いまでもベストなウルトラブックです!
軽く小さく安いノートパソコンといっても、やっぱり非力なネットブックでは不満なユーザーも多くて、超薄型ながらパワフルなマシンを追求した結果、これまでウルトラブックというカテゴリーが少しずつ人気を帯びてきたのではないかなって思うんですけど、その元祖とも呼ぶべき存在は、アップルの「MacBook Air」のはずですよね。
ただ、本当に初期の頃のMacBook Airには、ちょっと使ってると無理もあるんじゃないかなって実感させられるシーンが多々あったのは事実ではないでしょうか。ところが、それはアップルも十分に承知でして、アップデートを重ねるごとにウィークポイントを巧みにカバーし、去年くらいから「おぉっ、もう普通のユーザーはMacBook Airだけでもいいんじゃないのか」と思わせるほど、いい感じの仕上がりを備えてきましたよ。
そして、現在発売中の最新2012年モデルのMacBook Airを、このほど米GIZMODO編集チームが使いこなすうちに、どうやら納得の結論にたどり着いちゃったみたいなんですよね。
現時点で買うべきベストなノートパソコンは、よほどの高度な作業をこなすプロフェッショナルユーザーでもない限り、通常はMacBook Airこそがベストな選択肢となる...
単にウルトラブックというカテゴリーにとどまらず、もうノートパソコンという大きなジャンル全体でもMacBook Airがベストモデルとして浮上してきましたね。そこまでイチ押しな米Gizmodo編集チームによるレビュー、ちょっと必読ですよ~
MacBook Airとは何なのか?
この問いに対して、もっともシンプルに答えるとすれば、極薄デザインなのに超高速な全部入りのノートパソコンという回答は、あまりにも誉めそやし過ぎでしょうかね。まぁ、確かに超スリムを追求するあまり、いろいろと削られてる物も少なくないですから、全部入りって表現は正直なところどうなの...とボクなんかは感じてしまうんですけど、いざ日常シーンで使い始めると、今回アップデートされた最新モデルのMacBook Airには、本当に不足を実感させられることが少ない素晴らしい性能が備わっていますよ。
ちなみにアップルのほうでは、最近のMacBook Airの快進撃を大いに評価しているらしく、なんだか新しい「MacBook Pro」まで、デザイン的にはMacBook Airへと近づいてきてるような気がしています。いまは懐かしきホワイトモデルの「MacBook」が打ち切りになってしまったのも、MacBook Airの成功と無縁ではないでしょうね。さらに言うならば、このMacBook Airの好評価に触発されるかのような形で、他のWindows陣営からも続々とウルトラブックが登場してきたという観察さえ否定できないかもしれません。ただ、そういう現状でも、やはりMacBook Airに大きく勝るモデルは、そう簡単には見つからなさそうですよ。
実は去年発売されたモデルから、米Gizmodo編集チーム内では、ちょっとした仕事でもメインマシンとしてMacBook Airは使えるようになってきたよなって評価が高まっていました。ところが、新たに「Ivy Bridge」のIntel Core i7プロセッサーを選択可能になったいまや、モバイル向けなのでいろいろな我慢を忍んで使うウルトラブックというよりは、まさにメインでバリバリと使いまくっても全然オッケーなノートパソコンとしての風格すら備えてきたよねという太鼓判の評価へドドンと格上げですよ! グラフィックス性能も十分に満足できますしね。
実際にフルにパソコンとしての性能を試されるヘビーなゲーマーモードでMacBook Airを使いまくってみました。今回のバージョンアップを経る以前のモデルでも、パワフルな「Sandy Bridge」を搭載したMacBook Airであれば、そこそこのゲームをストレスフリーでプレイ可能になっていましたね。ただし、かなりのスペックが求められるシリーズになってくると、例えば、あの数年前の「Call of Duty 4」までがギリギリのラインとなり、最も設定を落とすことで、なんとか「Diablo 3」がプレイできるという程度でした。マルチプレイヤーでの対戦が進むと、さすがにMacBook Airでのプレイは厳しいかなっていうのが正直な感想でしたよ。
