アンチウイルスソフト分野を切り開いたマカフィー創業者ジョン・マカフィーが、中米ベリーズ警察に殺人容疑で指名手配された模様です。
ベリーズ警察犯罪組織撲滅捜査部隊のトップ、マルコ・ヴィダル(Marco Vidal)氏によると、土曜アンバーグリスキー島サンペドロタウン市内の自宅で射殺された米国籍グレゴリー・フォール(Gregory Faull)さん殺害の容疑がかかっている、とのこと。捕まえて尋問しないと容疑確定じゃないけど、なにしろ本人は行方不明なのです。
以下は警察の発表。
殺人事件
2012年11月11日(日)8:00am、サンペドロタウンの5.75マイル(9km)北の自宅で男性が死んでいる、との通報を受け、サンペドロ警察が現場に急行した。被害者は52歳の米国籍GREGORY VIANT FAULLさんで、後頭部の上方を銃で撃たれ仰向けに倒れて血みどろになって死んでいた。
最初の聞き込みで明らかになったところによれば、同日7:20amにベリーズ人の家政婦LUARA TUNさん(39)がFAULLさん宅に仕事に出かけたところ、廊下に倒れて動かなくなっているのを見つけた。生きている姿が最後に目撃されたのは10日10:00pm。FAULLさんはひとり暮らしだった。
家に鍵をこじ開けて入った形跡はなかった。 現場からはラップトップコンピュータ1台(製造ブランド、シリアルナンバー不詳)と、iPhone1台が失くなっていた。 死体発見場所は2階廊下。2階に通じる1階の階段から使用済みの9ミリ弾の殻が見つかった。FAULLさんの遺体はKHMH霊安室に運ばれ、検視待ち。殺人の動機はまだ明らかになっていない。警察では、いくつかの情報を基に捜査を急いでいる。
殺されたフォールさんはカリフォルニア出身の建築業者で、地元の人にもよく好かれていた、と近所の人たちは話しています。先週水曜には市長執務室に「(隣の家に住む)マカフィーが銃を発砲して『ガラの悪い振る舞い』をして困る」と正式に訴えたばかり。最後の喧嘩の原因は犬の扱いをめぐる争いだったようです。
「え...あの天才プログラマーのマカフィー? いつからそうなってたの??」という方は、「IT億万長者から犯罪容疑者に・・・マカフィー創業者の転落人生 - NAVER まとめ」をどうぞ。
米ギズでも8日近況を詳しく伝えたばかりなのですが、近年は米国人と疎遠になり、ベリーズのドラッグ犯罪組織と付き合うようになっていたようです。
読者から入った情報によると、ロシアのドラッグ板に2010年7月からハンドルネーム「stuffmonger」で9ヶ月で200回以上も書き込みをしており、MDPV(バスソルト)にどっぷりはまってたことが伺えます。あのマイアミ・ゾンビ人食事件で有名なMDPV。
2011年4月1日に出た最後の投稿(下)では、「ジョン」と自己紹介してます。
MDPVは米国で最近になって違法化されたんですが、ベリーズでは今も合法です。原料は東アフリカ原産チャット(カート)。体験した読者の話では「2週間やったら視界の隅に人影が出てくるようになった。とんでもないドラッグ」だそうですよ。
何が彼を...の「何が」の部分はこれである程度説明がつきそうですね。
UPDATE: 先ほどCBS朝のニュースにワイズ記者が出演し、このスクープのあらましを語っていました。
*本稿は、今年4月に中米のマカフィー氏の自宅を訪れた科学ジャーナリスト、ジェフ・ワイズ記者のゲスト寄稿を大幅に短くしたものです。ポピュラーメカニクス連載コラム「I'll Try Anything」担当、著書に「Extreme Fear: The Science of Your Mind in Danger」。サイト:JeffWise.net