「甘いものは別腹」って、あながち間違いじゃないのかもしれませんね。
美味しい食べ物を見ると、満腹でもついつい手がのびてしまいます。しかも、そういう食べ物に限って脂肪や糖分を含んでいたりしますよね。一体なぜなのか? それは、食べ過ぎを防ぐための神経メカニズムよりも野生の本能が勝ってしまうからだそうです。...ちょっと混乱しちゃいましたか? では順を追って説明しましょう。
人は空腹になると「グレリン」というホルモン物質を分泌し、脳内で神経伝達物質「神経ペプチドY(NPY)」と反応することで空腹を「感じる」ようになります。一方、満腹のときはグレリンと逆の作用を起こす「レプチン」が分泌され、神経ペプチドYと反応して空腹感を静めていきます。
でも、実はこの2パターンには当てはまらないケースもあるんです。
それは、脂肪が多くて甘い、いかにもカロリーの高そうな食べ物を目にしたとき。こういう場合、有史以前から人間が持っている本能に火がつきます。我々の祖先は食べ物が十分にない世界に生きていたため、いつも食べ物を求めて歩きまわっていました。生き延びるためにエネルギー消費を抑え、機会さえあれば何かを食べたり蓄えたりしていたのです。地球上のほかの動物と同じようにね。
現代ではこの類の食べ物も溢れかえっていますが、それでも古代からのサバイバル精神がグレリンとレプチンによるメカニズムより優先され、食べ過ぎを引き起こしてしまうことがあるそうです。でも、太ったときには「古代の記憶が...」なーんて言い訳せずに、美味しく食べた分だけ運動することをおすすめしますよ。
[AsapSCIENCE via Geekosystem]
Jesus Diaz(Rumi/米版)