画素数は121メガピクセルもあります。1ピクセルが約1kmにあたります。
撮影したのはロシアの最新気象衛星「Electro-L」。Elektro-Lは地球の軌道を赤道の3万6000km上空で周回しながら、30秒ごとに地球の写真を2.56~16.36Mbpsで地上に送っています。この画像、そして下の北半球を捉えた動画は、可視光線3つと赤外線、計4つの光の波長を組み合わせて作られています。オレンジ色に見えるのは植物が生えているところです。
NASAの地球画像を作ったロバート・シモン氏によれば、ロシアの衛星発の画像とNASAのもの、どっちが良いというものではありません。ただ、光を画像として処理する方法と、使っているデータセットが違うんです。
Elektro-Lはロシアの衛星で、GOES(米国の気象衛星)と同様のものです。この米Gizmodoにポストされた画像は可視光線と近赤外線の波長を組み合わせたもので、(たとえば植物が赤みがかって見えているように)人間の目で見るのとは違う見え方になっています。NASAの画像と比べて良くも悪くもありませんが、違うものを見ることができます。
たしかに、NASAのシモン氏作成の画像は「よりリアルに、地球ってこうだろうという画に近く」するためにかなりの手間をかけているそうなので、逆に言えば今回のロシアの画像の方が写実的なのかもしれません。
NASAのゴダール宇宙センターGOESプロジェクトの研究員デニス・チェスターズ氏は、Elektro-Lの画像処理方法をより詳細に教えてくれました。
反射太陽光の3つの波長を組み合わせれば、赤・緑・青で作るカラー画像をシミュレーションできます。植物は近赤外線を反射するので、近赤外線は植物のインディケーターとして扱うことができます。
さらに上の画像をもっとズームして見られるバージョンがこちらです。1ピクセルが1kmなんて、大きな敷地なら「うちの大学はこのピクセルだ!」なんて特定できちゃいそうですね。
Image credit:NTsOMZ、Image processing:James Drake
Jesus Diaz(原文/miho)