今回のレビューモードは、新しく発売されたばかりのソニー サイバーショットRX100のレビューをお届けしますよ。触ってみて分かったのが、RX100はジャンルで分類するとコンデジに入りますが、その高画質たるや、決してレンズ交換式カメラに引けを取りません。
それも、新開発された1.0型CMOSセンサーと、これまた新開発のカールツァイス大口径F1.8レンズのおかげ。カメラにおいて、センサーとレンズは大事ですよね。
個人的に、ソニーのコンデジやハンディカムの光学系は、手ブレ補正すげー。画質いいー。という印象が元々強かったんだけど、その気持ちが一層強まった感があります。
それではレビューどうぞ!
サイバーショットRX100とは
ソニーの最新コンデジです。小型ボディに1.0型のCMOSセンサーが搭載され、大口径のF1.8カールツァイスレンズを搭載しているので、明るく、ぼけを表現するのがとても簡単なのが特長。サイバーショットのラインアップの中では、一番上位に位置する機種です。
このために開発された1.0型センサー
RX100のために新開発された1.0型CMOSセンサーは、カールツァイスレンズを通った光を十分に受け止めてくれ、描画が素晴らしいものになります。それに、コンデジに搭載されるセンサーは通常1/2.3型なので、RX100に搭載されている1.0型CMOSセンサーはだいぶデカい! センサーの大きさが画質に直結すると言ってもいいし、それをこのサイズに詰め込んできた所を見ると、本気で「ソニーきたな」と思わせてくれます。
画素数でいうと約2020万画素もあるので、コンデジを求める人には十分でしょう。これだけ画素があっても、PCディスプレイで写真観賞するだけの僕には使い切れません。Apertureで写真管理をしていても、RX100と一眼で撮影した写真の違いは、目を凝らさないと分からないほどです。
撮影に関しては、光が十分なくてもキレイに撮れます。1.0型CMOSセンサーいいじゃないすか。
F1.8の大口径カールツァイスレンズ
レンズも一級品。
サイバーショットRX100に搭載されてるレンズは、定評あるカールツァイスの「バリオ・ゾナーT*」レンズです(ティースターって読みます)。カメラメーカーで「バリオ・ゾナーT*」レンズを用意してるのはソニーくらいだけど、コンデジにこんな良いやつのっけちゃうの?ほんとに? って感じです。
まずレンズのF値は1.8。もう明るいです。いい感じにぼけます。
ここでマイロハス佐々木君がギズに初登場。この撮影場所はあまり光が入らないんだけど、写真左奥から差し込む太陽の光を取り込み、ここまで明るい表現をしてくれました。サイバーショットRX100の「バリオ・ゾナーT*」レンズは、レンズにT*コーティングと呼ばれる加工が施されてるので、不要な反射光を低減して光がセンサーまで多く届くようになっています。なので、レンズを通った光は、1.0型CMOSセンサーが余すことなく受け止めてくれます。
焦点距離は、28mm-100mmの光学3.6倍ズームです。これだと短いと感じるかもしれませんが、RX100には「全画素超解像ズーム」を搭載しているので、光学ズームと併用して7.2倍相当まで*ズームが可能です。全画素超解像ズームは、通常のデジタルズームとは違い画質の劣化がほとんどないのが特長。これはナイス。
*光学3.6倍ズーム含むワイド端からのズーム倍率。 静止画撮影時のみ
ボディ
手のひらサイズです。
分かりやすい例えをすると、横幅はほぼiPhoneと同じ。縦幅はiPhoneより短く、とても持ちやすい、持ち運びしやすいサイズと言えますね。もちろん厚みはありますが重さは約240g。黒を基調とした高級感溢れるデザインは、所有欲をどこまでも高めてくれます。無駄がなくシンプルで大好きです。
唯一気になるのは「レンズ」が、ボディからポコッとはみ出てるところ。これはこれで全然いいんですが、パンツの後ろポケットにカメラを入れて、取り出すときにひっかかる感じはします。まぁ、それは手のひらサイズにこの高画質が詰め込まれてるのと引き替えになったポイントですね。
