ジョブズ氏の豪華クルーザー「Venus」が仏人デザイナー、フィリップ・スタルク(Philippe Starck)氏にデザイン料未払いで訴えられ裁判所に差し押さえられていた件でクリスマスに和解が成立、やっとアメリカに向け航海できる運びとなりました。
フィリップ・スタルクと言えばカーブ&透明を多用した外来菌っぽいデザインで、アップルのクリーン&モダン&ヒューマン・ツールなデザインとは真逆。同じモダンはモダンでも『宇宙家族ジェットソン』風のモダンで、どれもこれも「1960年代の主婦が思い描く未来」をそのまま形にしたみたいなデザインですから、今年4月にスタルク氏本人が「いま新しいアップルのものを極秘でデザインしているんだ」とフランスのラジオ局にポロッと喋った時には「ええーまさか!! ジョニー・アイヴと正反対じゃん!!!」と騒然となりましたよね...。結局はアップルとは関係のないジョブズ氏個人のお仕事だったわけですが。
今回スタルク氏は「ジョブズ氏と合意したデザイン料は900万ユーロなのに600万ユーロ(約6.7億円)しか支払われていない」と裁判所に訴えました。なんせ個人的なお付き合いの延長の口約束で、本当に900万ユーロであることを証明する書面がないらしいんですね。
でもまあクリスマスだし。いったん残金300万ユーロ(約3.4億円)の支払いを拒否したジョブズ遺産相続人たちも、月曜(24日)にはしかるべき保証金を振り込んで譲歩し、「ヴィーナス号は無事解放された」と代理人は仏紙ル・モンドに話しています。振り込んだ金額は不明。