しかしながら、新しくIvy Bridge搭載モデルでテストしてみると、とうとうMacBook Airでも、同じDiablo 3が、設定をミディアムからハイエンドにアップしてもストレスフリーで楽しくプレイできちゃったりします! まぁ、これはひとえにIvy Bridgeの働きによるところが大きく、他のWindowsモデルの同スペックのウルトラブックでも、やはり評価としては似たようなレベルにはなってくるのですが、現在発売中のMacBook Airが、1世代のオプショナルアップグレードで、ここまで性能を高めてきたのは注目に値すると、米Gizmodo編集チームにおける満足度は相当なものでしたよ。
MacBook Airに根強いファンが多いのは、ユニボディーの美しいデザインに魅了されたって人も少なくない点にあるかもしれませんね。そして、最新モデルのレビューから判明してきたのは、キーボードならびにトラックパッドの反応が最高によくなってきているという点ですね。特に、これまで注目してきた以外のアップデート分野として、RAMの容量が大きくパワーアップし、最高で8GBまで搭載可能になったことゆえのメリットには計り知れないものがありそうです。以前より格段に、使用中に反応が遅いとイライラさせられるシーンが減ったのを実感できるはずですよ。
ちなみにMacBook Airは、トラックパッドのスクロールおよびジェスチャー操作が使いやすいって評判も高いみたいですけど、これは他のWindows陣営のウルトラブックと比較してみると明らかになるかもしれません。いまのところ、いろいろと米Gizmodo編集チームで試しまくった中で、このMacBook Airに匹敵するトラックパッドが使えそうなノートパソコンは、サムスンの「Chromebook」の最新モデルくらいじゃないかなだなんて爆弾発言まで飛び出してきちゃってる始末ですね~
さて、ここまでいかに最新のMacBook Airの完成度が高く、オプションでのアップグレードも含めて、いかにコストパフォーマンスが高い優れたノートパソコンであるのかを力説しまくってきましたが、やはり弱点や不満に感じることだってないわけではありませんから、これから購入を検討される方に向けて、最後にMacBook Airの抱える問題点を挙げておくことにいたしましょう。
まずはポート類の不足は否めませんよ。標準で2個のUSB 3.0ポートが備わってはいるものの、 やはりこの数では心もとなく感じるシーンだって多々あるのではないでしょうか。Thunderboltポートからのデジタル出力環境が不十分との評価もあるにはありますけど、これを問題にするユーザーは少なそうでしょうかね。ただ、最大の難点は11インチモデルを選択するとSDカードスロットすら搭載されていないことではないでしょうか。きっとこの仕様に関しては、必ずや将来的に変更が加えられるに違いないって固く信じて待ってるんですけどね...
あと、まぁ、これはMacBook Airの登場以来の課題でもあるとも思いますが、長時間の利用で本体が熱くなってくる問題が少しは改善されてきたようではありますけど、まだまだ完全に解決済みではありません。この分野に関しては、残念ながら、他のWindowsモデルのウルトラブックのほうがマシのようで、同じ時間を利用した時に本体に触れて感じる熱量は、MacBook Airがワーストというケースが多そうですね。
それから、細かい点ではありますけど、一部の周辺機器は認識に問題がありましたよ。ただし、これはMacBook Airそのものの問題というよりはOS Xの問題点という気がしましたけど。あっ、これはうれしいポイントに挙げ忘れたので付け加えておきますと、意外とステレオスピーカーの性能はよく、想像していたよりもパワフルでクリアーなサウンドを楽しめることでしょう。
いかがでしたか。あくまでも米Gizmodo編集チームの独断と偏見ですけど、このMacBook Airは、現時点でパソコンを買うんだって人にベストの選択肢になるのではないかなぁとの最高評価ですよ。やや最小構成モデルだと物足りないので、オプションで欲しいパフォーマンスはアップグレードしておく必要性がありそうですが、10万円前後の出費をするならば、確かにMacBook Airは素晴らしいノートパソコンのようですね。きっとこれを超える次なる製品って、マイクロソフトが出してくる「Surface」くらいしかないんじゃないのかなぁ。あっ、ただし、日本のユーザーであれば、来月発売になるNECの「LaVie Z」は有力な対抗馬となってくるのかも~
Kyle Wagner(米版/湯木進悟)