ドローンを遠隔操縦するパイロットふたりの悲しい会話

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ドローンを遠隔操縦するパイロットふたりの悲しい会話

米空母の無人爆撃機が「未来」だと盛り上がった後にこんなものが...。

ドローン(無人機)を遠隔操作して人を殺すストレスでPTSDになってしまった米兵の話を、独紙シュピーゲルのニコラ・アベ(Nicola Abe)記者が書いています。その読み応えのある記事の中にこんなドローン操縦士ふたりの生々しい会話が載っていました。

「今俺たち殺したの子どもじゃないか?」と彼は隣の男に訊いた。

「ああ、たぶん子どもだ」と答えるパイロット。

「あれは子どもだったのか?」―ふたりは画面のチャットの窓にこう入力してみた。

すると誰か見知らぬ人物、この世界のどこかで彼らの攻撃を見守っていた軍司令部の誰かが答えた。「いや、あれは犬だ」

ふたりはもう一度そのシーンを録画で見直してみた。二本足なのに犬か?

夏に調査報道ジャーナリスト協会が発表した推計では、パキスタンの部族地域内だけで少なくとも168人の子どもがドローン攻撃で亡くなっているそうです。米政府は死者数を機密扱いにして公開していないので実数は把握のしようがないのですが...。

遠隔で攻撃を行うパイロットも影響がゼロというわけではなく、1年前に米空軍が行った調査では米国のUAVパイロットの17%に「臨床的苦痛」の症状が出ていることがわかっています。

遠隔操作で体は無傷でも精神的に参る理由がこれを読むと、なんとなく分かる気がしますね...。

Spiegel

関連:The Atlantic国連、無人偵察機犠牲者を調査へ

Jesus Diaz(原文/satomi)