ボタン類は一般的なコンデジと同じ配置をしているので、戸惑うことはないですよ。
コントロールリング
ハイエンドなコンデジはリングが付いてきてますよね。
レンズの根っこにあるコントロールリングで、マニュアル操作を行えます。このコントロールリングではカメラの基本的な機能である絞り、シャッタースピード、ズーム等の機能が使えるので、カメラ慣れしてる人には分かりやすいかな。
使ってみた感じだと、電子制御感はするものの、絞りをリングで調整するときは「リングを回す」だけで直感的に操作できるのはやはり便利です。
基本性能だって高い
センサーやレンズばかりに目がいってしまいますが、RX100は抜かりない基本性能も特長です。ざっとポイントを挙げてみますね。
・10コマ/秒の高速連写
・自然な写真に仕上げるオートHDR
・逆光を自然な明るさにしてくれるDレンジオプティマイザー
・光学式手ブレ補正
・充実のホワイトバランス
・シーンに合わせたフォーカスモード、エリア設定
・3種類の測光モード
挙げだすとキリがありません! 詳しくは公式サイトで確認をー。
撮影モード
撮影モードが多いのもいい感じ。一般的なプログラムオート(P)・絞り優先(A)・シャッタースピード優先(S)・マニュアル露出(M)・プレミアムおまかせオートなど、ほとんどの撮影で困ることはないです。
使っていて好みだったのは「スイングパノラマ」機能で、レンズの画角に収まりきれない写真でも、カメラを横にすーっと動かすだけでパノラマ写真が出来上がってるのはお見事。単純に楽しいんですよね〜。
忘れがちなのが「動画」です。センサーとレンズが良いだけに、フルHD動画も高精細で記録できるのでお忘れなく。
サンプル写真と動画
ご覧の通り明るい上にぼけが素晴らしい写真が簡単に撮れます。
最近パスタ作りにハマってるのでパシャッと。いい感じにぼけるのでおいしそうに見えます。実際うまいんだけどね。
渋谷から自宅へ帰るときにバス乗りついでにガラス越しから撮影しました。夜でこれだけ撮れるんだから満足満足。
サンプル写真もどうぞ。いずれも未加工で明るさも調節していません。それでこれだけ撮れるんだから、ちょっとフォーカス変えたりするだけで気に入る写真が撮影できちゃうよ。
RX100のいいところ
上述した通り、手のひらサイズの高画質。この一言に尽きます。一度RX100を使い始めたら、重くてでかいデジタル一眼レフカメラを持ち歩くのが面倒になりました。だってRX100で十分見れる写真が撮れちゃいますもん。このハイパワーっぷりは素晴らしいものがありますよっ。
あと、これは便利だなと思ったのが、USB経由でカメラの充電ができるところ。おかげでまたUSBポートが1つ足りなくなります。
あ、まだあった。撮影画質で安心のRAWを選べるとこもグッドです。RAW JPGも選べます。
RX100の気になったところ
画質はこのクラスのカメラだと随一ですし、特にないんですよねぇー。ほんとにこまかーいところだと、操作メニューが良い意味でも悪い意味でも相変わらず昔のままだったという感じでしょうか。
買いなの?
星は4.2。小数点入れたくなったのは今回が初めてです。
心の内を明かすと、一眼は一眼で手元に置いておきたいので、RX100はサブ機として常に持ち歩いて使いたいというのが本音。何度も言うようですが、手のひらサイズの高画質は満足できるので、一眼はいらないけど、普通のコンデジはちょっとなーという人にぴったりです。あとはスマホの写真に不満がある人とかね。
ネット上で価格を調べてみると実売約6万円ほどで買えます。サブ機として考えても十分安いです。一眼と違ってレンズ代を考えなくていいのは助かりますね。今税金とか大変ですし。
うわぁ〜困ったことに、ボーナスをカメラに注ぎ込むならRX100しか目に入らなくなってる...。この夏はMountain Lionくらいしか買う物なさそうだし、いけるなぁ。
[DSC-RX100 | デジタルスチルカメラ Cyber-shot"サイバーショット" , ソニーストア]
(大野恭希)