世界最高の研究機関の一つとしてKinectなどを生み出してきたマイクロソフトリサーチが、とんでもない研究内容を公開しています。
現在同社が手がけているIllumiRoom(イルミルーム)プロジェクトは、部屋の壁一面にゲームのイメージを投影するという内容。しかし当然ながら、ただ大画面で投影するわけではありません。テレビ画面と連動して、自宅をまるごとゲームの世界へと巻き込んでいくのです。
IllumiRoomの基本的な仕組みは、テレビ画面のある壁全体を立体的にスキャンして、その形状にあわせた3Dプロジェクションマッピングを行うというもの。これによって、たとえば実際の凹凸に関係なく平面に見えるよう逆算して歪めた動画を投影できるので、テレビ画面のサイズにとらわれず壁一面を1スクリーンとして拡張できます。
しかし、これはほんの序の口。壁は凹凸だけでなくビジュアルとしてもスキャンされているため、「ゲーム内で衝撃を受けると実物の本棚が揺さぶられたりグニャグニャ歪んだりする」など、リアルとバーチャルの境界を覆すような視覚効果がリアルタイムに計算され、室内のアイテムたちに投影されるのです。
昨年末は東京駅でのプロジェクションマッピングが話題になり、過剰な混雑によってイベントが中止に追い込まれるという騒ぎがありました。しかし、そのプロジェクションマッピングが自宅で見れるだけでなく、ゲーム内のインタラクションによってリアルタイムに体験できる日がやがて来るようです。
ちなみに上の動画ではゲームのコントローラーを持って遊ぶ様子が描かれていますが、空間認識にはKinectの技術が使われているようです。となると、ジェスチャーインターフェースの操作フィードバックとして室内が歪んだりするような亜空間効果も当然考えられるわけで...。もう完全にバーチャルワールドの住人ですよ。
現在は概念実証フェーズということですが、製品化が決まったら脊髄反射でマストバイですね。より面白い視覚効果が得られるように、わざと凹凸のある部屋に模様替えしてみたり...。これはかなり楽しみだなあ。
[Microsoft Research via Engadget, Next at Microsoft]
Rumi(Casey Chan 米版)